クレオパトラはエジプト人じゃない?!
世界三大美女にも数えられている言わずと知れた絶世の美女クレオパトラ。
エジプト王朝最後の女王として知られ、彼女の死後、国は衰退していったと言われています。
エジプトを代表する有名人ですが、彼女を含むプトレマイオス朝はマケドニア王国にルーツを持つギリシャ人であり、顔つきはギリシャ風であったと言われています。エジプトにおいてもローマにおいても熾烈な権力争いが繰り広げられた過酷な時代において、策を巡らせ強く立ち振る舞いながらも翻弄され続け、戦乱の中で生涯を終えました。
古代エジプトの時代は王は宗教上基本的に男性と決められていたため、古代エジプトの約3,000年の歴史の間に女性の支配者はたった6人程しかいないと言われています。その中の1人がクレオパトラです。
一般的にはクレオパトラと呼ばれていますが、正式な名前はクレオパトラ7世フィロパトルといいます。
黒いストレートヘアーが特徴的なエキゾチックな女性として描かれることが多いクレオパトラですが、一説によるとギリシャ系のクレオパトラは実はストレートヘア―でなく巻き毛だった可能性もあるそうです。巻き毛のクレオパトラ、、、ちょっと見たい気がします。
クレオパトラの鼻
「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史は変わっていただろう。」
この言葉を皆さんもどこかで聞いたことがありませんか。この言葉が私たちがクレオパトラを絶世の美女だと思う所以なのではないでしょうか。
フランスの思想家パスカルが著した「パンセ」の一節です。
クレオパトラがその美貌で、カエサルやアントニウスなどの名だたるローマの英雄たちを虜にしたことから記された言葉と言われています。
転じて、現代では「重要なことに大きな影響を及ぼす、ちょっとしたものごとのたとえ」とされています。
一説によると、クレオパトラは鼻が大きく、顎がとがっており、美人ではなかったという説も。。。カエサルやアントニウスはクレオパトラの知的な魅力に惚れたという見方もあるようです。
クレオパトラは美のカリスマだった?!
クレオパトラが描かれるとき、メイクをしているというイメージはありませんか?
アイシャドウやアイラインが黒や深い青で魅惑的な雰囲気ですよね!
当時のアイシャドウは、マラカイト(孔雀石)やラピスラズリ(青金石)などの鉱石を砕いた粉でできていました。
実は、このアイメイクには化粧の意味合いよりも、魔除けや眼病予防のためという目的が大きかったそうです。
古代エジプトでは、身体に穴が空いているところから悪魔が入り込んでくると考えられていました。
そのため、目のふちを濃い色にすることで魔除けとしたのです。また、エジプトの強い太陽光や虫、感染症などから目を守るためでもあったそうです。実際、女性だけでなく男性も同様のメイクをしていたと言われています。
また、メイクをしていた古代エジプト人ですが、同時に、ヘンナという植物の花の汁を使って爪を赤く染める習慣もありました。現代のマニキュアですね!
赤は太陽や血を表し、神聖なものとみなされていました。そして、濃い色は身分の高い者にしか許されていなかったのです。
マニキュアには古代エジプトの人々が死後の復活の願いを込めて、塗られていた説もあるようです。
実際、現代になって発掘されたミイラの爪や人骨が赤く染められていたことが分かり、用いられた朱色には水銀が使われており、防腐剤の効果があったことも分かっています。
メイクやマニキュアなどで自らを美しく見せながら、同時にクレオパトラは自分自身を磨くことも怠らなかったようです。彼女が用いた美容法は現在に通じるものがありますね。
女子力を高めるバラの香油や、美肌に良いハチミツ、牛乳などを入れたお風呂に浸かっていたわ!
生まれも育ちも最先端の街「アレクサンドリア」
さて、絶世の美女と謳われ自らも美の追求を怠らなかったクレオパトラは、どのようにして育ったのでしょうか。一緒に見ていきましょう!
当時の首都はエジプト北部、地中海に面したアレクサンドリアという街で、クレオパトラもこの街で生まれ育ちました。地中海に面していたこともあり、アレクサンドリアはエジプトにとって交易として重要な役割を持っていました。
加えて、アレクサンドリアは学問を重視した街であり、当時では珍しく一般階級の女性も学校に通い職業に就くことを推奨されていました。王女だったクレオパトラは最高峰のレベルの教育を受けていたと考えられます。
世界最高の学術機関であったアレキサンドリア図書館には文学、天文学、数学などあらゆる分野の書物が約70万冊も置かれており、アルキメデスやユークリッドといった世界でも有名な学者たちが訪れていたとも言われています。クレオパトラ自身もこの図書館に足繁く通い、知識を身につけていったと言われています。
1日を365日とする暦、現代のカレンダーはアレクサンドリアで作られたと言われています。
さらに医術も最先端であり、当時の壁画には手術道具であるメスやはさみ、ピンセットが描かれており、当時すでに外科手術が行われていたことも分かっています。
顔だけじゃない!知性あふれるクレオパトラ
そんな最先端の街で教養を身につけていったクレオパトラ、彼女が特にずば抜けた能力を発揮したのが「語学」でした。一説によると彼女は9ヵ国語を操り、国際都市アレクサンドリアに訪れる人々と通訳なしで会話ができたと言われています。さらに9ヵ国語を同時に聞き分けられたという、聖徳太子のような逸話も残っているそうです。
そして彼女が最も得意としたのが「演説」でした。王家の人間として演説は必須の学問ということで、クレオパトラも13歳から演説に必要な間の取り方、抑揚のつけ方といった様々な技法を学び、磨きをかけていきました。
さらに演説が上手かっただけではなく、クレオパトラは大変な美声の持ち主でもあったそうです。ある歴史書にはクレオパトラの演説と声について「弦楽器のように声色を使い分け話す内容を魅力的に伝えた。説得力があり言葉が針のように心をうった」と記されています。
知識、教養だけでなく、なんと美声までも兼ね備えたまさにスーパーウーマンだったのですね!
クレオパトラは父親の死後、18歳で女王に即位します。この頃のエジプトは問題が山積みで大変な時代でした。クレオパトラは持ち前の知性と教養を武器に様々な国の課題に取り組んでいきます。
中でも力を入れたのが、経済政策でした。
当時のエジプトは銅製のコインを使っていましたが、コインの価値は素材の質や重さで決められていました。しかし、その決め方により貴重な鉱物の流出が止まらず、国は頭を悩ませていました。そこでクレオパトラはコインに数字を意味する文字を刻み、コインの価値を刻んだ数字で表すような新たなコインを作成しました。現在の貨幣の起源と言われているコインの誕生です。ちなみにコインの表側にはクレオパトラの顔が描かれており、誰がコインを発行しているのかを民衆に知らしめたと言われています。
そしてエジプトが抱えていた問題の中で最も大きな問題と言われていたのが、ローマとの外交関係でした。当時、圧倒的な軍事力で領地を拡大していたローマはエジプトにとっても脅威の対象だったのです。
そこでクレオパトラは、ローマとの交渉に小麦を利用しました。世界有数の小麦の生産国であったエジプトにローマは小麦の大半を依存していたのです。
クレオパトラは命令書を出し、小麦などの穀物はすべてアレクサンドリアに送るよう指示を出しました。国内の小麦を一ヵ所にまとめ、ローマへの輸出も自らコントロールすることを提案。さらに、ローマを他国よりも優遇し、小麦を格安で売るよう命令しました。強国であるローマを敵に回さず、味方につけようと考えたのです。
クレオパトラは10代という若さで、国が抱えていた様々な問題を持ち前の知性と教養を武器に解決へと導いていったのですね。
サプライズ演出で英雄を虜に
国のため、民衆のために奔走していたクレオパトラでしたが、20歳の時に危機が訪れます。共に国を治めていた弟のプトレマイオス13世がクレオパトラをよく思わない家臣と共に彼女を国外へ追放してしまいます。国を追われたクレオパトラはシリアへと逃げ、放浪の旅をすることに。
そんな時、ローマの将軍にして時の権力者、ユリウス・カエサルがクレオパトラと弟の争いを仲裁しにアレキサンドリアにやって来ました。当時、小麦のほとんどをエジプトに頼っていたローマは、エジプト国内の混乱が小麦の安定供給に支障を及ぼすと考えたのでした。
クレオパトラはカエサルの支援を受けるため、弟に見つからないようにアレキサンドリアに舞い戻ります。ところが、カエサルに会うためには弟の監視をかわさなければいけません。
そこで、クレオパトラは絨毯(寝袋という説もあります)に隠れてカエサルのもとへ運ばせたのでした。サプライズともいえるクレオパトラの登場に感銘を受け、さらに彼女の知性と話術に惚れカエサルはクレオパトラを交易のパートナーに選んだと言われています。
クレオパトラの教養ある知性と話術にすっかり虜になったよ。後にカエサリオンという息子も生まれ、ローマとエジプトは強固な関係を築いていったんだ。
NEW 海外旅行がいよいよ再開!
エジプトに行くならどの観光地に一番行きたいですか??ぜひ投票にご参加ください!
おわりに
ローマとの関係を強めエジプトのために奔走するクレオパトラでしたが、パートナーであったカエサル亡き後は、カエサルと対立していた武将のアントニウスに味方し、エジプトの国力を強めようと尽力しました。ところが、アントニウスと対立していたオクタヴィアヌス軍に敗戦し、最期は毒蛇に自らを噛ませ死に至ったと言われています。
謎多き美女、クレオパトラの生涯は自分の愛する国を守ろうと奮闘した激動の人生だったんですね。
皆様、「謎多きエジプト大解剖!」第3回目はいかがでしたでしょうか?
「謎多きエジプト大解剖」全7回好評公開中!奥深きエジプトの世界をもっと知りたい方は是非ご覧ください!
他のシリーズの詳細はこちら☟
第1回「カオスなエジプト神話」
第2回「エジプトを豊かにするナイル川」
第4回「建築王ラムセス2世」
第5回「サッカラの階段ピラミッド」
第6回「ギザ三大ピラミッド」
第7回「ツタンカーメン王の謎」
【NEW】エジプトツアー販売再開しました!
11のピラミッドと11のエジプト神に出会う
<おひとり参加限定の旅>
11(いい)とこどりエジプト・ドーハ10日間
2022年よりエジプトツアーの販売を再開いたしました!
東京出発のエジプト特集はこちら☟
アブシンベル神殿の滞在にこだわりました!宿泊はナセル湖に停泊する船・ヌビアンシー号
悠久のエジプト8日間ツアーはこちら☟
スフィンクスの足元に特別入場!クレオパトラの故郷アレキサンドリアの観光付き
古代の浪漫を感じるエジプト10日間ツアーはこちら☟
名古屋出発ツアーはこちら☟
関西出発ツアーはこちら☟
これからツアーも増える予定です♪お楽しみに!
動画でエジプトの謎に迫る?!
古代4大文明の一つ、エジプト。
誰もが知るギザのピラミッド・スフィンクスの謎に迫った動画を公開中!
・ピラミッドの内部はどうなっている?
・ピラミッド建設をした労働者は好待遇?
・スフィンクスは2体あった?
世界の秘境・ミステリーを解き明かす『GRANDE FILE』シリーズをお楽しみください!
詳しくはこちらから!
※動画を視聴するには、クラブツーリズム・パスへの会員登録が必要となります
※Google Chromeでの視聴を推奨します
【好奇心で旅する海外】他のテーマシリーズも公開中
クラブツーリズムの好奇心で旅する海外!様々なテーマ別の旅をご紹介!
世界の芸術や歴史、鉄道、グルメなど新たな旅の魅力を見つけませんか?
<芸術百華>
『イタリア芸術』
<歴史の時間>
『え~?これも三国志?!』
『謎多きエジプト大解剖!』
『楽園のハワイの横顔・歴史旅』
<世界遺産浪漫>
『世界遺産〇〇5選』
<船旅チャンネル>
『欧羅巴リバークルーズ』
『もっと身近にダイヤモンド・プリンセス』
<癒しの空間>
『世界の風呂でととのう』
<海外の「味」物語>
『世界のカフェ歩き』
『世界のワインとグルメ旅』
『スタッフ厳選!世界のうまいもん』
<花咲くワールド>
『花カレンダー2021』
<夜空の物語>
『夜を美しくする〇〇シリーズ』
<来た来た!アニマル>
『キュン死注意!ふわふわモフモフ大集合』
<鉄旅チャンネル>
『世界の魅力的な鉄道』
<世界のホテルセレクション>
『世界の面白いホテルをのぞき見!』
<世界ぶらり街探訪>
『発見!知りたい世界の街散歩』
☟クリック!
その他にも、さまざまな情報発信中!
ご自宅から参加可能!旅の準備はこちらから!海外オンラインツアー・オンライン説明会
Twitterやってます!
海外旅行の最新情報を配信中♪
海外旅行の最新情報を配信するクラブツーリズムの公式Twitter公開中!
コロナ禍の海外現地情報や海外旅行の最新情報、観光地情報に加え、海外ツアー販売開始の際にはいち早くツアー発表をTwitterで配信しています!
ぜひフォローをお願いします。
クラブツーリズムから旅に関する最新の情報をお届け!
クラブツーリズムからメールマガジンをお届けしています。
多数あるツアーの中から厳選した、人気のツアーや限定ツアーの情報をご希望の方はメルマガ会員への登録をお願いします。
◎クラブツーリズムのWEB会員でない方はこちらから
◎クラブツーリズムのWEB会員だけれどもメルマガは受信していない方はこちらから
※既にインターネット会員の方も、配信設定を変更することでメールマガジンをお受け取りいただけます。ログイン後、メールマガジンの設定を変更ください。
クラブツーリズム 海外旅行ヨーロッパ方面 お問い合わせ先
【TEL】03-5323-6860
【メール】euro.yoyaku@club-tourism.co.jp
【住所】〒160-8308 東京都新宿区西新宿6-3-1新宿アイランドウイング
【電話営業時間】月曜~土曜9:15~17:30 日曜祝日:休業
【来店窓口営業時間】月曜~土曜9:30~17:00 日曜祝日:休業
※新型コロナウイルスの影響により一部営業時間の変更があります。詳細はこちらよりご確認ください。