世界には「一度は乗ってみたい!」と多くの方が憧れる特徴ある鉄道がたくさんあります。鉄道ファンはもちろん、そうでない方も、大自然の中、変わりゆく車窓の景色を楽しみながらゆったりと流れる時間を過ごす鉄道旅は、旅人の数だけあるドラマがあり、とても贅沢な体験です。
<鉄旅チャンネル>シリーズでは、世界の豪華列車・縦断/横断鉄道・そんなところ走るの?とビックリしてしまうユニークな鉄道…、車内の様子・食事・車窓の景色や途中下車の観光内容等、ご紹介したいと思います!「いつの日かの海外旅行再開」に想いを馳せて、お楽しみいただければ幸いです。

大陸を横断するのに4日間?今回の舞台は!

「大陸横断鉄道」は、世界に7つある事を前回の記事でご紹介しましたが(ちなみに、大陸縦断鉄道は世界にたった一つ、オーストラリアにございます!)、今回はその中でも日本の20倍以上の広さを誇るオーストラリア大陸を横断する『インディアン・パシフィック号』のご紹介をさせていただきます。どちらも、世界中の鉄道ファンはもちろん、自国民の方も憧れている方がとても多い列車です。

広大なオーストラリアには、
①4日間かけて横断する『インディアン・パシフィック号』
②前回の記事で詳しくご紹介しました 3日間かけて縦断する『ザ・ガン号』
と、2本の長距離寝台列車が走っております!

画像1: 世界の魅力的な鉄道<第2回>
『4日間で“大陸を横断”インディアン・パシフィック号/オーストラリア』
【好奇心で旅する海外】<鉄旅チャンネル>

今回も、クラブツーリズム入社前にオーストラリアに3年間住んでおりました“オーストラリアをこよなく愛する担当者”が、シドニー⇆パースの鉄道旅をご紹介します!

インディアン・パシフィック号とは

『インディアン・パシフィック号』とは、その名前の通り、オーストラリア大陸の西側インディアンオーシャン(インド洋)のパースから、東側のパシフィックオーシャン(太平洋)のシドニーまで、基本的に週1便、3泊4日で約4,352kmを結ぶオーストラリアで最も長い鉄道です。

画像: 路線図(Journey Beyond社より)

路線図(Journey Beyond社より)

画像: オーストラリア大陸横断鉄道インディアン・パシフィック号(©️Journey Beyond)

オーストラリア大陸横断鉄道インディアン・パシフィック号(©️Journey Beyond)

旅の始まりは、大都市シドニーから!

【世界遺産】オペラハウス

【世界遺産】ブルーマウンテンズ国立公園

画像2: 世界の魅力的な鉄道<第2回>
『4日間で“大陸を横断”インディアン・パシフィック号/オーストラリア』
【好奇心で旅する海外】<鉄旅チャンネル>

シドニーのシンボル「オペラハウス」に代表される近代的な街並み、郊外には壮大な大自然を誇る「ブルーマウンテンズ国立公園」 、シドニーは世界有数の観光地です。『インディアン・パシフィック号』は、シドニー中央駅から出発です!鉄道の駅は、なんとも旅情たっぷりですね。

3泊4日のロマンあふれる鉄道旅 ✨

インディアン・パシフィック号の先頭車両(弊社添乗員撮影)

『インディアン・パシフィック号』の先頭車両です!当列車のシンボルと言えば、翼を広げると2mにも及ぶ「オナガイヌワシ」。アウトバックをゆっくりと舞うような姿は、大陸横断への憧れを掻き立ててくれます。先頭車は、黄色と紺色があります。

画像: インディアン・パシフィック号(©️Journey Beyond)

インディアン・パシフィック号(©️Journey Beyond)

平均で30両編成、夏の観光シーズンには、なんと最大で全40車両・全長1kmを超えることも!
国の広さはもちろん、鉄道の規模も日本とは桁違いです… 平均時速85kmと実に心地良い速度で進んでいきます。朝方や夕刻には、並走するカンガルーが見られることも。

画像: インディアン・パシフィック号ゴールドクラス(2名利用)の客室(©️Journey Beyond)

インディアン・パシフィック号ゴールドクラス(2名利用)の客室(©️Journey Beyond)

さて、ここから3泊4日を過ごすのは、こちらの客室です。ちなみに…、鋭い方はお気づきかもしれませんが、実は『インディアン・パシフィック号』と『ザ・ガン号』は運営する会社が同じなのです。その為、車内の設備等全て同じです!

一見、狭そうに見えるかもしれませんが、個室内は実に工夫されていて、コンパクトながら簡易シャワーやお手洗い・収納スペースやミニテーブル等も完備電源も複数あり、携帯電話やカメラ等の充電もできるのもうれしいポイントです。なお、大きなスーツケースはチェックイン時に荷物車両に預けてしまうので、客室へは4日間必要なもののみ入れたボストンバッグ等で乗り込みます。 ※以下の車内設備の画像は全て©️Journey Beyond

画像3: 世界の魅力的な鉄道<第2回>
『4日間で“大陸を横断”インディアン・パシフィック号/オーストラリア』
【好奇心で旅する海外】<鉄旅チャンネル>
画像: ◀︎シャワーとお手洗い(コンパクトですが、やはり個室内にあるのはうれしい!) ▲ホテル並みのアメニティも充実!オーガニックブランドAPPELLES社のもの タオル類も完備。

◀︎シャワーとお手洗い(コンパクトですが、やはり個室内にあるのはうれしい!)

▲ホテル並みのアメニティも充実!オーガニックブランドAPPELLES社のもの タオル類も完備。

画像: ◀︎▲上質な3名がけのソファーは、ディナーの間に2段ベッドに。(1名利用の方は1段ベッドです) 枕を窓側にして、車窓から星空や朝日を眺めることがなんとも贅沢でおすすめです!

◀︎▲上質な3名がけのソファーは、ディナーの間に2段ベッドに。(1名利用の方は1段ベッドです)
枕を窓側にして、車窓から星空や朝日を眺めることがなんとも贅沢でおすすめです!

画像: ゴールドクラスの「シングルルーム」の場合は、個室に1名がけのソファー(夜にはベッドになる)と小さな洗面所がある。決して広くはないが、やはり個室はリラックスして寛げる。

ゴールドクラスの「シングルルーム」の場合は、個室に1名がけのソファー(夜にはベッドになる)と小さな洗面所がある。決して広くはないが、やはり個室はリラックスして寛げる。

画像: 限られた空間を最大限利用すべく廊下は波線のつくり。各車両に共用の清潔なシャワーとお手洗いがございます。複数ずつあるので、そう困る事もない。

限られた空間を最大限利用すべく廊下は波線のつくり。各車両に共用の清潔なシャワーとお手洗いがございます。複数ずつあるので、そう困る事もない。

日中は車窓を眺めたり、ラウンジ車でゆったりとくつろいだり、食堂車でオーストラリア創作料理に舌鼓を打ったり、贅沢な時間をお過ごしいただけます。食堂車やラウンジ車の様子は、前回のガン号の記事をご覧ください。

インディアン・パシフィック号は下車観光も楽しめます

周り方(シドニー→パースなのか、パース→シドニーなのか)により、停車地は異なるのですが、『インディアン・パシフィック号』は途中何度か下車観光ができるポイントもあります。

●緑あふれるシドニー郊外の世界遺産「ブルーマウンテンズ国立公園」の中を豪快に走り抜け、下車観光も!
●開拓時代の面影を色濃く残す鉱山の街「ブロークン・ヒル」では、「鉱山の歴史」を辿るバスツアー
●水辺と緑にあふれた美しい街アデレードでは、屈指のワイナリー巡りの観光付き!ちなみに、その3時間停車の間に『インディアン・パシフィック号」はと言うと…、アデレードで進行方向が逆になる(一時的に同じ線路を戻る ※一時的とはいえ、片道2時間分くらい)為、車両の入れ替えが実施されます!
●かつてゴールドラッシュで栄えた街「カルグーリー」では、現在も世界最大級の金鉱山「スーパーピット」が操業しており、観光も。
●アデレードを出発すると、やがて乾ききったアウトバック(未開部)の真っ只中へ。車窓いっぱいに広がる大空と大地は圧倒的なスケール感です。
●カントリーミュージックの生演奏の中、アウトバック(未開部)満天の星の下で愉しむロリーナ駅での野外ディナー
●他にもたくさん…!(↓)

画像: 360度の地平線の中を走るインディアン・パシフィック号(©️Journey Beyond)

360度の地平線の中を走るインディアン・パシフィック号(©️Journey Beyond)

最大のポイント「世界で最も長い直線区間」!

見渡す限り大平原の中をまっすぐ伸びる線路(©️Journey Beyond)

『インディアン・パシフィック号』が走るルートは、ほぼ直線ということで知られ、特に、ナラボー平原を走る直線区間は約478kmは、「世界で最も長い直線区間」として有名です。日本で例えるなら東京から姫路ほどの距離を、全く曲がらずに走るなんて、広大なオーストラリアならではですね。この間、赤土と低木が支配する荒涼とした大地がひたすら続きます。約478kmを超えた後(約10時間後!!)、初めて少しカーブする時には、体がふわっとして車内ではざわめきが起き、歓声があがったりして盛り上がります(笑)。

このナラボー平原走行中にも下車できる機会があります。クックという小さな街(人口4人!の街 →この鉄道関係に従事される方達のみです)では、対向する貨物列車とのすれ違いの為に1時間ほどの小休止時間があります。その間は車外にも出られるので、憧れの先頭車両で記念写真を撮ったり、凄まじい音量と大地が揺れるような圧巻の迫力と共に対向車が過ぎゆく姿に感激したり、辺り一面何も見当たらないアウトバックを散策したりできます。

クック駅にある看板(弊社添乗員撮影)

「The Middle of Nowhere」(人里離れた何もない辺鄙なところ=直訳すると「何にもない中の真ん中」) そんな場所にいるなんて、なかなか体験できないもの。ロマンたっぷりです。

走行中にも、一度だけ、逆方面へ走る『インディアン・パシフィック号』とすれ違うタイミングが!事前に、車内でアナウンスも流れ、乗客皆が窓に張り付き手を振り合う時間は、もはやひとつのイベントです。

画像: インディアン・パシフィック号イメージ動画 youtu.be

インディアン・パシフィック号イメージ動画

youtu.be

4日間の間に、時計の時差調整が2回必要?

画像: 「野生動物に注意」の標識 大陸横断道路/イメージ(©Sean Scott Photography)

「野生動物に注意」の標識 大陸横断道路/イメージ(©Sean Scott Photography)

広大なオーストラリア、州により時差があります。当列車の経路では、3つの時間帯を通過する為、2回の時差調整が必要となります。食事の時間や、下車観光の時間等はその時々の現地時間が基本となるのでとても重要ですが、州境はいつ超えるのかわかりません… アテンダントの方に聞いたところ、「寝ている間に通過するから、寝る前に変えておいて〜」「私はいつもココでランチ食べたら変えるわ」等とてもフレンドリーに(笑)、答えてくれました。

ご参加いただいたお客様のお声

昨年3月の前半、まだオーストラリアへの入国も制限されていなかった際、催行された当鉄道に乗るツアーにご参加いただきましたご夫婦です!その直後より国境が閉鎖されたので、本当にギリギリのタイミングでした。(4月上旬に催行予定でした同ツアーは中止になってしまいました…)
「長い間夢見ていた『インディアン・パシフィック号』に乗ることができて、感無量です!」と嬉しいお言葉をいただきました。

画像: 明るくフレンドリーなスタッフと共に(ご参加いただきましたお客様)

明るくフレンドリーなスタッフと共に(ご参加いただきましたお客様)

旅の終わりは、西の都パース

キングスパークから望むパースの街並み(イメージ)

長く見慣れた乾燥した大地から、水と緑が目に染みるような自然の恵みに満ちあふれたパース近郊の美しい田園風景が見えてきました。かつて宇宙飛行士ジョン・グレン氏が「光の都市」と称えた街パースが、大陸横断の旅の終着駅です。前回の『ザ・ガン号』同様、退屈する事もなく、「オーストラリア大陸を鉄道で横断した!」という達成感、そして貴重な経験を経て得られた充実感でいっぱいです。

パースは、市民の憩いの地「キングスパーク」や趣ある「ロンドンコート」など、都会と自然が融合する美しい街。人の丈をゆうに超える岩が林立する「ピナクルズ」・大波がピタッと止まって固まったような「ウェーブロック」など、郊外にある絶景の観光もお楽しみいただけます。

画像: ▲高さはなんと15M超え!ウェーブロック(弊社スタッフ撮影) ◀︎見渡す限り広がるピナクルズ(弊社スタッフ撮影)

▲高さはなんと15M超え!ウェーブロック(弊社スタッフ撮影)
◀︎見渡す限り広がるピナクルズ(弊社スタッフ撮影)

【おまけ】 かつては、エコノミークラスもあった!

今はプラチナクラス(ファーストクラス相当)、ゴールドクラス(ビジネスクラス相当)からなる事を前回の記事でもお伝えしましたが、実はかつてはレッドクラス(エコノミークラス相当)もあったのです!実は、私もオーストラリア在住時代(15年ほど前)「オーストラリア1周バックパッカーの旅」(こだわって陸路のみで周ったら8ヶ月かかりました!)をしていた頃にこの「レッドクラス」に乗ったことがあります。日本の新幹線のような2席ー2席の作りですが、さすがに超長距離鉄道の為、ひとり辺りのスペースはもっと広めになっていました。売店もあるラウンジや共用のシャワー・お手洗いもあります!当時もとても人気があり、列車は常に満席。(予約数により車両数を調整しています)早く予約しないとチケット取れません!噂では聞いていましたが、長い時間をより快適に過ごすべく、乗車ホームには「MY枕」を持って乗り込む旅人が沢山いました。(笑)
※ちなみにオーストラリア人、飛行機にも「MY枕」持参する方多いです(笑)。旅行用の小さめや空気を入れるようなものではないです、普段自宅のベッドで使っているような枕カバーのかかった生活感あふれる大きな枕です(笑)。

おわりに

「世界の魅力的な鉄道」の2回目の記事、オーストラリアの「インディアン・パシフィック号」はいかがでしたでしょうか。鉄道好きな皆様に、オーストラリア大陸横断の旅に、早くご案内したいです。
次回は、遠い遠いあの国の高級寝台列車!配信は、3月下旬頃の予定です。ぜひ、お楽しみに♪

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