今から約500年前、現在のイタリアを中心に花開いたルネサンスは、後世に名を残す多くの画家を生み出しました。そして、彼らが残した芸術を、私たちは鑑賞することができるのです。
彼らが後に与えた影響と、今も残る作品について追ってみましょう。

はじめに

皆様、こんにちは!クラブツーリズム海外担当です。
シリーズ「イタリア芸術 三大巨匠が交わる奇跡の世界線 」第10回、とうとう最終回となりました。
これまでレオナルド・ダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロと、ルネサンスの三巨匠をご紹介してきました。奇跡的に3人は同じ時期を生きた訳ですが、まさに三者三様の個性によって魂のこもった作品を残してきたと言えます。
ここでは、彼らの存在と作品が後の芸術界にどう影響したのかということを少しご紹介させていただくとともに、その遠く長い延長線上、現代に生きる私たちが鑑賞することのできる作品について、ご案内したいと思います。

技術は脈々と受け継がれ、名声は今も揺るぎない

3人が活躍した時代は‟ルネサンス盛期”とも呼ばれ、ルネサンスが最も盛り上がった時代であるともに、終盤の時代でもありました。
つまり、3人の残した作品には、それまでのルネサンス時代の‟集大成”といえる技術が詰まっていたとも言えます。
そのため、彼らの存在そのものがルネサンスの象徴であり、後世へ多大な影響を及ぼしたことは言うまでもありません。
その上で、それぞれが与えた影響について、もう少し噛み砕いてみたいと思います。

時代が追い付かなかったダヴィンチの脳内

レオナルド・ダヴィンチは歴史上類まれなる画家でありながら、とにかく多才な人物でした。

例えば、科学者としては植物学、光学、地質学などの領域にも踏み込んでおり、特に人体解剖学には強い関心を持っていました。彼が残した人体解剖図は、その後の学者の功績と比べても遜色のないものだったそうです。

ただ、彼の解剖図は1900年頃まで出版物として世に出ることがなかったこともあり、その功績が理解されるのには時間を要しました。

 ダヴィンチ/ウィトルウィウス的人体図

また、物理学、機械工学、建築学にも明るく、潜水艦や飛行機、ヘリコプター、戦車などを設計構想しました。しかし、当時はまだ彼の構想を具現化する技術がなく、これらが実際に造られるようになったのは何百年も後のことでした。とはいえ彼の構想はほとんどが実現可能な内容であったことが分かっており、まさに‟時代の先取り”と言えますね。

芸術においても、様々な科学的知識のもと、いくつもの革新的な技法を残しています。
従来にない人物の配置、繊細な色調やスフマート技法(輪郭を柔らかくぼかして描く手法)などは、後世に大きな影響を与えており、「モナ・リザ」が最も多く模写をされた肖像画と言われていることも頷けます。

魂のこもった人間を描く天才ミケランジェロの影響

ミケランジェロもまた、本人が自称する本職彫刻に加え、傑作が多く残る絵画建物の設計や都市計画など多彩な方面で多くの作品を残しました。
これらはどれも、後の芸術家たちの創作にインスピレーションを与えたと言われていますが、彼が残した強烈な‟遺産”は、なんと言っても人間、人体の表現方法ではないでしょうか。

生命力に満ち溢れた肉体表現や、喜怒哀楽の感情豊かな表情は、ミケランジェロ作品の真骨頂ともいえますが、その作風は後の芸術家のお手本となり、ルネサンスの次に訪れた芸術のウェーブ「マニエリスム」(ルネサンスから発展し、誇張・歪曲が強まった表現)にて結実したと考えられています。

   ミケランジェロ/システィーナ礼拝堂天井画より

ルネサンスの技術をまとめあげたバランサー、ラファエロ

ラファエロは3人の中でも最も、バランス感覚やコミュニケーション能力に長けた人物と言えます。そのため、ダヴィンチやミケランジェロはもちろん、ルネサンスの時代に生まれた様々な技術や手法を取り入れ、ルネサンスの集大成ともいえる傑作を残しました。
ラファエロ作品の完璧な様式美、バランス構成感覚は言わば、‟お手本”として後世において芸術アカデミーの礎となったのです。

巨匠の作品に出会う ①ルネサンスの勃興 ~イタリア・フィレンツェ編~

ルネサンスのはじまりはイタリアの諸都市ではじまったと言われてます。
なぜでしょうか。

14世紀から15世紀にかけて、教皇の権力低下によりキリスト教の影響力が弱まると同時に、古代ギリシア・ローマの文化の復興がイタリアを中心に広まります。すると、東方貿易で富を築いた富裕一族が強力なパトロンとなり、芸術・文芸を中心としたルネサンス勃興に繋がったのです。

その富裕一族のひとつが、フィレンツェのメディチ家でした。
ミケランジェロやラファエロとの繋がりも強く、現在のフィレンツェでも当時の芸術家たちの作品に出会うことができます。

ウフィツィ美術館

ミケランジェロ
『トンド・ドーニ 聖家族』

ミケランジェロとしては希少な
パネル画のひとつ

ラファエロ
『ヒワの聖母』

ラファエロがフィレンツェ時代に描いた
3枚の聖母像の、最後の1枚

レオナルド・ダヴィンチ
『受胎告知』

ダヴィンチの実質的なデビュー作ともいえる若い時の作品ですが、ぼかしによる遠近法など、既にダヴィンチの特徴が表れています。

画像3: イタリア芸術 三大巨匠が交わる奇跡の世界線 <第10回/最終回>『ルネサンスの天才が残したもの、私たちが出会うもの』【好奇心で旅する海外】<芸術百華>

レオナルド・ダヴィンチ
『東方三博士の礼拝』

ダヴィンチ未完の作品。長期修復が完了し2017年に再公開されました。

上記の三巨匠ではありませんが、初期ルネサンスの代表的な画家ボッティチェリの作品は
他に類を見ないほど充実しています。

ボッティチェリ
『ヴィーナスの誕生』

遠近法は使われておらず、あくまで物語の世界観を優先した技法と言われています。

ボッティチェリ
『プリマヴェーラ(春)』

当時としては珍しい、神話をテーマにした2つの作品はボッティチェリの代表作です。

メディチ家礼拝堂

        ロレンツォ王の霊廟

サンロレンツォ聖堂の一部にあり、新聖具室はミケランジェロの設計です。
ミケランジェロ建築の最高傑作とも言われており、ロレンツォ王の霊廟彫刻も手掛けています。

ミケランジェロとメディチ家の深くも複雑な関係性が垣間見られる作品です。

アカデミア美術館

ミケランジェロの彫刻作品が多数収蔵されています。

中でも有名な傑作『ダヴィデ像』は、シニョーリア広場のヴェッキオ宮殿前から、損傷を防ぐためにここに移設されました。

       ミケランジェロ/ダヴィデ像

巨匠の作品に出会う ②ルネサンスの隆盛 ~イタリア・ローマ編~

メディチ家の庇護のもと花開いたルネサンス文化は、最大のパトロンであったロレンツォの死後、フィレンツェでは衰退していきます。そのため文化の中心は、権力を取り戻した教皇のお膝元ローマに移ります。ダヴィンチ・ミケランジェロ・ラファエロの3人がローマに揃い踏みとなったのもこの頃です。
ローマで鑑賞できるルネサンス作品をご紹介しましょう。

バチカン ~サン・ピエトロ大聖堂とバチカン美術館~

国立古典美術館バルベリーニ宮殿

ラファエロ
『ラ・フォルナリーナ』

フォルナリーナとはパン屋の娘という意味。
モデルの女性はいまだ謎ですが、ラファエロの恋人ではないかと言われています。

巨匠の作品に出会う ③フランスへ渡ったルネサンス ~パリ編~

フランス・パリのルーブル美術館には、イタリアを中心としたルネサンス期の作品が多数収蔵されています。ダヴィンチ・ミケランジェロ・ラファエロも例に漏れず、鑑賞が可能です。

特にレオナルド・ダヴィンチに至っては、イタリア国内に匹敵する5つの絵画作品が収められています。
これには理由があります。ダヴィンチは亡くなるまでの最後の3年をフランスのロワール地方で過ごしました。時の王フランソワ1世に招かれたためで、王の居城アンボワーズ城のすぐ近くの館で暮らしていたのです。
フランソワ1世はフランスのルネサンス最盛期に在位し、多くの芸術家を支援しました。
ダヴィンチはフランスに渡る際、自身の3つの作品を持参したといわれており、その中の1つがあの『ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)』でした。

ルーブル美術館

レオナルド・ダヴィンチ
『岩窟の聖母』
『ラ・ベル・フェロニエール』
『ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)』★
『聖アンナと聖母子』★
『洗礼者ヨハネ』★

5作品のうち、★印の3点がダヴィンチが渡仏の際に持参した作品と言われています。

    レオナルド・ダヴィンチ/洗礼者ヨハネ

ラファエロ
『美しき女庭師』

ラファエロの代名詞とも言える聖母子。
ダヴィンチに影響を受けたピラミッド型の三角構図がとられています。

ミケランジェロ
『抵抗する奴隷』『瀕死の奴隷』

元々、イタリア国外に出ているミケランジェロの作品は非常に少ないのですが、ルーブルには2点の彫刻があります。

ミケランジェロから彫刻を譲り受けた人物が、フランスに亡命後、フランソワ1世に献上したことで、ルーブル美術館の所蔵品になりました。

      ミケランジェロ/抵抗する奴隷

イタリア国内に限らず、今では世界中に点在する巨匠たちの作品。
旅先で美術館や教会を訪れれば、思わぬところで傑作に出会えるかもしれません。

終わりに

ルネサンス時代に生まれた傑作たちは、時と場所を超えて受け継がれ、今も世界各地で鑑賞する人々を楽しませてくれています。

芸術に興味のある方はもちろん、普段はあまり興味のない方にも、海外での芸術鑑賞はお勧めです。
芸術家たちの出身地や活躍した場所であれば、足跡や背景を肌で感じながら楽しむことができますし、何より日本で開催される展覧会と比べれば、おしなべて混雑も少なく、良い条件で作品に浸ることができる可能性が高いからです。

海外旅行が再びできるようになった折には、是非、世界各国での芸術鑑賞をお楽しみください。
クラブツーリズムでも、皆様のご期待に沿えるよう、芸術を楽しむツアーの造成を続けてまいりたいと考えております。
その際に、事前知識としてこのブログ『芸術百華』が少しでもお役に立てましたら幸いです。

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