今年はベートーヴェン生誕250年になるメモリアル・イヤーです。世界中の主要オーケストラ、歌劇場、音楽祭がベートーヴェン作品を多く取り上げます。
画像: ベートーヴェン生家の中庭

ベートーヴェン生家の中庭

生誕地ボン

1770年12月17日、ベートーヴェンはケルン大司教の宮廷があったボンで生まれました。祖父はバス歌手で宮廷楽師長、父ヨハンも宮廷のテノール歌手でした。後にベートーヴェン自身もオルガニスト、ヴィオラ奏者として大司教に仕えることになります。ベートーヴェンが仕えた君主は、大学を設立したり、宮廷音楽を奨励したり、文化・芸術にとても理解のあったハプスブルク家のマクシミリアン・フランツでした。彼はマリア・テレジアの末息子で、皇帝ヨーゼフ2世の弟ですが、ベートーヴェンの豊かな才能を認め、ウィーン留学を許可し、最終的なウィーン行きの大きな力にもなりました。

画像: ベートーヴェン生家の銘板

ベートーヴェン生家の銘板

ベートーヴェンが初めてウィーンを訪れたのは、1787年4月、16歳の時ですが、最愛の母が危篤という知らせを受け、わずか2週間でウィーンを去ることになりました。ベートーヴェンが再びウィーンの地を踏んだのは、1792年11月、21歳の時でした。マクシミリアン・フランツより与えられた有給休暇は1年という期間付きの留学でしたが、結局ベートーヴェンはウィーンを永住の地として選び、2度とボンに戻ることはありませんでした。

ベートーヴェンが活躍の場として没するまでの34年半過ごしたウィーンには、いたるところにゆかりの地があります。ボンにはゆかりの地は少ないですが、生誕記念を祝う旅には訪問が欠かせない生家があります。現在、記念館として公開され、遺品などが展示されています。その他洗礼教会で10歳からオルガンを弾いていた聖レミギウス教会(旧ミノリーテン教会)、ボンのシンボルでベートーヴェンが幾度となくオルガン演奏をしたミュンスター聖堂、1845年にベートーヴェン生誕75年を記念して建立させたベートーヴェン像など、ベートーヴェンを偲ぶ場所は幾つかあります

画像: 聖レミギウス教会

聖レミギウス教会

ボン訪問後ウィーンで交響曲第6~9番鑑賞 催行決定!

今年のニューイヤーコンサートを指揮し、世界的な注目を浴びたネルソンスは、ウィーン・フィルに2017年からベートーヴェンの交響曲全9曲の指揮を任されました。その集大成として全曲がウィーンで一挙に演奏されます。日程上、ツアーで全曲鑑賞することはできませんが、第6番~9番を鑑賞します。さらに音楽監督ジョルダン指揮のウィーン交響楽団演奏会で交響曲第3番とピアノ協奏曲第5番、バレンボイムのピアノリサイタルでピアノ・ソナタ4曲を鑑賞します。

「フィデリオ」と「ミサ・ソレムニス」を鑑賞 催行決定!

バーデンバーデン・イースター音楽祭では、ベルリン・フィルの首席指揮者に就いたペトレンコが初めて音楽祭音楽監督としてベートーヴェン唯一のオペラ「フィデリオ」とミサ曲の大作「ミサ・ソレムニス」を指揮します。ペトレンコは今シーズンのテーマに3つの「F」を挙げていますが、すでに就任記念演奏会で「歓喜」(Frieden)を表現する「第九」を指揮し、そしてイースター音楽祭の「自由」(Freiheit)を表現する「フィデリオ」と「平和」(Frieden)を表現する「ミサ・ソレムニス」を指揮します。

「第九」とピアノ協奏曲第1番鑑賞

今年創始100年を迎えるザルツブルク音楽祭では、来年のニューイヤーコンサートの指揮者にも指名されている巨匠ムーティが、ウィーン・フィル演奏会で「第九」を指揮します。チケットはすでに完売し、音楽祭で最も注目を浴びる公演になります。ルツェルン音楽祭では音楽監督シャイーがルツェルン祝祭管弦楽団演奏会にスターピアニスト、アルゲリッチを迎え、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を指揮します。

画像: 【クラブツーリズム 音楽の旅】 旅の文化カレッジ講師 山本 直幸 ベルリン留学中6年間、オペラ・コンサート通いの日を送る。 特にヨーロッパの歴史や音楽・美術への造詣が深く、長年音楽旅行企画に携わり、ツアーにも同行し現地で案内役も務める。海外添乗・駐在日数は4,000日以上。音楽雑誌等に音楽旅行記事を多数寄稿。

【クラブツーリズム 音楽の旅】
旅の文化カレッジ講師 山本 直幸
ベルリン留学中6年間、オペラ・コンサート通いの日を送る。
特にヨーロッパの歴史や音楽・美術への造詣が深く、長年音楽旅行企画に携わり、ツアーにも同行し現地で案内役も務める。海外添乗・駐在日数は4,000日以上。音楽雑誌等に音楽旅行記事を多数寄稿。

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