ドイツの作曲家ワーグナーのゆかりの地としてよく知られている都市は、生誕地のライプツィヒ、初期の代表作「タンホイザー」や「さまよえるオランダ人」を初演し、宮廷楽長として活躍したドレスデン、そしてワーグナー音楽祭が開催されているバイロイトなどドイツの都市ですが、ワーグナーにはドイツ以外にとても深い関わりのあった都市がスイスにあるのです。

チューリッヒへ亡命

ワーグナーが1848年に、ドイツ各地で勃発した革命騒ぎに関与した罪でドレスデンを追われ、亡命した先がチューリッヒでした。大富豪ベーゼンドンクの支援で9年間過ごしましたが、ベーゼンドンク夫人との不倫関係が発覚し、チューリッヒを去ることになってしまいました。ちなみにその不倫がきっかけで作曲したといわれる「トリスタンとイゾルデ」は、1859年にルツェルン逗留中に完成させています。

画像: トリプシェンのワーグナー記念館

トリプシェンのワーグナー記念館

ルツェルンに移り住む

1866年に最初の妻が死去し、作曲家リストの娘コジマとの新しい生活を始めるために選んだ地がルツェルンでした。ワーグナーは、1966年~1972年の6年間、現在記念館として公開されているトリプシェンの別荘で過ごし、代表作「ニュルンベルクのマイスタージンガー」などを完成させた他、「ニーベルングの指輪」の作曲にも本格的に着手しました。

画像: ワーグナー記念館入口

ワーグナー記念館入口

幸福な日々

1869年、待望の男子ジークフリートが誕生しましたが、ワーグナーはコジマへの感謝の思いから、「ジークフリート牧歌」を作曲しました。そして1870年12月25日の朝、彼女の33歳の誕生日とクリスマスのプレゼントとして、チューリッヒから密かに招いていた演奏者を寝室につながる階段に待機させ、ワーグナー自らの指揮で非公開初演しました。コジマがこのサプライズに大いに感激した様子がエピソードとして伝えられています。

画像: 1938年8月25日のガラ・コンサートを催したことを記した石碑

1938年8月25日のガラ・コンサートを催したことを記した石碑

ルツェルン音楽祭の発祥地

ナチスの台頭によりオーストリアが併合され、バイロイト音楽祭やザルツブルク音楽祭を追われたトスカニーニやワルターなどの指揮者、スイス・ロマンド管弦楽団やトーンハレ管弦楽団などから優秀な演奏家がルツェルンに集い、新たな音楽祭「ルツェルン国際音楽週間」を創始することになりました。その始まりが、1938年8月25日、トリプシェンにあるワーグナーの別荘前、約1200人の聴衆の前で催されたトスカニーニ指揮のガラ・コンサートでした。ルツェルン音楽祭は、その後世界中から注目を浴びる国際音楽祭に発展しています。ルツェルンでのワーグナーの存在が忘れられることはないでしょう。

画像: 記念館前にあるワーグナー胸像

記念館前にあるワーグナー胸像

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旅の文化カレッジ講師 山本 直幸
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