「花カレンダー2021」をご覧いただき、「旬」に囲まれる和やかな1年をお過ごしいただければ幸いでございます。どうぞ、お楽しみください。
**更新情報(2021.8.27記)**
**西オーストラリアのワイルドフラワーシーズンである9~10月に、当記事にもご協力いただきました花スペシャリストの今日子さんに教えていただく「ワイルドフラワーオンラインツアー(講座)」の販売を開始し、催行決定いたしました!
「基本編(9/18(土)14:00~)」「より詳しく編(10/2(土)14:00~)」の全2回のシリーズです。詳細はこちらをご覧ください!下の記事もぜひお読みいただき、皆様のお申込みお待ちしております☆**
今回の舞台はオーストラリア… これ花なの??
「花カレンダー2021」1月の2回目は、「ユニークなフォルムがなんとも気になる!オーストラリアの花バンクシア」をお届けします。自然豊かなオーストラリアの中でも、左側の西オーストラリアには、珍しい花が多種咲き乱れる『ワイルドフラワーの宝庫』と言われています。
ワイルドフラワー観光の玄関口「パース」ってどんなところ?
オーストラリア第4の都市で、西オーストラリア州の州都。晴天率が高く、治安が良くて清潔で空気もきれい。夏はカラリと爽やか。青い空・緑の公園が広がる美しい街で、豊かな自然が人々を和ませます。また、周辺の豊かな大自然がもたらす美味しい食事にワインも楽しめる素敵な町です。
ワイルドフラワーって?
「ワイルドフラワー」とは『自生する野生の花々』の総称です。可憐な花を咲かせるもの、趣あふれるユニークな形をしたもの、群生してフラワーカーペットのように一面を染め上げるもの等、西オーストラリアでは12,000種ものワイルドフラワーが確認され、西オーストラリア州南西部の80%の植物は、現地でしか見ることができない固有種です。場所や時期、その年の降水量や天候状況により大きく影響されることから、今年は見られても次はいつ見られるか分からない希少な花も存在し、いつ訪れても新しい発見があるのもとても魅力です。特に多くの花が咲き誇る春になると、大地を彩る華やかなワイルドフラワーを観賞しようと世界中から多くの観光客が訪れます。
ワイルドフラワーを観に行くツアーも!
弊社では、特に花好きのお客様に、例年8〜9月頃「パースへワイルドフラワーを観に行くツアー」が大変人気です。特に2019年にANAが成田⇄パース線の直行便の就航を始めてからは更に気軽に行けるようになり注目度もとても高くなっておりました。(それまではシドニー等で乗り継いで行かなければならず乗り継ぎ時間を含めると20時間ほどかかっておりました。(シドニーからパースの国内線はなんと5時間、広い国ですね)直行便ですとたったの10時間で楽々と行けるようになり、私たちもとても嬉しかったのですが…)その直後のコロナ禍で、弊社のオーストラリアツアーは昨年の3月半ば以降中止に、そして現在ANA便も運休中…。
オーストラリアのワイルドフラワーずっと観に行きたくて、せっかくANAの直行便も飛ぶようになったし、去年の9月にツアーを申し込んでたのにコロナで中止になってしまって本当に残念だったわ。落ち着いたら、次こそ絶対に行きたい!
ちなみに、例年9月の1ヶ月間は、パース市内の大きな公園「キングスパーク」では、「ワイルドフラワーフェスティバル」が開催され、自生する花から植樹された花まで、ユニークなワイルドフラワーが集結する華やかな花の祭典があります。
花スペシャリストのオークリー今日子さん
当記事では、西オーストラリア在住の「花のスペシャリスト!オークリー今日子さん」に全面的にご協力いただき、沢山種類があるバンクシアの中から厳選したバンクシア のご紹介をしたいと思います。今日子さんは、オーストラリアで人気の植物約300種を、5年以上かけてこだわり抜いてまとめた花図鑑ガイドブック「ワイルドフラワー 西オーストラリア」を出版されていらっしゃり、その中から抜粋しご紹介させていただきます。
[プロフィール]日本の短期大学で教鞭を取った後、非営利団体にて教育事業に携わる。その後渡豪し、パースの旅行会社に勤務。ワイルドフラワーに特に興味を持ち、ガイドとして20年以上案内するかたわら、植物の知識を深めワイルドフラワーの研究を続けている。
「ワイルドフラワーとの出会いはまるで宝探しをしているようで、いつ行ってもワクワクします!未だに出会えていない憧れの花も。西オーストラリアの美しい花たちを、多くの日本の方たちに正確な情報でお伝えしたく、本書を作り上げました!ぜひいつか、見に来てください。」(今日子さん)
【御礼】
今日子さんには、当記事の画像・情報を提供いただきました!ありがとうございます♡
フォルムがユニークで気になる花「バンクシア」
オーストラリアを代表する植物のひとつで約200種あり、そのほとんどがオーストラリアに分布し、多くが西オーストラリア南西部に偏在しています。
●バンクシア属・ヤマモガシ科
●低木から30mの高さになる高木まで様々
バンクシアは、南アフリカ原産のプロテアの仲間です。これは、かつてアフリカ大陸とオーストラリア大陸が陸続きであった証拠で、その後、オーストラリア大陸は分離し、植生が独自の進化を遂げたのです。
ユニークな筒状の花は、なんとも個性的な表情を持ちフラワースパイク(花穂)と呼ばれます。小さな沢山の花で花序をつくり、全体の形は球形や円錐、円筒状となリます。蕾ができてから開花するまでに数カ月かかるので、その過程が楽しみな花です。花後はフラワースパイク(花穂)に果実ができますが、果実は非常に硬く、多くの種は山火事に遭って果実がはじけ種子が飛び発芽します。
昨年、長く続き多くの野生動物の命が犠牲となったオーストラリア東部の山火事は、日本でも報道されましたが、このように植物によっては「山火事により発芽する」ものも多く、「山火事の後に誕生する新たな植生は動物にとって貴重な食物供給源」でもあり、山火事が重要な役割を果たし、それがあってこそ自然界がうまく循環しているとも言えるのです。でもやっぱり、動物たちのことを想うと、いたたまれないですね…
何千もの花をつけて大きな円筒状のバンクシアは大量に蜜を生産するので、蜜を食料とする鳥類や昆虫類等の重要な食料となっています。西オーストラリア州南西部の先住民は花を水に浸してその甘い汁を吸ったりしていたそうです。
大きくて見栄えのするバンクシアはオーストラリアで人気の庭木です。それほど高木にならず蜜が多い為に鳥などの動物を引きつけるからです。
ちなみに、バンクシアという名前は、1770年に海洋探検家ジェームズ・クックの最初の航海中に、この植物を採集したイギリスの植物学者ジョゼフ・バンクス卿にちなんで付けられました。
いち早く咲き始める「エイコーン・バンクシア」
「オーストラリアのワイルドフラワーは8〜9月!(現地の春)」が一般的ではありますが、実は早くも咲き始めるワイルドフラワーもあるんです。その中のひとつがバンクシア。
ちょうどまもなく… 1月下旬〜2月に入る辺り、他に比べていち早く咲き始める「エイコーン・バンクシア 」からご紹介します。
パース近郊の人気観光地ピナクルズ周辺に咲く花で、満開になるのは2〜3月です。
その頃になると、パースの街中でもよく見かけます。配色もとてもきれいです✨
その他にも多数あります、ほんの一部をご紹介!
フッカーズ・バンクシア
上の「エイコーン・バンクシア 」に似ているが、比べると花全体がふっくらしていて葉は細い。
スカーレット・バンクシア
西オーストラリアの南部で見られる花です。
この紅白の配色が人気で、切り花でよく販売されています。
キングスパークでも咲かせているので、遠方に出かけなくても見ることができます。
テニスボール・バンクシア
テニスボールにそっくりでユニークな花。
パースより東方に咲く花ですが、こちらもキングスパークで咲かせています。
ファイヤーウッド・バンクシア
左画像が花、咲き始めは赤でやがて金色に変わります。右画像は果実が付いている様子(白っぽく見えるのが果実、その中に種子が入っている)。果実は人間は食せません。なんともユニークです。
プロストレイト・バンクシア
プロストレイトは、匍匐(ほふく)の意味。茎が伸びて地面をはう。
西オーストラリアの南部で見られます。
パロット・ブッシュ
パロット(インコ)が蜜や種子を好んで食べる、パース近郊の観光地ピナクルズ周辺でよく見られる植物。
画像左側は開花した様子、右側は開花前の様子。
よく「ヒイラギの葉に似てる」と言われます。
バンクシアとミツスイ
バンクシアは蜜を多くもち、ミツスイと呼ばれる鳥などをひきつけます。 これら媒体がとまってくれると、受粉され果実ができます。 鳥を媒体とする受粉は北半球では珍しく、それに適した形の動植物が南半球に多く存在します。
バンクシア が、観光客に人気の OOO に?
バンクシアの木材は、乾燥のときにひどく変形するのであまり使われる事はありませんが、 松ぼっくりのような果実の集合体は、「輪切りにしてコースターとして」「キャンドルホルダーやアロマポットとして」、海外からの観光客に人気のお土産物になっています。ひとつひとつ色形が異なる天然ものなので、お気に入りを探すのも楽しい!インテリアにも素敵ですね。
※このような工芸品の他、「松ぼっくりのような形の花」と、バンクシア はドライフラワー好きな方にもとても人気があります!
「これこれ!この「アロマポット」お土産でもらったことある。それで「これは何?」と聞いたのが、オーストラリアのワイルドフラワーに興味を持ったきっかけ。上の小さなキャップを外しそこにアロマオイルを垂らすと、穴から香りが優しく広がる優れものなのよ♡」
前線が南下してゆくワイルドフラワー街道
日本とは季節が逆になるオーストラリアでは、春の訪れは早いところで7月頃です。西オーストラリア州北部では7月上旬から花々が咲き乱れるシーズンに突入し、花の種類にもよりますが、ワイルドフラワー前線は12月中旬にかけて徐々に南下していいます。(まるで「北上して行く日本の桜前線」のよう。)観光で訪れる国立公園や移動途中の道端等、様々な場所で長期間にわたって、可憐で野性味あふれる花々の共演が楽しめます。
【おまけ】春に見られる、特に人気のある花も一部ご紹介!
おわりに
「花カレンダー2021」の2回目のブログとして、オーストラリアの「バンクシア」をご紹介いたしました。お花が大好きな皆様に、ユニークな固有の花々が見られる西オーストラリアへのツアーに、ご案内できる日が早く来ますように…。
8〜9月頃見頃を迎える沢山のワイルドフラワーは、またその頃ご紹介したいと思っております! それでは、次回の「旬のお花」もお楽しみください♪
【オーストラリア】おすすめ観光地・『ワイルドフラワー特集』もご覧ください
【好奇心で旅する海外】 テーマシリーズ公開中!
<花カレンダー2021> はじめから読みたい方はコチラ ↓
<芸術百華>
『イタリア芸術』
<歴史の時間>
『え~?これも三国志?!』
『謎多きエジプト大解剖!』
<世界遺産浪漫>
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