世界を旅してみると、心も身体も温まり穏やかな気分になれる風呂があります。
今シリーズ、世界の風呂で「ととのう」では、日本にも負けない、一度は訪れたい世界の様々な国の風呂や風呂にまつわる文化をご紹介します。風呂を通じて心も身体も「ととのって」、その国の魅力や文化に興味を持ち、お出かけしたいなと思っていただくきっかけになれば幸いです。
今シリーズでの「ととのう」とは、世界の風呂に触れてリラックスすることで、心と身体が潤い、わくわくする気持ちになる、という意味で発信します。お風呂同様、リラックスしてご覧ください♪

はじめに

皆様、こんにちは!クラブツーリズムの海外担当です。世界の風呂に「ととのい」、その国を知る。
第4回目の今回は、一風変わったモロッコの風呂文化をご紹介します♪

▼前回までの記事はこちらからどうぞ!世界各地の風呂をご紹介しています。

市民の憩いの場「ハマム」

前回まではヨーロッパや北米などの温泉や絶景露天風呂を紹介してきましたが、今回はちょっと趣向を変えた、アフリカの風呂文化「ハマム」をご紹介します。

ハマムとは海外版の銭湯のようなもので、主にアラブ諸国など中東全域や、中央アジア諸国、東アジア諸国にある文化で、特にトルコやモロッコでは伝統的な文化として根付き、地元の人からも親しまれています。

今回はその中でも、モロッコのハマムを体験しに行きましょう♪

フォトジェニックな魅惑のモロッコ

画像1: 世界の風呂で「ととのう」〈第4回〉
『モロッコの伝統文化ハマム』
【好奇心で旅する海外】〈癒しの空間〉

モロッコってどんな国なんだろう?

画像2: 世界の風呂で「ととのう」〈第4回〉
『モロッコの伝統文化ハマム』
【好奇心で旅する海外】〈癒しの空間〉

まずはモロッコがどんな国なのかを簡単にご紹介します。
モロッコは北アフリカの中でも北に位置していて、ジブラルタル海峡を隔ててヨーロッパのスペインまでもフェリーで1時間程。
モロッコといえばサハラ砂漠が有名ですが、世界遺産となっている旧市街の街並みや、街全体が青で覆われたシャウエンなど、可愛らしく見どころ満載で、近年特に女性のお客様から大変人気です!

画像: サハラ砂漠(お客様撮影:埼玉県在住 髙柳喜代次様の作品)

サハラ砂漠(お客様撮影:埼玉県在住 髙柳喜代次様の作品)

画像: シャウエンの街(イメージ)

シャウエンの街(イメージ)

画像: マラケシュ旧市街(イメージ)

マラケシュ旧市街(イメージ)

イスラム社会の伝統的な蒸し風呂

そんなモロッコの伝統文化であるハマムとは、主に中東全域に広く見られる伝統的な大衆浴場です。
ハマムには、浴槽がなく浴室は蒸し風呂となっていて、ぬるめのサウナのような施設のようなイメージですね。蒸気で汗を出し、体を芯から温め、お好みで温まった体を垢すりやマッサージをしてもらうという入浴方法です。

ハマムがモロッコの伝統文化となっている背景には、「常に心とともに身体を清潔に保つことを重んじる」というイスラムの教えに、浴場の目的が合致するために、公衆浴場が普及したという一面があるそうです。

モロッコのハマムはグレードによって設備も値段も異なり、地元の人から利用されるような大衆浴場のハマムから、ホテルで楽しめるハマムまで様々です。

画像1: ホテルのハマム(イメージ)

ホテルのハマム(イメージ)

古代ローマから続く歴史ある文化

画像3: 世界の風呂で「ととのう」〈第4回〉
『モロッコの伝統文化ハマム』
【好奇心で旅する海外】〈癒しの空間〉

それではモロッコの伝統文化になったハマムの歴史に触れてみましょう

ハマムの歴史は非常に古く、その起源はローマ帝国にまでさかのぼります
古代ローマにはテルマエやバルネアと呼ばれる大衆浴場があり、市民は気軽に利用することができました。

ローマ人はかなりの風呂好きで、老若男女誰もが楽しむことができる場所だったようです。
そこではただ身体を洗うだけでなく、運動をしたり食事をしたり、あるいは商売をしたりと社会生活の一部として、またコミュニケーションの場として欠かせないものだったようです。
このローマ人が発展させた大衆浴場は、ローマ帝国の属州であった地中海沿岸、中東などにも広がりました。

ロ―マの大衆浴場は3つの温度差のある部屋「高温浴室」「微温浴室」「冷浴室」を行ったり来たりして血液の循環を促し、ローマ人は水を満たした風呂に体全体を浸からせ(日本の温泉のようなイメージ)そこで雑談などを交わしたそうですが、イスラム教徒はこの体全体を浸からせる、というのが衛生観念的に受け入れられず、初のイスラム王朝、ウマイヤ朝時代には、ローマ人の3つの温度差のある部屋をもちつつ、蛇口からのお湯と水で身体を清めるスタイルの風呂を作ったそうです。
これが今のハマムの原型になったと伝えられています。

モロッコもローマ帝国の一部として属していた時期がありました。
その証拠に、古都メクネスの北部にあるヴォルビリス古代遺跡には、ローマ遺跡がはっきりとした形で残っていて、そこには、3種類の温度の違う部屋が見て取れるハマムの遺跡が残っています

画像: ハマムの遺跡が残る世界遺産ヴォルビリスの古代遺跡(イメージ)

ハマムの遺跡が残る世界遺産ヴォルビリスの古代遺跡(イメージ)

ハマムってどうやって入るの?

さて、ハマムの歴史について触れたところで、それではモロッコのハマムを体験してみましょう!

ここからはモロッコ現地手配スタッフの体験談も交えながら、意外!?な事実やルールも踏まえてお送りします!

画像1: モロッコ現地手配スタッフ

モロッコ現地手配スタッフ

ハマムには大衆浴場のものと、ホテルなど宿泊施設のものがあります。
大衆浴場のハマムは基本的に自分自身ですべてを完結することが多く、宿泊施設やスパ施設のハマムは施術者がすべてやってくれます。

それでは、まずは地元の人も良く楽しんでいる、大衆浴場のハマムでの体験から、ハマムの入り方や作法について見ていきましょう!

画像2: モロッコ現地手配スタッフ

モロッコ現地手配スタッフ

持ち物は、バケツ(大:お湯溜めるようを1~2個)と(小:手酌用)、サンダル、タオル数枚、着替え、化粧水、飲み物、シャンプー、リンス、ブラックソープ、垢すり手袋、入浴料を持っていきます。貴重品は持っていかないように!

ハマムの入り口は外扉と中扉の二重になっている入り口から入場しますが、中の人に配慮して入りましょう、開けっ放しにすると怒られちゃいます!

画像1: 大衆浴場のハマム(イメージ)

大衆浴場のハマム(イメージ)

入浴料を支払ってからチケットを受け取り、チケット用の剣山に刺します。
荷物はハマムの番頭のおばちゃんが預かって見てくれます。

脱衣室にて着替え、下着などパンツ一枚になります。日本の温泉のように人前で裸をさらす習慣がないので、着替える時もあまり見えないように注意!脱衣所は結構びしょびしょなので、布製品のスリッパなどは持っていかないほうがよいですね。ビーチサンダルが便利です。
トイレも脱衣室にありますが、まめに掃除をしてくれているので比較的キレイです。
携帯の持ち込みはご法度なので注意です!!

アラビア語での説明書きの看板(イメージ)

大衆浴場のハマム(イメージ)

着替えが済んだらいざ浴場へ!

浴場は3層構造の部屋の作りになっていて、入り口付近の部屋は比較的涼しい38度くらいになっています。その奥の部屋は39度~40度前後、一番奥の部屋は40度~42度と、3つの部屋がそれぞれ異なる温度差のある部屋になっています。

各部屋に蛇口は1つしかなく、子供のお風呂位のバケツを抱えて、水と熱湯の温度調節をしながら溜めて、お湯がある程度溜まったら次の人に蛇口を譲ります。

画像3: モロッコ現地手配スタッフ

モロッコ現地手配スタッフ

順番待ちの時間が結構かかる時もあります!
他の人が代わりにお湯を溜めてくれることもありました、優しいですね~♪

大きなバケツにお湯と水を合わせなみなみまで溜めたら、軽くかけ湯で体を流し温めます。
それから床暖になっている石の椅子に横になり、温まりながら汗をかきます。

場所取りも重要なポイントです!場所によって熱すぎたり寒かったりするので、随時移動しながら微調整。

画像: ハマム(イメージ)

ハマム(イメージ)

画像4: モロッコ現地手配スタッフ

モロッコ現地手配スタッフ

女性ハマムにはたまに子供が入浴していることも。日本人が珍しいのか、背中を流してくれたりしました(笑)(突然やってくるが、悪意もなく裸なのでもちろんチップを求められることもないです)

15分程体をじっくりと温めたら、ブラックソープを体に塗っていきます
モロッコのお店で売ってるブラックソープはブラックオリーブで作られ、サボンノワールと言って、フランス語でサボン→石鹸、ノワール→黒色という意味です。
オリーブ以外の植物のエッセンシャルオイル等が入ってるものもありますが、オリーブと水とグリセリンが原材料の粘り気のある柔らかい石鹸です。

ブラックソープを塗ったら15分程また横になり、垢すりタオルで体をこすっていきます。お湯でぬらした垢すりタオルを使って、円を描くように優しくマッサージするのが本場のモロッコハマムのやり方です。蒸気で温められたブラックソープが柔らかな小さい泡で古い角質を絡め取ります!

画像5: モロッコ現地手配スタッフ

モロッコ現地手配スタッフ

ブラックソープは大活躍!すべすべになります!毎日シャワーを浴びている日本人でも、こんなに!?っていうほど垢が出て、最初は自分でも引くほどでした(笑)
勝手にあだ名を付けられて知らないおばちゃんに呼ばれながら背中をこすられる時もあり、楽しい交流でした(笑)

垢すり後は、シャンプーをしてボディーソープで軽く体を洗い流し、少し体を温めたら外に出ます。
サンダルを履いたまま、パンツも履いたまま入って、洗いながら脱いで上がるときにはタオルを巻いて出ます。
水分補給し服を着てハマム体験終了です。

ホテルのハマム

大衆浴場のハマムで入浴の流れをご紹介しましたが、続いてホテルのハマムについても見てみましょう!ホテルのハマムは事前予約が必要なところが多いです。
クラブツーリズムのお客様も宿泊のホテルでハマムを楽しまれている方がいらっしゃいます。

画像2: ホテルのハマム(イメージ)

ホテルのハマム(イメージ)

画像3: ホテルのハマム(イメージ)

ホテルのハマム(イメージ)

ホテルのハマムも、大衆浴場のハマムと基本的には同じ要領ですが、垢すりなど施術者がすべてやってくれます。
女性は女性の施術者のみ、男性は男女共の施術者になります(選べません!)
大部屋が区切られているようなタイプや完全な個室タイプなど様々ですが、大衆浴場ハマムと同じく温かい部屋でゆったり汗をかきながら垢すりをしてもらえます。

画像4: 世界の風呂で「ととのう」〈第4回〉
『モロッコの伝統文化ハマム』
【好奇心で旅する海外】〈癒しの空間〉

ホテルのハマムの場合、個人部屋などでモロッコ式体術マッサージを受けられます。
が、なかなか豪快で体がびっくりするかも!?
現地手配スタッフの中にはマッサージは怖いので断る人もいるようです(笑)

オイルマッサージで、オイルの種類を選べるハマムもあります。

また、ミネラルウォーターがもらえたり、下着も簡易の紙のものがもらえるので、指示に従って着替えるだけで大丈夫。基本的に自分で支度をすることは殆どないので、指示に従っていれば安心です♪

画像6: モロッコ現地手配スタッフ

モロッコ現地手配スタッフ

たまに忘れられているんじゃないかと思うくらい放置されることもありますが、ゆったり汗をかく時間をもらっているだけなので基本的にゆったり過ごしていて大丈夫です!

施術後にはミントティーやモロカンクッキーのおもてなしがあるところも多く、モロッコならではの体験を楽しめます。

画像: ミントティー(イメージ)

ミントティー(イメージ)

画像: モロカンクッキー(イメージ)

モロカンクッキー(イメージ)

画像7: モロッコ現地手配スタッフ

モロッコ現地手配スタッフ

モロッコ人曰く、入浴後の女性の髪は価値が爆上がりするので伴侶以外の男性にはいつもより見せない方が良い・・・とのことです(笑)

おわりに

画像5: 世界の風呂で「ととのう」〈第4回〉
『モロッコの伝統文化ハマム』
【好奇心で旅する海外】〈癒しの空間〉

第4回目の、世界の風呂で「ととのう」ご覧いただきありがとうございます。
今回はいつもとは変わった、モロッコの伝統的な入浴方法であるハマムの文化をご紹介しました。昔から親しまれていたこの文化は、現在もモロッコの人々に愛され、人々の生活に根付いています。ハマムを体験することで、モロッコの人と交流も出来て、体もすべすべになって、貴重な「ととのう」体験ができそうですね♪
次回のブログは3月5日頃を予定しています!是非ご覧ください!

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