エジプト南部地域は、エジプトを知る上で重要な遺跡が多く残されています。歴代ファラオが眠る地「ルクソール」やナイル川流域の交易の地「アスワン」などの観光地を中心にご紹介します♪

数多くの遺跡が眠るエジプト南部に迫る!

「エジプトはナイルの賜(たまもの)」という言葉をご存知でしょうか?

古代より世界有数の大河であるナイル川の氾濫や洪水によって育まれた肥沃な土地によって、古代エジプトは高度な文明を形成することが出来たことを表すことわざです。

エジプト観光地マップ(弊社ホームページより/イメージ)

実際、エジプト南部のナイル川流域には、かつてテーベと言われた旧首都ルクソールや交易の中心地であったアスワンなどの大都市が栄え、歴代ファラオによって多くの遺跡や墳墓が建築されてきました。

今回は、古代ファラオが眠る古都ルクソールからアスワンまでの見所をご紹介します!

古代ファラオたちの栄華を語る古都ルクソール

ルクソール(テーベ)は、中王国時代に首都となった一大都市で、この時代にはツタンカーメン王やラムセスⅡなど有名なファラオも多く活躍しており、この地に多くの遺跡や墓などを残しています。

古来エジプトでは、太陽が死と復活の象徴とされ、陽が登る東岸を「生者の都」、陽が沈む西岸を「死者の都」として定めていました。

そのためナイル川を中心として東岸には神殿や家屋が建ち並び、街としての機能が集中していました。

対して、西岸には王たちの復活を信じてお墓や葬祭殿などが作られました。

【ルクソール東岸】カルナック神殿

カルナック神殿はアメン神と太陽神ラ―が合体した国家最高神をまつる神殿です。

首都がテーベに代わってから、歴代のファラオたちがこの地に神殿を増築していったためハトシェプスト女王やラムセス2世など様々な時代の遺跡が残るエジプト最大級の神殿となりました。

この神殿には参道が引かれており、雄の羊の頭を持つスフィンクスが参道の両脇に建ち並んでいます。

カルナック神殿の参道(企画担当者撮影/2019年5月)

【ルクソール東岸】ルクソール神殿

ルクソール神殿は、カルナック神殿の副殿として作られた神殿で、アメンホテプ3世とラムセス2世の2人のファラオによって建築されました。

ルクソール神殿(イメージ)

第一塔門には、ラムセス2世の坐像とオベリスクが建っています。

オベリスクは本来2本ありましたが、内1本は19世紀にフランス政府に寄贈され、現在ではパリのコンコルド広場に置かれています。

夜にはルクソール神殿全体がライトアップされます。

タイミングが合えば、幻想的なライトアップもご覧いただけるかも?!

ルクソール神殿(企画担当者撮影/2019年5月)

【ルクソール西岸】王家の谷

ルクソール観光のハイライトとも言われるのが「王家の谷」観光です。

エルクルン山の谷間に位置しており、盗掘に見つかりにくいということで多くの歴代ファラオの墓がここに作られました。

現在63の墓が発見されており、ラムセス2世やツタンカーメン王の墓もここで見つかっています。

王家の谷(イメージ)

色鮮やかな壁画が残ることで人気の新王国時代台20王朝ラムセス4世のお墓をご紹介します。

黄色や青などの色がハッキリと残っており、細部までびっしりとヒエログリフ(象形文字)や神々の壁画が描かれています。

ラムセス4世の墓(企画担当者撮影/2019年5月)

墓の奥には、大きな石棺があり、その中に人型棺が安置されています。

ラムセス4世の墓(企画担当者撮影/2019年5月)

ツアーでは、王家の谷内部で公開されている3つの墓(ツタンカーメン王の墓以外)に入場します。

修復工事など定期的に行っているため、どの墓に入場するかは当日ガイドさんが確認してくれます。

ラムセス9世の墓(企画担当者撮影/2019年5月)

★ここが見所!!ツタンカーメンの墓★

王家の谷のメインの見どころと言ったら、何と言ってもツタンカーメンの墓!!

通常別料金となるツタンカーメン王の墓ですが、クラブツーリズムのツアーでは入場観光でご案内することが多いです。

王家の谷にあるツタンカーメン王の墓(企画担当者撮影/2019年5月)

ツタンカーメン王の墓は、1922年に考古学者ハワード・カーターによって発見され、王家の谷のほとんどのお墓が盗掘にあっていますが、このツタンカーメンの墓は無傷で見つかりました。

豪華な副葬品、ファラオと神々を描いた美しい壁画、ツタンカーメンのミイラを納めた石棺と黄金のマスクをかぶったミイラが墓の中に収められた状態で発見されました。

現在は副葬品、ミイラ、黄金のマスクはカイロの考古学博物館に収蔵され、ツタンカーメンの石棺がこの墓に残されています。

考古学博物館に収蔵されているツタンカーメンの黄金のマスク(イメージ)

王墓にしてはかなり小さな作りとなっているため、内部は約5分ほどで十分見学できる広さになっています。

黄金に輝く壁画の素晴らしさや、ツタンカーメン王のミイラが収められていた石棺は一生忘れられない体験となります!

ツタンカーメンの墓内部(弊社スタッフ撮影/2019年10月)

【ルクソール西岸】王妃の谷

王家の谷とは別に、歴代ファラオに愛された王妃や王族や高官など約80もの墓が発見されたのが「王妃の谷」です。

王妃の谷の中でも一番人気なのがラムセス2世に愛された王妃ネフェルタリの墓です。

1日の入場制限が厳しく設けられている墓で、壁画の美しさはルクソール西岸随一と言われています。

ネフェルタリの墓(弊社スタッフ撮影/2019年10月)

2019年9月よりお手持ちのスマートフォンであれば、墓内部の写真を無料で撮影できるようになりました!(フラッシュ撮影は禁止)デジタルカメラや一眼レフカメラ、ビデオ撮影等は不可となります。

【ルクソール西岸】ハトシェプスト女王葬祭殿

岩壁を利用した3層構造の葬祭殿で、エジプトの初の女王ハトシェプストが、夫トトメス2世の死後、造成し、その美しい姿から歴代ファラオが亡くなった時の葬儀が執り行われるようになったと言われています。

王の再生、復活を願った重厚な造りとなっており、当時、現在のソマリアと貿易を行ってきたことが分かる壁画なども残されています。

壁画は今だ色鮮やかに残されているところもあり、非常に見ごたえがあります

ハトシェプスト女王葬祭殿(企画担当者撮影/2019年5月)

【コムオンボ】ワニの神様を祀るコムオンボ神殿

コムオンボ神殿は、ハヤブサの神様とワニの神様の2つの神を祀っており、神殿の造りも、塔門の入口や部屋の入口も二つずつある二重構造になっています。

この神殿には、エジプトで唯一「ワニのミイラ」が展示されていることでも有名です。

コムオンボ神殿(イメージ)

ワニのミイラ(イメージ)

【エドフ】ハヤブサの神様を祀るホルス神殿

ホルス神殿は、ハヤブサの神様ホルス神を祀っており、巨大な塔門と大きなレリーフが圧巻の神殿です。

巨大な塔門は高さ36m、幅79mもあり、プトレマイオス12世が戦っている様子がレリーフとして描かれています。

ホルス神殿の塔門(企画担当者撮影/2019年5月)

また、このホルス神殿にはエジプトで一番きれいなハヤブサのホルス神の像が残っており、写真ポイントになっています。

エジプトで一番保存状態のいいホルス神の像(企画担当者撮影/2019年5月)

【アスワン】貿易の交易路として栄えた街

アスワンはエジプト南部のヌビア地方の都市で、金や銅などの鉱物資源に恵まれた土地だったため古くから交易などで栄えてきました。

観光地としては、国家事業として始められたダム建設事業で一躍有名になったアスワン・ハイダムや【世界遺産】イシス神殿、エジプトや世界各地にあるオベリスクの採掘場などが見所となります。

観光だけではなく、アスワンはラグジュアリーホテルに宿泊するのもおすすめです。

イギリスのウインストン・チャーチルやアガサ・クリスティが利用した歴史ある「ソフィテル・レジェンド・オールド・カタラクト」ホテルは今なお世界の要人やVIPからも愛され続けるホテルのひとつです。

ソフィテル・レジェンド・オールド・カタラクト外観(イメージ)

ナイル川沿いに建つ眺めが素晴らしいホテルで、プールサイドからナイル川を航行するファルーカ(エジプト伝統の帆船)や5つ星のクルーズ船などご覧いただけます。

1902年に建てられたことから名づけられた「1902」レストランは、その当時の面影を残しており落ち着いた雰囲気でお食事もお楽しみいただけます。

ソフィテル・レジェンド・オールド・カタラクト「1902レストラン」(イメージ)

時間に余裕がある際は、アスワンに宿泊してゆっくりとエジプト南部観光をお楽しみください。

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おわりに

エジプト南部の主要観光地をご紹介してきましたが、まだまだ伝えきれない魅力や観光地が現地にはたくさんあります。

是非、エジプトのツアーが再開した際には、現地に足を運び、ご自身の目で見て体験していただければと思います。

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