4月までの「山本講師同行ツアー」はすでに3本、出発決定になっています。それぞれ特色のあるツアー内容なので、お誘いするために企画者としてその魅力を改めてご紹介します。「本場で本物を」体験するツアーへの参加を、是非ご検討ください。
画像: シュターツカペレ・ドレスデンを指揮するティーレマン

シュターツカペレ・ドレスデンを指揮するティーレマン

ドイツの3つの名門オーケストラを拠点で堪能

今年のウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを指揮し、世界中の音楽ファンを虜にした指揮者ティーレマンが、2月に音楽監督を務めるシュターツカペレ・ドレスデンの定期演奏会で初めてシューベルト作品を指揮します。ツアーでは、この話題の演奏会を間に挟んで、日本でも圧倒的な人気を誇るピアニスト、アルゲリッチを迎えたバレンボイム指揮のシュターツカペレ・ベルリン演奏会と天才打楽器奏者と称されるクルービンガーが出演するメータ指揮のベルリン・フィル演奏会を一度の旅行でお楽しみいただきます。

シュターツカペレ・ベルリンが世界のトップ・オーケストラとして注目されるようになったのはドイツ統一後ですが、その歴史は1570年まで遡ります。宮廷楽団が前身で、1742年に王立歌劇場ができてからは、ウィーン・フィルやシュターツカペレ・ドレスデン同様、歌劇場付きの楽団となり、現在もベルリン国立歌劇場の演奏を担当しています。

画像: ベルリン・シュターツカペレの拠点 ベルリン国立歌劇場 2017年10月に大規模改修を終えて再オープン

ベルリン・シュターツカペレの拠点 ベルリン国立歌劇場 2017年10月に大規模改修を終えて再オープン

1992年にこの伝統の歌劇場の音楽監督に就任したのがバレンボイムです。バレンボイムはオペラ指揮の他、シュターツカペレ・ベルリンの定期演奏会などを精力的にこなし、イースターの時期には「イースター音楽祭」のため不在になるベルリン・フィルに代わって、1996年に国立歌劇場をメイン会場にした「ベルリン・フェストターゲ」という音楽祭も創始しました。今をときめくネトレプコやカウフマン、一世を風靡したドミンゴなどがバレンボイムの呼びかけに応じて、国立歌劇場に出演するようになり、ドイツで最も注目を浴びる歌劇場にました。

バレンボイムは、2000年にシュターツカペレ・ベルリンの終身常任指揮者に任命され、国立歌劇場音楽監督としての契約も2022年まで結んでいますが、ライバルのベルリン・フィルも定期的に指揮しています。直近では2018年のジルヴェスターコンサートを指揮し、年末の話題を独占しました。今後も音楽都市ベルリンで重要な役割を担うことになるでしょう。

画像: ドレスデン・シュターツカペレの拠点 ゼンパー歌劇場

ドレスデン・シュターツカペレの拠点 ゼンパー歌劇場

シュターツカペレ・ドレスデンは、ザクセン選帝侯の宮廷楽団として1548年に創立された世界最古のオーケストラです。ドレスデンでは 17世紀には宮廷歌劇場で本格的なオペラ上演が始まり、宮廷楽団がドレスデンのオペラ史に深い関わりを持つようになります。オペラの伝統は、19世紀になって宮廷楽長を務めた作曲家ウェーバーやワーグナーへと受け継がれました。ウェーバーは宮廷楽団を指揮し、自作の「魔弾の射手」やモーツァルトのオペラ作品を頻繁に上演しました。

1841年には待望のゼンパー歌劇場が完成し、宮廷楽長として迎えられたワーグナーは、初期の代表作「さまよえるオランダ人」や「タンホイザー」を自らの指揮で初演しています。20世紀に入ると「サロメ」や「ばらの騎士」などR.シュトラウスの9つのオペラ作品が初演されました。まさにゼンパー歌劇場とシュターツカペレ・ドレスデンは、ドイツ音楽史上絶えず重要な役割を担い続け、現在の確固たる名声を築いているのです。2012年から音楽監督を務めているティーレマンは、2024年まで契約を延長し、毎シーズン最低でもオペラとコンサートを40回は指揮することになっています。

ツアーで鑑賞できる公演

シュターツカペレ・ベルリン演奏会
指揮:D.バレンボイム 出演:M.アルゲリッチ
演目:プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第3番 ヴィドマン/管弦楽のための「バビロン」組曲
会場:国立歌劇場
シュターツカペレ・ドレスデン演奏会
指揮:C.ティーレマン 
出演:Z.マクサイ、J.ウッベローデ、J.レンネベック、M.タカーチ
演目:シューマン/4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック
シューベルト/交響曲第8番「グレート」 会場:ゼンパー歌劇場
ベルリン・フィル演奏会
指揮:Z.メータ 出演:M.グルービンガー
演目:ヴァレーズ/アンテグラル エトヴェシュ/パーカッション・ソロと管弦楽のための4つの詩
リムスキー=コルサコフ/交響組曲「シェヘラザード」 会場:フィルハーモニー

世界2大オーケストラの競演

音楽が好きな方が最初に訪れたいと思う都市は、間違いなくベルリンとウィーンでしょう。それはよい意味でのライバル意識を持ち、切磋琢磨して音楽界を牽引してきた2つの名門オーケストラ、ベルリン・フィルとウィーン・フィルがあるからです。ツアーではラトル指揮のベルリン・フィル、バレンボイム指揮のウィーン・フィルの演奏を拠点ホールのフィルハーモニーと楽友協会ホールで聴き比べていただき、さらに格式と伝統を重んじるオペラの殿堂ウィーン国立歌劇場で「ドン・ジョヴァンニ」もお楽しみいただきます。

画像: ベルリン・フィルの拠点ホール フィルハーモニー

ベルリン・フィルの拠点ホール フィルハーモニー

ベルリン・フィルは1882年設立以来、今日の名声の基礎を築いたビュローとニキッシュ、そして黄金時代を築いたフルトヴェングラーとカラヤンと引き継がれ、さらにアバドが12年間、ラトルが16年間首席指揮者を務め一時代を築きました。拠点ホールの近代的なフィルハーモニーでシーズン中、約100回の演奏会を催していますが、オペラの演奏をするのは唯一、バーデンバーデン・イースター音楽祭だけです。

画像: ウィーン・フィルの拠点ホール 楽友協会ホール

ウィーン・フィルの拠点ホール 楽友協会ホール

ウィーン・フィルは1842年、作曲家ニコライの指揮で初めてのコンサートを行い誕生しました。当時楽団員は全員帝立宮廷歌劇場のメンバーで、現在でもウィーン国立歌劇場管弦楽団に所属している演奏家だけが、ウィーン・フィルのメンバーになることができます。1933年まではマーラーやフルトヴェングラーなど首席指揮者が、年に4回程度の定期演奏会を指揮していましたが、その後は演奏会毎に客演指揮者を迎えるようになり、現在は10名の定期演奏会指揮者を迎えています。拠点ホールの伝統的な楽友協会ホールでシーズン中、約50回の演奏会を催し、国立歌劇場で約300回オペラ・バレエの演奏を担当しています。

画像: 伝統的な雰囲気が漂うウィーン国立歌劇場の階段室

伝統的な雰囲気が漂うウィーン国立歌劇場の階段室

ウィーン国立歌劇場は1625年、ウィーンで初めてオペラが上演されて以来のオペラの伝統を守り続けてきた世界屈指の歌劇場です。皇帝フランツ・ヨーゼフの命令で始まった新都市計画の一環として、城壁を撤去したリング通りに帝立宮廷歌劇場が建設され、1869年5月25日、「ドン・ジョヴァンニ」で柿落としをしました。第1次世界大戦後のハプスブルク帝国崩壊と同時に国立歌劇場と改名しています。
1945年3月劇場は空爆で破壊され、再建にあたっては、舞台部分以外の客席部分は、ほぼ1869年のオリジナル通りの設計が取り入れられました。内部は豪華絢爛、馬蹄形の客席は、赤、金、アイボリーのインテリアで統一され、伝統的歌劇場の雰囲気が保たれています。

ツアーで鑑賞できる公演

ベルリン・フィル演奏会
指揮:S.ラトル 出演:M.コジェナー、C.ティリング、M.パドモア、C.ゲルハーヘル、R.ウィリアムズ、A.ステイプルズ、ベルリン放送合唱団
曲目:バッハ/ヨハネ受難曲 会場:フィルハーモニー
ウィーン・フィル演奏会
指揮:D.バレンボイム
曲目:プロコフィエフ/交響曲1番、マーラー/交響曲1番 会場:楽友協会ホール
モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」
指揮:A.マナコルダ 出演:O.ペレチャッコ、V.ジャンス、P.マッテイ、A.プラチェトカ
会場:国立歌劇場

ベルリン・フィルの音楽祭

巨匠ムーティ指揮がヴェルディの大作「レクイエム」を指揮する他、次期ベルリン・フィルの首席指揮者と音楽祭音楽監督に決まっているペトレンコが、チャイコフスキーの交響曲第5番とベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番(ランラン出演)を指揮します。そしてスター歌手が顔を揃えるオペラ公演「オテロ」は、ガッティが健康上の理由でキャンセルしたため、オペラ指揮者としても定評のある巨匠メータが代役を務めることになったので、2019年も変わらず最高のパフォーマンスが期待できるでしょう。今でもこの音楽祭の最大の魅力は、ベルリン・フィルが演奏するオペラ公演が鑑賞できる唯一の機会だということです。

画像: 音楽祭のメイン会場 祝祭劇場

音楽祭のメイン会場 祝祭劇場

ベルリン・フィルは、ウィーン・フィルやシュターツカペレ・ドレスデンなどのように宮廷歌劇場管弦楽団が前身ではなく、オペラを演奏するオーケストラではありません。ザルツブルク出身の偉大な指揮者カラヤンは、1955年にはベルリン・フィル、1957年にはザルツブルク音楽祭の芸術監督に就任し、1989年に亡くなるまでそのポストに就いて多大な功績を残しました。しかしカラヤンは、夏のザルツブルク音楽祭でホスト役としてオペラの演奏を担当しているウィーン・フィルを差し置いて、ベルリン・フィルにオペラを演奏させることはできなかったので、ベルリン・フィルにオペラの演奏機会を与えるために、1967年、ザルツブルクで新しい音楽祭「ザルツブルク・イースター音楽祭」を創始しました。

カラヤンの死後、アバドが12年間、そしてラトルが11年間音楽祭の音楽監督を務め、カラヤンの遺産を守ってきましたが、ベルリン・フィルはより多くオペラを演奏する機会と新たな可能性を求めて新天地バーデンバーデンへ移ることを、楽団員の総意で決断しました。2012年、ベルリン・フィルのザルツブルク・イースター音楽祭は、45年の歴史に幕を閉じ、2013年からバーデンバーデン・イースター音楽祭として再出発しました。バーデンバーデンでは、ベルリン・フィルの希望通りオペラを演奏する機会が増え、3回~5回オペラ公演をプログラムに取り入れるようになりました。

画像: 温泉保養地バーデンバーデンの「クアハウス」

温泉保養地バーデンバーデンの「クアハウス」

バーデンバーデンは、ドイツ西南部に広がる山岳地帯「黒い森」の北に位置し、自然に恵まれた環境下で、かつては王侯貴族が訪れたヨーロッパ有数の優雅な温泉保養地として知られています。現在、人口5万人ほどのドイツの地方小都市ですが、一年中音楽イベントが催される魅力的な音楽都市で、特に1998年に2500人収容の祝祭劇場が完成して以来、音楽鑑賞目的の訪問者が急増しました。勿論現在も温泉保養地としても機能し、フリードリヒ温泉やカラカラ温泉など、公共の施設が整備され、入浴も可能です。ツアーで宿泊するホテル内にも温泉プールがあり、のんびり入浴を楽しむこともできます。

バーデンバーデンには多くの音楽家が訪れ、住み着いています。シューマンの妻でピアニストのクララは、夫の死後、1862年に家族と共にバーデンバーデンに移り住み、ブラームスとの親交を深めました。ブラームスは1865年~74年、現在記念館になっている住居に夏の数ヶ月間滞在、さらに1876年と77年にも短期間滞在して、ドイツ・レクイエム、交響曲第1番、2番などを作曲しています。ベルリオーズは、1862年8月9日、自らの指揮で最後のオペラ作品「ベアトリスとベネディクト」を初演させています。ワルツ王ヨハン・シュトラウスは1871年、72年、77年に訪れ、演奏会を催して喝采を浴びました。1954年11月30日にカラヤンの前任者である大指揮者フルトヴェングラーが、そして2016年1月5日に作曲家ブーレーズが亡くなった地でもあります。

ツアーで鑑賞できる公演

ベルリン・フィル演奏会
指揮:R.ムーティ 出演:V.イェオ、E.ガランチャ、F.メーリ、I.アブドラザコフ
合唱:バイエルン放送響合唱団
曲目:ヴェルディ/「レクイエム」 会場:祝祭劇場
ベルリン・フィル演奏会
指揮:K.ペトレンコ 出演:ランラン
曲目:ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第2番 チャイコフスキー/交響曲第5番 会場:祝祭劇場
ヴェルディ/歌劇「オテロ」
指揮:Z.メータ 演出:R.ウィルソン
出演:S.ヨンチェヴァ、S.スケルトン、L.サルシ他 
合唱:ウィーン・フィルハーモニア合唱団 演奏:ベルリン・フィル 会場:祝祭劇場

画像: 【クラブツーリズム 音楽の旅】 旅の文化カレッジ講師 山本 直幸 ベルリン留学中6年間、オペラ・コンサート通いの日を送る。 特にヨーロッパの歴史や音楽・美術への造詣が深く、長年音楽旅行企画に携わり、ツアーにも同行し現地で案内役も務める。海外添乗・駐在日数は4,000日以上。音楽雑誌等に音楽旅行記事を多数寄稿。

【クラブツーリズム 音楽の旅】
旅の文化カレッジ講師 山本 直幸
ベルリン留学中6年間、オペラ・コンサート通いの日を送る。
特にヨーロッパの歴史や音楽・美術への造詣が深く、長年音楽旅行企画に携わり、ツアーにも同行し現地で案内役も務める。海外添乗・駐在日数は4,000日以上。音楽雑誌等に音楽旅行記事を多数寄稿。

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