「うっとりするほど美しい夜空」を、観たことがありますか?
<夜空の物語>シリーズでは、明かりがない僻地で望む『満天の星』その土地ならではの『星空』神秘の奇跡『オーロラ』にスポットをあて、日本の日常では、なかなか観ることのできない(方が多い)非日常の世界「世界の美しい夜空」をご紹介したいと思います!

今回の舞台は、緑豊かな自然大国ニュージーランドの人気観光地「テカポ湖」。春〜夏の花ルピナスの季節、秋の黄葉の季節もとてもオススメですが、本日は「“世界遺産登録を目指す”美しい星空」をご紹介いたします♪ 癒される綺麗な星空写真に映る『✨南十字星探し✨』もお楽しみください!

テカポ湖ってどこ?

ニュージーランド地図

テカポ湖(イメージ)

「テカポ湖のあるテカポ」は、ニュージーランドの南島のほぼ中央に位置する、人口約500人ほどの小さな街です。南島観光の拠点クライストチャーチから車で約3時間半、世界遺産マウントクックからは約1時間半。写真の奥に見えている湖が街のシンボルでもあるテカポ湖、日が暮れると別の顔が…!晴天率が高く空気が澄んでいることに加え、周辺に大きな都市がないことから世界有数の天体観測地なのです。多くのカメラマンが素晴らしい写真を撮ろうと、世界各地から訪れています。

テカポの美しい星空

テカポの星空は「世界で最も美しい星空のひとつ」と言われているほど、晴れていれば息をのむほど美しい星空を観ることができます!
このテカポ湖を含む広大なエリアは2012年に「国際ダークスカイ教会」より「星空保護区の最高位」に認定されており、光害を防ぐ取り組みも続けられています。星空が美しく見えるよう、テカポの街全体として「明かり」の量を抑え、光が空に向かわないようにしているそうです。

テカポ湖の星空と「善き羊飼いの教会」(イメージ) ©2021 Hide Ozawa All Rights Reserved 

※この星空の中には『南十字座(南十字星)』もきれいに映っています。見つけられますか?

テカポの星空スペシャリストにインタビュー!

テカポの星空に魅了され「世界遺産」に匹敵するほどの価値を見出し、「世界遺産登録を目指す活動」を始めたのは日本人の小澤英之氏(ニックネーム/ヒデさん)!ヒデさんは現地テカポの会社「アースアンドスカイ」を立ち上げ、観光客向けの星空観賞ツアーの運営や「美しい星空を守るプロジェクト」にて長く活躍されていらっしゃるまさにテカポの星空スペシャリストです!私達にはなかなかイメージもしづらいので、色々お伺いしてみました。

ヒデさんがニュージーランドに初めて行かれたのは、何年前になるのですか?テカポで初めて星空を観た時の印象はいかがでしたか?

もう30年以上前になります。ここで星空を観た時は、それはもう衝撃的とさえ言える美しさでした。こんな星空は観たことがない、そう思いました。

「星空を世界遺産に!」というのは、具体的にどういった活動をされているのですか?

実は、ユネスコの世界遺産条約に星空は含まれていないのです。そのため、テカポを星空が綺麗に見える「宇宙への窓」として、世界遺産登録を目指しています。また違う角度で、テカポに近いアオラキ/マウントクック国立公園は氷と雪の世界自然遺産ですが、氷河が残した大地としてテカポ湖も世界遺産の範囲に加え、そこに星空も含ませることが可能ではないかと考えています。

なるほど、そうなのですね。日本人であるヒデさんが始めたこの取り組みを、地元の方はどのように捉えていらっしゃいましたか?

地元の方にとってはこの星空は特別なものではなかったので、最初は誰にも相手にされませんでした。農業を持続するための環境や絶滅危惧種の動植物など、守るべき物は他にありますしね。それから随分と月日が経ち、今は地元の人の認識もここが世界有数の美しさであることが理解されていると思います。

へぇ〜…(深い!ですね…)、テカポでは特別ではなかった星空を、あえてツアーにしようと思ったきっかけは何だったのですか?

それが実は、クラブツーリズムのツアーなのです。お客様が夜空を見上げておっしゃった「南十字星はどれ?」という言葉にハッとさせられました。せっかく南半球に来られているので、南十字星を観ていただきたい!と。当時は肉眼で眺めるか、小さな望遠鏡で観測するだけでしたが、今は小高い丘にある天文台の直径35cmの大きな望遠鏡で星空を観察できます。星雲や土星の輪なども観察出来るようになりました。

星空観賞ツアー天文台にて/目線より低い位置にもたくさんの星がご覧いただけます(イメージ)

※この写真の中には「逆さまの南十字座(南十字星)」が映ってますよ〜 

クラブツーリズムのお客様の言葉がヒントになったのですね。それはなんだか、とても嬉しいです!早くまたお客様をテカポにご案内したいです。ありがとうございました!

テカポの星空が美しい3つの理由

①ニュージーランドのある南半球には星が密集している
②テカポの空気が乾燥していて空気がとても澄んでいる
③テカポは人口が少なく、周辺に大きな町がないため人工的な光が少ない
その上、様々な工夫が。 ➡︎➡︎➡︎ 街灯は空ではなく道路側を照らすように傘をかぶせていたり(!)・光害を軽減するナトリウムランプを採用したり、夜は窓のカーテンを必ず閉め、家の光が外に漏れないようにしたりしています。この美しい星空を維持する為に、街全体で協力し合っているのですね!

南半球でしか観られない星?

ヒデさんが撮影された天の川 ©2021 Hide Ozawa All Rights Reserved

※この写真の中にも『南十字座(南十字星)』が!答え合わせは最後に…

北半球と南半球では観える星が違い、テカポでは南天特有の星を観察できます。例えば南半球を代表する南十字座(南十字星)や天の川の外側に位置する大小マゼラン雲等、きれいにご覧いただけます。日本では冬の星座として有名な「オリオン座」はテカポでは夏に見られ、向きも逆さまなんです。そして、「オリオン座」の中にも星があり過ぎて戸惑う程です。

【最新画像】ヒデさん撮影、テカポの美しい星空

マウントジョン天文台からの星空とテカポの街 ©2021 Hide Ozawa All Rights Reserved

※こちらにも『南十字座(南十字星)』!どれでしょう~?

え?テカポ ではオーロラも観られるの?

テカポで撮影されたオーロラ ©️2021 Hide Ozawa All Rights Reserved

※ななんと、この星空の中にも「南十字座(南十字星)」が!

オーロラは高緯度部分でよく観測されますが、特に「オーロラベルト」というドーナツ状のエリアでよく観られます。実は、テカポもこの「オーロラベルト」に含まれており、オーロラが観られる事も!北半球で見られるオーロラは緑色のものが多いのですが、ニュージーランドでは幻想的な上部が赤いオーロラが観測されます。緯度の高い北欧やカナダではオーロラを下から見上げる形になるため、最も明るい色である緑が見えますが、低緯度のニュージーランドではオーロラを斜めから眺める為、ご覧のような色合いで見られるのです。視界いっぱいに広がるまばゆい星空とオーロラの共演は、まるで夜空に飲み込まれるかのような迫力ある光景が広がります。
当<夜空の物語>シリーズでは、後半に『世界のオーロラ』もご紹介しますので、お楽しみに⭐︎

【答え合わせ】 南十字座(南十字星)はコチラ!

天の川 ©2021 Hide Ozawa All Rights Reserved

【正解はコチラ!】南十字座(南十字星) ©2021 Hide Ozawa All Rights Reserved

分かりましたか?ちなみにこちらはヒデさんに、つい先日2021年1月下旬に撮影いただいた画像です!
当記事の中でも、「南十字座」が綺麗に映っているものもあるので、ぜひ見返して探してみてください☆

他にも!テカポの楽しみ方

ー湖畔の散策

ミルキーブルーに輝くテカポ湖(弊社スタッフ撮影)

氷河粉という氷河が動く際に削り出される岩石の成分が水に溶け込む事でこのブルーが作り出されているのです。まさに「自然が創りだした芸術」

お客様写真: 善き羊飼いの教会と星空 兵庫県在住 ペンネームDOBBY様

この辺りの開拓者の為に1935年に建てられた、おしゃれな石造りの小さな教会です。周辺はとても美しい絶景が広がっていることから、絵葉書によく使われています

ールピナスや黄葉を愛でる

ルピナスの群生(弊社スタッフ撮影)

11月下旬~12月に最盛期を迎え、カラフルな花々と湖の美しいコラボが見られます。

テカポ湖の黄葉(イメージ)

日本では秋になると木々が赤く染まりますが、ニュージーランドの秋は「黄葉」です。4月下旬~5月上旬に見頃を迎えます。

旅のプロが教える!テカポへ行くなら

せっかくこんなに遠くまで高い費用をかけて行かれるので、「このような美しい星空に、より美しい状態で」会える確率を少しでもあげるべく…!

①テカポ湖に宿泊するコースを選ぶ!
ニュージーランドを訪れるツアーは多くありますが、テカポ湖は日中に「お写真タイムに立ち寄るだけのコース」も沢山あります。それでは星空が観られません!「テカポに宿泊するコース」をぜひ見つけてください。星空観賞をメインにしたコースでは、テカポに連泊するコースも!お天気に恵まれるかは本当に運次第なので、連泊もおすすめです⭐︎

星空ツアーで大きな望遠鏡から観賞している様子(イメージ)

②「星空観賞ツアー」に申し込む!
夜には町全体が真っ暗になるので、ホテルの部屋から出るだけでも星空を観ることができます。でも、オススメは「星空観賞ツアー」に申し込むこと。(クラブツーリズムでは、ポイントとして組み込まれているコースもあり!)個人旅行ではアクセスできないマウントジョンにある天文台等から「専任ガイドさんの解説」や「先住民マオリ族にまつわる神話」を聞きながら観る星空の美しさは別格です!

③星空によりこだわるなら冬!
ニュージーランド全体としては、11月~2月のあたたかい時期がベストシーズンですが、星空をメインで考えるなら、より空気が澄み渡る冬(6〜8月)がオススメです。

③やっぱりこだわりたい!「新月の日」を選ぶ!
ひとつ前のオーストラリアの記事でもお伝えしましたが、「テカポ宿泊が新月日(弊社では新月の前後3日間を表します)」がおすすめ。「満月の日」には月明かりで自分の影がくっきりと見えるほど。ということは、星の数が格段に減ってしまいます。月明かりの影響を受けない「新月の日」が絶対オススメです。
※「新月日」は通常、カタログや各ツアーのWEBページに記載をしております。

④花や黄葉にこだわるなら夏〜秋!

おすすめオンラインツアー『現地から生中継で星空観賞!」

来たる3月14日(日)18:00〜19:15 星空ガイドのヒデさんをお招きし、その日のテカポ湖の星空を生中継し、ヒデさんに解説いただくオンラインツアーを販売しております!
ツアーの中では、テカポ湖畔に昨年度オープンしたての施設「ダークスカイエクスペリエンス」にもご案内します。(通常入場料金おひとり約4,000円!)館内には、浪漫あふれる125年前の望遠鏡もあり、本来は現地まで行かなければ見ることのできないその望遠鏡をお見せし解説もお楽しみいただけます。詳しくはこちらへ↓ ⭐︎

ニュージーランドからのメッセージ

「テカポの星空やヒデさん」も登場する動画もぜひご覧ください!

ニュージーランドからのメッセージ ©️ニュージーランド政府観光局

youtu.be

次回予告

いかがでしたでしょうか?今はまだニュージーランド旅行へは行けませんが、「いつかは自分の目でこんな星空観てみたい!」と思っていただけたら光栄です。

次回は、「え、ビーチやショッピングだけじゃないんだ!」の地、OOOの星空 をご案内します!2月後半を予定しております。是非ご覧ください!

【好奇心で旅する海外】 テーマシリーズ公開中!

<夜空の物語> はじめから読みたい方はコチラ↓

<芸術百華>
『イタリア芸術』
<歴史の時間>
『え~?これも三国志?!』
『エジプト謎解き大解剖!』
<世界遺産浪漫> 
『世界遺産〇〇5選』
<船旅チャンネル> 
『欧羅巴リバークルーズ』
<癒しの空間> 
『世界の風呂でととのう』

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