2015年に北陸新幹線が全線開通して以来、関東方面からの旅行人気が高まっている信州・北陸方面。当記事では、北信越の大自然を存分に楽しむことが出来る観光列車の魅力をご紹介いたします。

最終更新日:2月25日
3月に発行予定の弊社カタログ掲載新商品・先行発表と、新しい観光列車「一万三千尺物語」に関する情報を追加いたしました。

観光列車とは

そもそも観光列車ってなに??と思われる方もいるかもしれません。

観光列車とは、日本各地を走るその土地の特産品や文化、美食などを味わうことができる特別な列車のことを言います。

一言で「観光列車」といっても種類は様々で、列車によっては、車窓から絶景を眺めながらご当地グルメを堪能したり、その土地ならではの芸能を間近で見られたりなど、旅をする上では避けて通れない移動自体を特別な時間・体験に変えてくれるため、近年ますます人気が高まってきています。

ご家族連れにおススメな列車や宿泊が出来る列車など、たくさんある観光列車の中から、当記事では大人の皆様にも大変おススメな贅沢列車を厳選してご紹介いたします!

しなの鉄道「ろくもん」

長野県軽井沢から新潟県妙高高原までの区間を運行しているしなの鉄道。その路線上の軽井沢~長野駅間を運行している観光列車が「ろくもん」です(一部JR区間を含む)。

3両編成で運行する「ろくもん」

険しく雄大な北八ヶ岳連峰の裾野には、大河・千曲川やかつては善光寺平と呼ばれた長野盆地が広がり、四季折々美しい日本の自然を眺めることが出来ます。

ろくもんのデザイン

現在の上田市真田町にゆかりのある武将「真田一族」の家紋である「六文銭」から命名された「ろくもん」。

その車体は、真田幸村が大坂冬の陣などで用いた真紅の甲冑や武具をイメージした濃い赤を基本色として、真田一族の家紋である「六文銭」「結び雁金」「州浜」をゴールドで配置した伝統とモダンの調和した渋いデザインが特徴です。

六文銭などがあしらわれた美しいデザイン

列車が始発駅から出発する際には、戦国時代の合戦を思わせるような、ほら貝の音がホームに響きわたり、旅の始まりのワクワク感を演出してくれます。

車内に目を移すと、内装はたくさんの木材が使われている点が特徴的です。

2号車の車内

長野県産の木材をふんだんに使った、快適でぬくもりのある空間は、日本を代表するインダストリアルデザイナーで、九州を走る豪華寝台列車「ななつ星」の内装デザインも手がけた水戸岡鋭治氏によるもので、大人の旅行にふさわしい、上質な時間を存分に味わうことが出来ます。

3号車は個室のようになっています

長野~軽井沢間の2時間強を過ごす車内だからこそ、過ごしやすい快適な空間が嬉しいですね。

ろくもんの車窓からの景色

続いて車窓からの景色を見てみましょう。

軽井沢から長野へ至る道中には、浅間山や千曲川など、四季折々に信州の豊かな自然を車窓から見ることが出来るポイントが数多くあります。

千曲川沿いを走るろくもん

桜とろくもん

冬の浅間山を望むろくもん

夏の田園をかけるろくもん

ろくもんの食事

1時間半から2時間前後の乗車中は、車窓からの景色はもちろんですが、この土地が育んだ食を楽しむこともまた楽しみの一つです。

2020年9月の時点で洋食メニューの監修を務めるのは、地元・長野県東御市に店を構える「アトリエ・ド・フロマージュ」。

1982年に創業し、全国に先駆けて生チーズ・カマンベールをつくった「日本の手作りチーズの草分け」として知られ、レストラン「リストランテフォルマッジオ」は、その美味しさと品質が人気です。

また和食メニューは千曲市にある和食会席料理店「竹葉亭」。白く可愛らしい二段重の中に、信州の旬な食材をふんだんに使用した料理が詰め込まれています。

「ろくもん」和食コースならではの「お抹茶」とともに、料理長こだわりの創作和食料理を味わうことができます。

洋食コースのお食事

和食のお食事

食事メニューは軽井沢・長野の乗車駅により異なります。また、上記の食事内容は2020年9月時点のものであり、変更となる場合があります。

越後トキめき鉄道「雪月花」

新潟県糸魚川市と妙高市を結ぶ越後トキめき鉄道。その路線上で糸魚川~上越妙高間を運行している観光列車が「えちごトキめきリゾート雪月花」です。

2両編成で走る雪月花

荒々しい日本海の絶景と標高2,454mを誇る「越後富士」・妙高山など、新潟県が誇る海・山の絶景を楽しむことが出来る糸魚川~上越妙高間を走ります。
新潟が誇る四季折々の景色・食を、地元技術を集めた列車から存分に楽しませることがコンセプトとなっています。

雪月花のデザイン

車体の設計から製造、ボディのメッキ加工から調度品の製作に至るまで、「新潟産」にこだわり抜いた雪月花。全2車両からなり、号車によって異なる魅力が特徴的です。

1号車では、日本海と妙高山側を向くラウンジ形式の座席から、変化に富む素晴らしい眺望を楽しめるようになっています。全体的に明るい黄色が目を惹くデザインは、新潟の田園風景をモチーフにしています。

また、車両全体が景色を存分に楽しめるワイドな窓を備えていますが、中でも展望ハイデッキでは、国内最大級の大きな窓からさらにワイドな眺望を存分に楽しめます。

景色を楽しむのに最適なラウンジスタイル

大パノラマの展望デッキ

1号車の内装は明るい黄色が目を惹きます

変わって2号車には大きなテーブルに、新幹線グランクラスよりもゆったりした座席があり、内装には新潟産のブナを使用したシックな色味の調度品が、寛ぎの鉄道旅を演出してくれます。

先頭部には運転士の頭越しに前面の展望を独占できる展望ハイデッキを備え、パノラマを望みながら寛ぐことができます。

落ち着いた雰囲気のある2号車

パノラマの展望ハイデッキ

また、阿賀野市にて国内最北の瓦産地として江戸時代より伝わる安田瓦を敷き詰めたデッキには、バーカウンター「さくらラウンジ」があり、まさに大人の旅にはうってつけです。

雪月花の車窓からの景色

豪雪地帯のイメージが強い新潟・上越地方は、どうしても雪景色のイメージが強いかもしれませんが、春には桜、秋には紅葉、そして初夏から夏にかけては田畑や山が緑に色付き、ワイドな車窓から季節ごとの日本の原風景を味わうことができます。

桜と雪月花(能生駅)

妙高山を背に菜の花畑を望む春の雪月花

紅葉の山並みと雪月花

車窓から冬山を望む

さらに道中には、1910年に建てられた木造駅舎や赤レンガ造りのランプ小屋が今も現役で使われている二本木駅や、地下40mのトンネル内にある一風変わった「トンネル駅」筒石駅など、個性的な途中駅に停車。その土地の文化や歴史を感じることが出来るのもこの路線の面白さの一つです。

冬の二本木駅舎

珍しいトンネル駅(筒石駅)

また冬季限定の特別ルートとして、高田雁木通りと百年映画館の見学を楽しめる「高田コース」や、かんずりの雪さらしと老舗酒蔵見学に行ける「新井コース」などの、下車観光と鉄道旅がセットになった運行便もあります。

日本最古の映画館「高田世界館」

新井のかんずり雪さらし

上記にて紹介している停車駅のルートは2020年9月現在のものであり、変更される場合があります。

雪月花の食事

便により提供内容は異なりますが、いずれも新潟出身の一流料理人が生産者の現場を直接訪問し、オリジナルメニューを考案。難度の高いレシピを確かな技術で調理します。

和食フルコース(一例)

メニュー写真は一例です。変更となる場合があります。

また地元ワイナリーで作られたスパークリングワインのウェルカムドリンクや、食後には雪月花オリジナルブレンドの地元コーヒーを味わえ、「さくらラウンジ」では約20の銘柄の日本酒や地元産ワインなどを楽しむことが出来ます。

長野電鉄「ワインバレー列車」

続いて紹介するのは、先に紹介した「ろくもん」の停車駅でもある長野駅と、湯田中・渋温泉郷の入り口となる湯田中駅を結ぶ観光列車「北信濃ワインバレー列車」です。

北信濃の田園風景や、ゆったりと流れる千曲川、飯縄山、黒姫山、妙高山などの雄大な山並みが広がります。ビュースポットでは一時停車してくれますので、撮影もゆっくり楽しめます。

ワインバレー列車のデザイン

ワインバレー列車は知らなくとも、車体を見たことがある方は多いのではないでしょうか。

このワインバレー列車では、かつて「小田急ロマンスカー」として活躍した車両を使っており、レトロな顔と色合いに、懐かしさを感じますね。

車内にはボックス席が用意され、テーブルを囲んで旅仲間と語り合う楽しみを味わえます。

ワインバレー列車の車窓からの景色

長野~湯田中間は約33km、通常列車に乗れば所要時間は約50分という比較的短い区間ですが、ワインバレー列車では途中駅での停車時間を含めた約80分の乗車を、車窓からの景色と信州のワインを始めとする食を、のんびりリラックスして楽しんでもらうというコンセプトでご案内しています。

北信濃の田園風景や国の天然記念物「十三崖」、地区100年を数える駅舎など、車窓からの長野の自然と文化を堪能できる車窓からの景色は旅のハイライトの一つになります。

ワインバレー列車の食事

日本有数のワイン産地として知られる信州ですが、そんな信州産ワインを心置きなく楽しむため、当列車の乗車中は提供されるワインがなんと飲み放題!

ワインカウンターには、北信濃のワイナリーから厳選した赤・白・ロゼのワインが揃います。座席に置かれた「本日のワインリスト」で銘柄を確認しながら、ほろよい気分で旅を楽しめます。

また、沿線で生産された旬の食材を用いた「のんびりべんとう」はワインに合うように作られたオリジナルメニュー。景色を見ながらワインのつまみに最適です!

写真のメニューやワインの銘柄は2020年9月時点のものであり、変更される場合があります。

あいの風とやま鉄道「一万三千尺物語」

最後は、北陸・富山県の富山駅~高岡駅~黒部駅・泊駅間を折り返し運行する新しい観光列車「一万三千尺物語」です。

標高3,000m級の雄大な山々が連なる立山連峰と、2014年にユネスコが支援する「世界で最も美しい湾クラブ」へ加盟した深海約1,000mの富山湾。その標高差「一万三千尺」(=約4,000m)の織り成す景色を存分に楽しめるのが、2019年4月に運行開始したあいの風とやま鉄道の「一万三千尺物語」です。

富山駅を出発し、新潟県との県境に近い泊駅で折り返し、富山駅に戻ってくる「1号プラン」、同じく富山駅を出発し、西の高岡駅で折り返し、さらに黒部川の下流に位置する黒部駅で再び折り返し、富山駅に戻ってくる「2号プラン」があります(左の地図は、2号プランです)。

一万三千尺物語のデザイン

白地にオレンジ・濃紺が鮮やかに映える車体は、オレンジ色の朝日によって色づく立山連峰の稜線と富山湾をイメージしてデザインされました。この列車に乗っていただく方々に、高低差が生み出す富山の自然の恵みと雄大さを存分に感じていただけるように、という願いが込められています。

1号車の車内の様子

列車は通常3両編成で、1・3号車が客車、2号車は厨房・売店になっています。

客車の天井、床、テーブル等には富山県氷見産の「ひみ里山杉」を使用し、木のぬくもりが感じられる落ち着きのある空間が広がっています。

厨房・売店では、地酒などのドリンク提供やお土産販売、各市町村の特産品ディスプレイなどが設置され、快適な列車の旅を楽しむことが出来ます。

一万三千尺物語の食事

一万三千尺の絶景とともに楽しみたいのが、「天然の生簀」と呼ばれる富山湾の採れたての魚と、ミネラル分豊富な立山の雪解け水で育まれた里山の恵みをふんだんに盛り込んだお料理。

「2号プラン」の懐石料理コース(イメージ)

「一万三千尺物語」では「1号プラン」にて、旬の地魚を車両内で握った「富山湾鮨(8貫)」を、「2号プラン」にて、新鮮な魚介と美しい水と肥沃な大地によって育まれた野菜や山菜、そして地元産の美味しいお米を取り入れた「和風懐石料理」を提供しています。

豪華に彩られる富山の旬の味覚を味わうことができます。

日本屈指の名水の里といわれている富山県。その清らかな水と美味しい米からできる地酒は全国でも名高い銘酒として知られています。車内では、厳しい寒さを超えて生まれた銘酒の数々を冷やしてご用意しております。

車内で購入できるオリジナルラベルの日本酒

写真のメニュー等は2021年2月時点のものであり、変更される場合があります。

おススメツアーのご紹介

いずれも出発日に限りがあり、ホテルのお部屋の数も少ないツアーですので、ご検討は是非お早めに!

2月25日新発表!7~9月の出発です
クラブツーリズム四季の華ブランドに初登場の観光列車「一万三千尺物語」と人気の「雪月花」に乗車するツアーです。

12月10日新発表!2021年ゴールデンウィーク出発
雪月花に乗るツアーとろくもんに乗るツアーの二種類をご用意いたしました。

12月1日新発表!2021年4~6月出発
ろくもん・雪月花・ワインバレーの全てに乗車する3日間ツアー♬
※7~9月出発ツアーは、2021年3月下旬頃の販売開始を予定しております。

おわりに

当記事では「ろくもん」、「えちごトキめきリゾート雪月花」、「北信濃ワインバレー列車」、「一万三千尺物語」という、新潟、長野、北陸を走る4つの観光列車を紹介いたしました。

いずれもデザインや食事にこだわり、車窓からは四季折々の原風景が楽しめる大人向けの贅沢旅にぴったりの列車です。

また日本全国には今回紹介した列車に負けない、魅力的な観光列車が数多く走っています。次回の旅の参考に、是非以下のリンクも参考にしてみてください。

日本全国の観光列車を紹介する弊社ブログ記事です★

クラブツーリズムの鉄道旅を掲載している特集ページです。

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