春は気候的にも歩きやすく登山・ハイキングにぴったり!春(3月・4月・5月)の季節におすすめの山を初心者向けを中心にご紹介!花や若葉など色鮮やかな景色を見ながら気持ちよい春山歩きを楽しみましょう!

初心者にもおすすめの歩きやすい の季節

春は登山・ハイキングにおすすめの季節です! 冬が終わり、だんだんと暖かくなるこの時期に山を楽しんでみませんか?

春の魅力①:涼しくて歩きやすい

気持ち良い気候の中を歩こう!

寒い冬が明けると、だんだんと気温も上がっていきます。登山・ハイキング時は体がぽかぽかと温まってきますので、暑すぎない春の時期はとても気持ちよく歩ける季節になり初心者にもおすすめです!

春の魅力②:花や若葉が美しい

気温の上昇とともにみずみずしい若葉が生い茂り、色とりどりの花々が咲きます。春の山道は周囲の景色だけでなく、足元や木々に咲く花との出会いも楽しめることでしょう。

アカヤシオの花と新緑

春山(3月・4月・5月)で見頃を迎える花

具体的に、春の季節に咲く花をご紹介いたします。

言わずと知れた日本を代表する春の花。街中に咲く桜も良いですが、山上に力強く咲く桜もおすすめです。見頃が短いので、時期を逃さないように気を付けましょう。

ツツジ

ミツバツツジ

ミヤマキリシマ

春の山で最も出会う機会が多い花の一つはツツジでしょう。まとまって咲きますので存在感が大きく、見頃も長く楽しめるお花です。「ミツバツツジ」「ヤマツツジ」「ヤシオツツジ」など、種類も様々で、赤、ピンク、白など色も豊富です。

シャクナゲ

シャクナゲの花

実はツツジ属にあたるツツジの仲間シャクナゲ。特徴は葉に厚みと光沢があり、花が枝先に房状に咲くまとまって開花します。また、ツツジは落葉樹であるのに対し、シャクナゲは常緑樹という違いもあります。

カタクリ

カタクリの花

名前の通り片栗粉が取れる植物であり、春の訪れを知らせてくれる花として有名。紫の花を下向きに咲く特徴的な形から、とても人気の花です。群生で咲く場所は全国でも珍しく、一斉に斜面に咲く圧巻の景色を求めて歩いてみてはいかがでしょうか。

春の登山・ハイキングの服装

長袖をベースに

薄手の長袖の上から重ね着をしましょう

冬と比べ暖かくはなりますが、朝晩や荒天時は一気に肌寒くなります。服装は薄手の長袖をベースに選べましょう。

日差し対策で帽子も

日差し対策も必要です

晴れれば春でも日差しはとても強くなります。特に女性の方は紫外線対策として帽子も持参されると良いでしょう。

雨具、防寒着もお忘れなく

雨具もお忘れなく

春は天候も変わりやすのが特徴です。晴れの日もあれば雨の日もありますし、一日の中で急激に天候が変わることもあります。登山・ハイキングの必需品である上下別の雨具はもちろん、急激な冷えに対応するためフリースなどの防寒着もお忘れなく。

※登山・ハイキング初心者の方はこちらの記事もご覧ください

それでは、次の章から、具体的に春(3~5月)にオススメの山を全国からご紹介いたします! 山選びの参考にしてみてくださいね。

【関東エリア】春の登山・ハイキングにおすすめの山

①妙義山[桜の見頃:4月上旬〜4月中旬]

妙義山麓に咲く桜

群馬と長野の県境に位置する標高1,103mの妙義山。赤城山、榛名山と共に上毛三山の一つとされ、日本二百名山の一つにもなっています。また、風化により誕生した奇妙な岩山の風景から、日本三大奇景に数えられています。

東麓に「妙義神社」、南麓に「中之嶽神社」、西山麓には「さくらの里」があり、約50種1万5000本以上の桜が春を彩る光景は、絢爛たる華やかさです。

山頂付近のルートは上級者向けの登山道となり滑落事故が多発していますが、中腹を歩く一般向けの登山道も整備されています。

奇岩・岩壁が立ち並ぶ景色

妙義神社参道のシダレザクラ

②赤城山(黒檜山)[アカヤシオの見頃:5月下旬~6月上旬]

アカヤシオと赤城覚満淵

群馬県を代表する上毛三山のひとつ、日本百名山で最高峰は標高1,828 mの黒檜山(くろびさん)。山頂からは日光連山の袈裟丸山(けさまるやま)や皇海山(すかいさん)、眼下にカルデラ湖大沼の眺望を望めます。

赤城山は花の百名山にも選ばれていて、季節ごとに様々な花や植物が姿を見せてくれます。初心者向け登山コースの大沼~黒檜山&駒ケ岳ルートでは、例年5月~6月は登山道にアカヤシオ群生地やレンゲツツジなどが色を添えます。

登山道は整備されていますが、やや岩場や勾配があるので、登山靴であれば楽しめます。その他周辺の山への縦走ルートや林道コースもあり、レベルに合わせて楽しめます。

小尾瀬と呼ばれる花咲く湿原・覚満淵

赤城山覚満淵のレンゲツツジ(見ごろは例年5月下旬~6月上旬)

③鳴神山[カッコソウの見頃:4月下旬~5月上旬]

鳴神山山頂の展望

群馬県桐生市にある鳴神山(なるかみやま)は、群馬県の自然環境保護地域に指定されている自然豊かな低山で、標高980mの山頂からは360度の大展望を楽しむことができます。

また、世界でここ周辺だけに生息するサクラソウ科の花「カッコソウ」の希少な保護区域としても有名。かつては群馬県や栃木県の多くの山で見られたそうですが、近年その生育域は極端に縮小し絶滅危惧種に指定されています。

山頂への登山ルートは約3時間半で登れることができるため、初心者の方にもおすすめの山です。

絶滅危惧種カッコソウ

アカヤシオ(見頃:4月下旬から5月上旬)咲く鳴神山

④尾瀬[ミズバショウの見頃:5月下旬~6月上旬]

ミズバショウ咲く尾瀬

福島県・群馬県・新潟県の3県にまたがり、日本百名山の至仏山(しぶつさん)・燧ケ岳(ひうちがたけ)などの2000m級の山々に囲まれた、東西12㎞南北9㎞に広がる本州最大の高層湿原。中でも尾瀬ヶ原は木道が敷かれ整備されており、気軽に大自然を楽しむことができる人気のスポットです。

尾瀬は尾瀬国定公園として、植生保護・環境保全の為に、期間・ルート・マナーなどが定められています。レベルやペースに合わせて様々なルートを選択できるので、何度も訪れたくなる関東では指折りの人気の場所といえるでしょう。

また、5月下旬から6月上旬は、広大な湿原エリアではミズバショウが咲く人気のシーズン。花に見える白い部分は実は葉が変化したものですが、この白いミズバショウの群生を求めて多くの人々がこの時期に尾瀬を訪れます。

尾瀬の木道

ミズバショウ

⑤丹沢[ツツジの見頃:5月下旬~6月上旬]

檜洞丸からのツツジと富士山

丹沢は神奈川県北西部に広がる、県の6分の1ほどの面積を占める大きな山塊となっています。南北20 km、東西40 kmの範囲には、神奈川県最高峰の蛭ヶ岳(1,673m)、丹沢山(1,567m)、檜洞丸(1,601m)など、1,500mを超える山々が9座も点在しています。

日本百名山に指定されているのは丹沢山。登山道は整備されていますが、往復約8時間30分ほどかかり、山小屋に宿泊し2日かけて登るのが一般的です。

春の季節にオススメなのは檜洞丸(ひのきぼらまる)。西丹沢の盟主として聳え、丹沢山塊の中では数少ない独立峰的な標高1,601mの山です。5月下旬から6月上旬には登山ルートにツツジが咲き誇り、約6時間で登頂可能なため日帰りでの山行も可能です。

植生豊かな丹沢

丹沢に咲くシロヤシオ

【信越エリア】春の登山・ハイキングにおすすめの山

⑥角田山[カタクリの見頃:3月下旬~4月上旬]

角田山カタクリの群生

角田山は新潟県の日本海沿いにある標高482mの山。山頂から望む越後平野、日本海、佐渡島の眺めは格別の絶景です!

また、「花の山」とも呼ばれるように、花咲く春の時期が人気の時期。雪解けとともに次々と山野草が山を彩ります。中でも3月下旬〜4月上旬に咲く、斜面一面を埋め尽くすカタクリの群生は圧巻です! 紫に染まる絶景を求め、多くの登山者がこの時期に訪れます。

なだらかな山容のなかに7つの登山コースがあり、各コース山頂までは1~2時間程度ですので初心者の方にもおすすめです。

カタクリの群生

角田山灯台コースから見る日本海

⑦佐渡島[トビシマカンゾウの見頃:5月中旬~6月上旬]

トビシマカンゾウが咲く大野亀周辺

新潟県の西にある佐渡島は自然豊かな観光地として人気の島です。

佐渡の花で有名なのは5月~6月に咲くトビシマカンゾウ。大野亀と呼ばれる奇岩の周辺には黄色い花で埋め尽くされます。

登山スポットとして有名なのは佐渡ドンデン高原。海抜900mではシラネアオイ、シャクナゲなどの高山植物をはじめユキワリソウやキクザキイチゲ・ザゼンソウなど各種の山野草が非常に多く自生する、「花の百名山」にも数えられる魅力の地です。

ドンデン高原

シラネアオイ(花の見ごろは例年5月中旬~6月上旬)

【中部・東海エリア】春の登山・ハイキングにおすすめの山

⑧天城山[アマギシャクナゲの見頃:5月上旬~6月中旬]

天城山・万ニ郎岳から万三郎岳方面

静岡県・伊豆半島中央部を横断する日本百名山の一つ天城山は、最高峰の万三郎岳(1,406m)や万二郎岳(1,299m)、遠笠山(1,197m)など、伊豆半島を東西に貫く天城連山のことをいいます。

大ヒット曲「天城越え」や、山麓の美しい水で栽培されるわさび田などで広く知られ、稜線付近から見る富士山と伊豆七島の素晴らしい絶景を楽しめます。

ブナやヒメシャラなどの原生林が広がるほか、5月から6月にかけては、「アマギシャクナゲ」と呼ばれる花が咲き乱れ、特にその群生地では、登山道沿いを濃いピンク色の花が埋め尽くして絶景となります。同じ時期、ヤマザクラやヤマツツジなどの花も見ごろとなり、まさに春にオススメの山の一つです。

アマギシャクナゲ

ミツバツツジ

⑨身延山[桜の見頃:3月下旬~4月上旬]

山梨県南巨摩郡身延町と早川町の境にあり、東に富士川、西に早川を見下ろす標高1153mの身延山。その身延山に日蓮宗総本山身延山久遠寺があります。古くから信仰の町として栄えてきた身延には、樹齢数百年を超える桜の名木が随所に点在しており、春の人気スポットです。

山頂にある久遠寺の奥の院まではロープウェイも通っていますが、中腹の久遠寺からの登山ルートも整備されています。東コースは途中まで舗装された登山道が中心で、西コースは未舗装の林道を歩きます。山頂付近からは富士山・富士川・身延の街を見渡す絶景が楽しめます。

身延山登山道から桜の景色

身延山からの富士山

⑩上高地[ニリンソウの見頃:5月中旬~6月上旬]

上高地・河童橋

日本屈指の山岳景勝地として、上高地は登山だけでなく観光地としても有名ですね。槍ヶ岳や穂高連峰などの北アルプスの登山口のひとつとしても知られています。上高地へのアクセスは乗り継ぎや移動距離が多いので、ツアーを利用するのが非常に便利です。

大正池~明神池周辺のエリアは気軽にハイキングができるスポット、梓川と周囲の山々が織りなす大自然のパノラマを楽しみましょう。

春~秋まで楽しめるエリアですが、5~6月の春はニリンソウが咲く時期。特に明神池より先の徳沢周辺では、ニリンソウが群生で咲き誇る様子がご覧いただけます。

ニリンソウ

ニリンソウの群生

⑪御在所岳[アカヤシオの見頃:4月下旬~5月上旬]

御在所岳 中道からの鎌ヶ岳

御在所岳(1,212m)は、鈴鹿山脈を代表する名峰で、日本二百名山・関西百名山・鈴鹿セブンマウンテンに指定されています。

冬はスキー場となるため、山の麓~山上公園~山頂までロープウェイ・リフトが通っていますので、レベルに合った登山・ハイキングを楽しむことが可能です。

御在所岳の代表の花はアカヤシオ、4月下旬~5月上旬に見頃を迎えます。同じ頃に咲くシロヤシオとともに、中腹から山上に多く分布しています。

アカヤシオ

花咲く登山道の様子

⑫藤原岳[フクジュソウの見頃:3月上旬~4月上旬]

藤原岳

鈴鹿山脈の北部に位置する標高1,144mの藤原岳は花の百名山、新・花の百名山にも選出される花の名所です。

中でも人気の花は藤原岳のシンボルでもある福寿草(フクジュソウ)。3月~4月上旬になると9合目付近に黄色い群生が顔を出します。

登山ルートは2つあり、どちらも5〜6時間で登頂可能ですので、日帰りの山行で楽しめます。

福寿草(フクジュソウ)

【関西エリア】春の登山・ハイキングにおすすめの山

⑬吉野山[桜の見頃:4月上旬~中旬]

今から約1300年前、修行のために多くの僧が訪れたともいわれる吉野山。奈良時代の僧、行基が修行したとも伝えられます。松尾芭蕉をはじめ、歌人にも愛されました。2004年7月には「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産にも登録されました。

吉野山といえばなんといっても千本桜とも称される山桜が有名です。4月上旬~4月中旬には、約3万本の桜が咲き乱れます。その多くが、白い花びらのシロヤマザクラ。新芽が赤く、遠くからみるとピンク色にも見えます。

歩かなくても桜は楽しめますが、スケールの大きな山桜を登山・ハイキングでも楽しめます。気持ち良い絶景を歩いて楽しんでみませんか?

山の辺の道(イメージ・例年の見頃は4月上旬)

【四国エリア】春の登山・ハイキングにおすすめの山

⑭石鎚山[ツツジの見頃:4月下旬~5月下旬]

アケボノツツジ

石鎚山は古くから山岳信仰の山として親しまれている愛媛県の日本百名山。富士山や白山、立山、大山などとともに日本七霊山のひとつに数えられています。

弥山山頂、中腹、麓には石鎚山を神体山とする神社があり、麓の石鎚神社本社、山頂の奥宮頂上社、中腹の成就社と土小屋遥拝殿の4社を合わせて「石鎚神社」と言います。

紅葉の時期も人気ですが、花咲く春もおすすめ! 4月下旬~5月下旬にかけて、アケボノツツジやミツバツツジ、イシヅチザクラ、シャクナゲが登山者の目を楽しませてくれます。特徴的な尖った岩山の山容とピンクのツツジの競演をお楽しみいただけるかもしれませんよ。

石鎚山

石鎚山からの眺望

【九州エリア】春の登山・ハイキングにおすすめの山

⑮高千穂峰[ミヤマキリシマの見頃:5月中旬~下旬]

高千穂峰のミヤマキリシマ

標高1574 mの高千穂峰は、宮崎県と鹿児島県の県境に位置する日本二百名山の一つです。

天照大神の孫であるニニギノミコト(瓊瓊杵尊)が、天孫降臨した山であるとされ、山頂にはニニギノミコトが降臨したときに峰に突き立てたとされる青銅製の天逆鉾が立っており、山岳信仰の対象にもなった名峰で、坂本龍馬が妻お龍が ”日本初の新婚旅行” で訪れた地としても有名です。

5月はミヤマキリシマの咲く人気の季節。ミヤマキリシマは九州の高山に自生するツツジで、霧島を訪れた植物学者・牧野富太郎が「深い山に咲く」という意味で「深山霧島」と名付けました。

高千穂峰

⑯九重連山[ミヤマキリシマの見頃:5月下旬~6月上旬]

九重山とミヤマキリシマ

九重と久住、どちらも「くじゅう」と読みますが、今では山群の総称を九重、主峰を久住と区別しています。久住連山の主峰ともいえる久住山は標高1786mで山頂から360度の展望が楽しめます。

また、九重連山の中腹には九州最高所1,303mにある歩いてしか行けない温泉・法華院温泉(ほっけいんおんせん)があり、山上にある湿原坊ガツルと標高1,786mの大船山を一望できます。

5月下旬から6月上旬にはミヤマキリシマが九重連山の山肌を一面ピンクに染め、この絶景を見に多くの登山者が訪れます。

ミヤマキリシマ咲く久重連山

久住山と御池

⑰屋久島[ヤクシマシャクナゲの見頃:5月中旬~6月上旬]

紀元杉

洋上アルプスと呼ばれる屋久島。島の約5分の1が世界自然遺産に登録されており、島の中央には九州最高峰の宮之浦岳(1936m)がそびえます。雨量が多く、標高差も大きいため、亜熱帯から冷温帯までの多種多様な植物の宝庫です。また、樹齢1000年を超える屋久杉が数多く自生していることでも知られています。

日本有数の登山・ハイキングスポットとして知られ、手つかずの大自然の中で気軽に楽しめるハイキングコースから、約10時間の宮之浦岳登山などレベルに合った山歩きを楽しめます。

5月から6月は屋久島の固有種・ヤクシマシャクナゲが咲く時期です。ヤクシマシャクナゲは1,000m以上の高山地帯に咲くシャクナゲの一種で、宮之浦岳へ行く登山道でもご覧いただくことができます。

宮之浦岳の遠景

ヤクシマシャクナゲ

ヤクシマシャクナゲ

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