世界には「一度は乗ってみたい!」と多くの方が憧れる特徴ある鉄道がたくさんあります。鉄道ファンはもちろん、そうでない方も、大自然の中、変わりゆく車窓の景色を楽しみながらゆったりと流れる時間を過ごす鉄道旅は、旅人の数だけあるドラマがあり、とても贅沢な体験です。
当<鉄旅チャンネル>シリーズでは、世界の豪華列車・縦断/横断鉄道・そんなところ走るの?とビックリしてしまうユニークな鉄道…、車内の様子・食事・車窓の景色や途中下車の観光内容等、ご紹介したいと思います!「いつの日かの海外旅行再開」に想いを馳せて、お楽しみいただければ幸いです。

音楽や芸術、中世の街並み残る美しい景色などが特に注目されるオーストリアにも実は素晴らしい鉄道があるのです!今回はその中でも特に素晴らしい、皆さんに是非体験していただきたい2つの鉄道をご紹介いたします。

世界遺産・ゼメリング鉄道

まずは、グログニッツ~ミュルツツーシュラーク間を走るゼメリング鉄道のご紹介です。

画像: 弊社スタッフ

弊社スタッフ

世界の山岳鉄道と聞いて多くの方が思い浮かべるのが、スイスの鉄道ではないかと思うのですが、実はオーストリアにある世界遺産「ゼメリング鉄道」こそが世界で最初にアルプスを越えた鉄道なんですよ!

ゼメリング鉄道の歴史

オーストリア・ハンガリー帝国をハプスブルグ家が支配していた時代、1854年にゼメリング鉄道は完成しました。
当時、ゼメリングはルートの中でも建設が最も難しいとされた区間でした。
すでにグログニッツ以東は1842年に、西側のミュルツツーシュラークからグラーツ間は1844年に開通済みでしたが、その間に立ちはだかるゼメリングの峠道は馬車でしか往来できませんでした。
そこで造られたのが、グログニッツからゼメリングを経由しミュルツツーシュラークに至る全長41.8kmの世界遺産「ゼメリング鉄道」です。
かつてのハプスブルグ家がオーストリアの国力と技術を示したものとも言われています。
この鉄道は驚くことに、当時ほとんど人力ながらも着工した1848年から約6年という短い期間で完成に至ったのです!

画像: 険しい峠道を越えるゼメリング鉄道(イメージ)

険しい峠道を越えるゼメリング鉄道(イメージ)

画像1: 世界の魅力的な鉄道<第7回>『実はすごい!オーストリアの山岳鉄道(ゼメリング鉄道とシャーフベルク登山鉄道)』【好奇心で旅する海外】<鉄旅チャンネル>

さらに重要なポイントが、設計です!

ゼメリング鉄道の特徴

建設当時はゼメリング峠の地形的な要因から物理的に建造が不可能と言われていましたが、設計者カール・リッター・フォン・ゲーガが機関車の構造に最新の技術を用いることで急勾配やカーブを克服しました。
また、鉄道の至るところにその優れた設計を垣間見ることができますが、中でも建設された100を超える石橋には古代ローマ建築様式が多く取り入れられており、強固な造り故、今なお鉄道が活躍し続けているともいわれています。
この軌道上にある14のトンネル、16の高架橋、100を超える石橋に11の鉄橋などすべてが「自然との調和」という点で高く評価され、1998年にヨーロッパで初めて国際標準軌間を採用した山岳鉄道として世界遺産登録されました。
現在まで世界遺産の中で、鉄道そのものが世界遺産として登録されたのは僅かに3つ。その第1号であるゼメリング鉄道です!

画像: 「自然と調和」で高い評価を受けるゼメリング鉄道(イメージ)

「自然と調和」で高い評価を受けるゼメリング鉄道(イメージ)

現在はゼメリング鉄道を含む路線はウィーンとオーストリア南部の都市(グラーツ、クラーゲンフルト、フィラッハ)や国外都市(ヴェネツィア、リュブリャナ、ザグレブ)とを結ぶ、オーストリア連邦鉄道の重要幹線の一つであるため、1時間間隔で通過する特急列車や、ローマとを結ぶ夜行列車、多数の貨物列車など通過する路線としても使われています。

画像: ゼメリング鉄道(正面/イメージ)

ゼメリング鉄道(正面/イメージ)

画像2: 世界の魅力的な鉄道<第7回>『実はすごい!オーストリアの山岳鉄道(ゼメリング鉄道とシャーフベルク登山鉄道)』【好奇心で旅する海外】<鉄旅チャンネル>

完成から160年以上たった今でも尚、ほとんど当時のまま活躍し続けているなんて素敵ですよね!
是非、現地でゆっくり走る列車の車窓から緑豊かな山々、いくつもの石造りの橋などと共にオーストリアの美しい景色をお楽しみください♪

ゼメリング鉄道の近郊都市

オーストリアの首都ウィーンと人口第二の都市グラーツを結ぶ路線の一部であり、アクセスしやすいことからツアーにおいても、この両都市と共に観光をお楽しみいただくことが多くなります。

~音楽の都~ ウィーン

ウィーンは言わずと知れたオーストリアの首都で、ドナウ川のほとりに位置しています。
芸術的にも文化的にも名高く、モーツァルト、ベートーベン、シューベルトなど世界的に有名な作曲家にゆかりのある都市としても知られています。
見どころも非常に多く、ハプスブルク家の夏の離宮であったシェーンブルン宮殿など、帝国時代の宮殿でも有名です。
ミュージアムクォーターにある新旧の美術館には、クリムトをはじめとする著名な芸術家の作品が収められています。
また、シュテファン寺院や旧市街を含む歴史地区は、「ウィーン歴史地区」の名称で2001年にユネスコの世界遺産に登録されています。
ここには旧王宮であるホーフブルク宮殿・ウィーン国立歌劇場・ブルク劇場・自然史博物館・美術史博物館、ベルヴェデーレ宮殿などが含まれています。
芸術や美術に触れ、旧市街を歩きながら歴史的な建造物を眺め、ウィーンを代表するチョコレートケーキ「ザッハトルテ」などを召し上がってみてはいかがでしょうか♪

世界遺産・シェーンブルン宮殿の庭(イメージ)

オーストリア国立図書館(イメージ)

シュテファン寺院(イメージ)

ザッハトルテ【※カフェザッハー】(イメージ)

~建物の宝石箱~ グラーツ

人口24万人あまりでウィーンに次ぐオーストリア第二の都市。
グラーツの市街-歴史地区とエッゲンベルク城は、中央ヨーロッパの街並みの中で、時代ごとに異なる様々な建築様式の流入と調和をよく保存していることが評価された文化遺産です。
1999年にグラーツの歴史地区のみが世界遺産に登録され、2010年に郊外のエッゲンベルク城も登録されました。
美しく統一感のある街並みを歩くだけでもワクワクしますが、お城や丘の上から眺める美しい景色も格別です♪

調和のとれた美しいグラーツの街並み(イメージ)

シュロスベルクの時計台(イメージ)

画像3: 世界の魅力的な鉄道<第7回>『実はすごい!オーストリアの山岳鉄道(ゼメリング鉄道とシャーフベルク登山鉄道)』【好奇心で旅する海外】<鉄旅チャンネル>

鉄道と一緒にお楽しみいただける観光要素や名所がオーストリアには非常にたくさんあります!
美しい景色と共に歴史・芸術・美術・音楽など趣味に合わせて、ゆったりと巡っていただくとさらに素晴らしい旅になるでしょう♪

シャーフベルク登山鉄道

続いては、人気ミュージカル映画に登場し有名になったシャーフベルク登山鉄道をご紹介します。

シャーフベルク登山鉄道(正面/イメージ)© Salzburg AG Tourismus

画像4: 世界の魅力的な鉄道<第7回>『実はすごい!オーストリアの山岳鉄道(ゼメリング鉄道とシャーフベルク登山鉄道)』【好奇心で旅する海外】<鉄旅チャンネル>

この列車は標高1,783mのシャーフベルク山を登る登山鉄道です。人気ミュージカル映画の有名なシーンに登場しているので、見覚えのある方も多いのではないでしょうか!

シャーフベルク登山鉄道の特徴

シャーフベルク鉄道はオーストリア中部の湖水地方、ザルツカンマーグートにあり、山麓ザンクト・ヴォルフガングから山上のシャーフベルクシュピッツェまでの約5.85kmを走ります。
湖畔の起点であるザンクト・ヴォルフガング・シャーフベルク鉄道駅が標高542mであるのに対して、終点シャーフベルクシュピッツェは標高1,732mと非常に高度差があるため、線路はひたすら上り続けるのがこの鉄道の特徴です。

シャーフベルク山を下る登山鉄道(空撮/イメージ)© Salzburg AG Tourismus

ザルツカンマーグートは、ザルツブルクの南東に広がる湖水地方で2,000m級の山々が織り成す大自然の景観と湖畔に寄り添う小さな街の情景で知られ、オーストリア有数の観光スポットが点在しているエリアです。その中でも、シャーフベルク山は世界中からの観光客で賑わう観光スポットであり、山頂へと上るシャーフベルク登山鉄道は大変な人気があります!

シャーフベルク山(空撮/イメージ)© Salzburg AG Tourismus

シャーフベルク登山鉄道の歴史

シャーフベルク山は3つの湖(ヴォルフガング湖、モント湖、アッター湖)に囲まれた位置にあり、山頂からはこれらの湖をはじめ、一帯を取り巻く山々の美しい景色を一望できます。
名高い保養地バート・イシュルにも近いことから、19世紀初め頃からすでに、このエリアに滞在する貴族たちにとっての人気の行楽地の一つでした。
当時は、男たちが担ぐ輿に載って山へ上っており、担ぎ手は職業組合を組織し稼ぐことができるほどに需要があったようです。
そして、ヨーロッパ最初のラック式鉄道が1871年にスイスのリギ山に開通したことを受け、各地で登山鉄道の認可申請が相次ぎ、この時シャーフベルクに上る鉄道も造られました。
1872年に認可を得たものの、翌年に起こった経済恐慌で資金の目途が絶たれたため計画は実現せず、ようやく1890年に新たな計画が認可され、1893年にシャーフベルク鉄道は開通しました。
その後の経済不況で運営会社は転々とするも、現在もなお走り続けています。

赤や緑の車体が映えるシャーフベルク登山鉄道(イメージ)© Salzburg AG Tourismus

列車は2両編成で、後ろから煙を上げた機関車で押し上げられます。
レトロで小ぶりですが、とても力強く、山麓から約40分ほどで山頂へと到着いたします。
高度を上げると一気に開けてくる湖と山々の絶景はハイキングとはまた違った感動を覚えることでしょう!
上る列車は進行方向右側の座席がおすすめです。湖が見下ろせて素晴らしい景色が広がります。
山頂にあるレストランで雄大な景色を観ながら食べる食事も格別です!

画像: 絶景を走るシャーフベルク登山鉄道(イメージ)

絶景を走るシャーフベルク登山鉄道(イメージ)

画像5: 世界の魅力的な鉄道<第7回>『実はすごい!オーストリアの山岳鉄道(ゼメリング鉄道とシャーフベルク登山鉄道)』【好奇心で旅する海外】<鉄旅チャンネル>

観光シーズンは例年5月下旬~10月の中旬頃。
夏のピークシーズンは長蛇の列ができるほどの人気ぶりです。
是非、赤い車体の映える美しい大自然を登山鉄道に乗って満喫してください♪

シャーフベルク登山鉄道紹介動画はこちら☟

画像: Imagefilm WolfgangseeSchifffahrt und SchafbergBahn © Salzburg AG Tourismus www.youtube.com

Imagefilm WolfgangseeSchifffahrt und SchafbergBahn © Salzburg AG Tourismus

www.youtube.com

シャーフベルク登山鉄道の近郊都市

世界遺産都市ザルツブルクの南東に広がる湖水地方ザルツカンマグートにあるため、ザルツブルクはもちろん、もう一つの世界遺産都市で風光明媚なハルシュタットへもアクセスしやすいことから、ツアーにおいてはこの両都市と共に観光をお楽しみいただくことが多くなります。

~モーツァルトの街~ ザルツブルク

ザルツブルクは東アルプス山脈を望む、ドイツと国境を接するオーストリアの都市で、人気ミュージカル映画の舞台の地です。
街はザルツァッハ川によって二分され、左岸には中世やバロック様式の建物があるアルトシュタット(旧市街)があり、右岸には 19 世紀のノイシュタット(新市街)があります。
また、旧市街と歴史的建造物は、1996年ユネスコ世界遺産に「ザルツブルク市街の歴史地区」として登録されております。
旧市街には有名な作曲家モーツァルトが生家があり、今では彼の幼年期の楽器を展示する博物館になっています。モーツァルトが1756年に誕生してから25歳まで住んでいた事で、彼の音楽を愛する世界の人々にとっていわば巡礼地となっております。
旧市街に聳え立つホーエン・ザルツブルク城も見どころの一つです!

モーツァルトの街 ザルツブルク(イメージ)

ホーエン・ザルツブルク城(イメージ)

ミラベル宮殿(イメージ)

モーツァルト生家(イメージ)

~世界で最も美しい湖畔の街~ ハルシュタット

オーストリア・アルプスの麓の湖水地帯ザルツカンマーグート地域の最奥に位置する景勝地で、ハルシュタット湖の湖畔に家々が並び立つ景観はオーストリアの代表的な風景として観光ガイドに用いられ、世界で最も美しい湖畔の街の一つとしてと称されるなど、近年では観光地として脚光を浴びています。
一帯は「ザルツカンマーグート地方のハルシュタットとダッハシュタインの文化的景観」として、1997年にユネスコ世界遺産に登録されています。
ゆっくりと流れる時間を感じながら湖畔遊覧を楽しんだり、展望台から望むハルシュタットの絶景は一見の価値ありです!

ハルシュタットの可愛らしい街並み(イメージ)

ハルシュタット湖(イメージ)

終わりに

第7回目の「世界の魅力的な鉄道」(ゼメリング鉄道・シャーフベルク登山鉄道)はいかがでしたでしょうか。
オーストリアは自然とともに芸術や美術、歴史や音楽など多岐にわたるテーマで旅を楽しむことができます。車窓から見える絶景や列車内でしか味わうことのできない雰囲気はもちろん、近隣の魅力あふれる都市と共に、移動するだけでない鉄道の旅をお楽しみいただけましたら幸いです。

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