ヨーロッパの年末はクリスマス市開催の時期と重なり、どこへ行っても街は独特の雰囲気の中で賑わいをみせます。そして音楽面では年末までとても魅力的な公演が多く催され、最も活気のある時期でもります。

年末恒例のジルヴェスターコンサート

ドイツの多くの名門オーケストラは、大晦日(ジルヴェスター)に向けて特別演奏会を催す慣わしになっています。その代表格がベルリン・フィル、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、シュターツカペレ・ドレスデンのシルヴェスターコンサートです。

ベルリン・フィルのジルヴェスターは・・・

1882年創始のベルリン・フィルは、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートに対抗して、カラヤンが年末の特別演奏会として、1977年にジルヴェスターコンサートを始めました。伝統に縛られたニューイヤーコンサートとの違いを明確化させるために、毎年テーマ性のある演奏曲目を厳選し、スター演奏家を招いた「お祭り」に相応しいパフォーマンスが大きな魅力です。今年の注目は何といっても、今シーズンより首席指揮者になったペトレンコが指揮することです。普段演奏することのないミュージカル作品を取り上げることも注目で、ソリストにはスター歌手ダムラウが迎えられます。

画像: ゲヴァントハウス管弦楽団のジルヴェスターコンサート元祖「年末の第九」

ゲヴァントハウス管弦楽団のジルヴェスターコンサート元祖「年末の第九」

ゲヴァントハウス管弦楽団のジルヴェスターは・・・

1743年創始のゲヴァントハウス管弦楽団は、1824年5月7日にウィーンで初演された「第九(交響曲第9番)」を、1826年3月6日に演奏しています。そして第一次世界大戦が終結した1918年から年末に演奏するようになりました。音楽監督ニキシュの指揮で12月31日、23時過ぎに始まり、新年へ向けて「人類すべてが兄弟になる」という平和の願いを込めて、「歓喜に寄す」が歌われたのです。その後フルトヴェングラーなど歴代の音楽監督が伝統として引き継ぎ、ジルヴェスターコンサートの定番曲として今日に至っています。今年は巨匠ガッティが指揮台に立ちます。

画像: シュターツカペレ・ドレスデンのジルヴェスターコンサート会場ゼンパー歌劇場

シュターツカペレ・ドレスデンのジルヴェスターコンサート会場ゼンパー歌劇場

シュターツカペレ・ドレスデンのジルヴェスターは・・・

名門ゼンパー歌劇場のオーケストラで、1548年設立の世界最古のオーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデンは、その長い歴史の中で初めて2010年に年末の特別演奏会として「ジルヴェスターコンサート」を催し、TV生中継されたこともあり、一躍脚光を浴びる演奏会になりました。ウィーンで人気を博しているオペレッタを演奏する慣わしになっていますが、今年はレハールの「微笑みの国」が選ばれました。11月下旬に発表される豪華な出演者も期待できます。昨年は音楽監督ティーレマンがウィーン・フィルのニューイヤーコンサートの指揮で不在でしたが、今年は再び指揮台に立ちます。

画像: 2017年のジルヴェスターコンサートを指揮するティーレマン

2017年のジルヴェスターコンサートを指揮するティーレマン

ドレスデンならではの年越し

ドレスデンの大晦日は、市民がエルベ川沿いに集まり始め、午前0時のカウントダウンに合わせて一斉に花火を打ち上げます。その瞬間、新年の夜空が赤く染まり、エルベ川沿いの美しいバロックの街並みが、さらに美しく姿を変えます。花火に彩られる魅惑の古都ドレスデンで新年を迎えるのも、格別な旅の思い出となるでしょう。

画像: 花火に彩られるドレスデン

花火に彩られるドレスデン

ベルリン・フィルとウィーン・フィルの競演

音楽鑑賞ツアーにとって、一度の旅行で音楽界の最高峰ベルリン・フィルとウィーン・フィルの演奏を拠点ホールで鑑賞することほどの贅沢はないでしょう。しかも指揮者は新鋭クルレンツィスと巨匠ムーティです。

テオドール・クルレンツィスは、ギリシャ出身の若手指揮者で、2004年にアンサンブル・ムジカエテルナとムジカエテルナ室内合唱団を創設、2011年からペルミ国立オペラ・バレエ劇場の芸術監督に就きました。2018/2019シーズンより南西ドイツ放送交響楽団の首席指揮者も兼務しています。3年連続して出演していたザルツブルク音楽祭で旋風を巻き起こし、今年2月には初来日を果たし、日本でも熱狂的に迎えられました。カリスマ指揮者として、目下、最も注目されている指揮者です。演奏曲目はヴェルディの「レクイエム」で、クルレンツィスがベルリン・フィルでの華やかなデビューを飾るに相応しい壮大な作品です。

リッカルド・ムーティは、2018年のニューイヤーコンサートを指揮し、現役指揮者として最多になる5度目の登場で脚光を浴びました。1971年のザルツブルク音楽祭で初めて指揮して以来、500回以上ウィーン・フィルを指揮し、2011年には名誉団員の称号も授与されるほど、長年親密な関係を維持しています。勿論ウィーンでの人気も評価も高く、常に話題を呼ぶパフォーマンスで聴衆を魅了しています。演奏曲目はベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番で、ソリストはベートーヴェン作品解釈に定評のある巨匠ブッフビンダーです。その他レスピーギの「ローマの松」など、ムーティとウィーン・フィルの息の合った素晴らしい演奏が期待できるでしょう。

画像: クリスマス時期のドレスデンのシンボル聖母教会

クリスマス時期のドレスデンのシンボル聖母教会

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【クラブツーリズム 音楽の旅】
旅の文化カレッジ講師 山本 直幸
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