皆様こんにちは!クラブツーリズムの海外担当です。
<花咲くワールド>というテーマで、海外のその月に見頃を迎えるお花や、開催される花フェスティバルなどを紹介しています。
1月より開始した<花咲くワールド>も2月2週目に突入!
4回目は色彩豊かな国モロッコに咲くアーモンドの花についてご紹介します♪

モロッコってどんな国?

まずは、モロッコがどんな国なのか簡単にご紹介します。
多くの方はモロッコと聞くと広大なサハラ砂漠をイメージするのではないでしょうか?

サハラ砂漠(お客様撮影:埼玉県在住 髙柳喜代次様の作品)

クラブツーリズム公式HPより抜粋

こんなに大きな砂漠のある国にお花が咲くなんてなかなかイメージしづらいですよね。
左の地図で見てみると分かりやすいですが、モロッコは海にも面しており、見どころは砂漠だけではありません!
アーモンドの花が見られるのは「カスバ街道」と呼ばれるエリアで、モロッコの伝統的な要塞であるカスバが多く残っている場所です。

見どころの多いモロッコですが、今回はカスバ街道エリアに絞ってご紹介します。
モロッコはSNS映えする場所が沢山あり、近年特に女性からの人気が高い国です♪

桜に似ている?!アーモンドの花

「アーモンドの花」と聞いて、どんな花なのかすぐに思い浮かぶ方は少ないかもしれません。
日本では食べるナッツのアーモンドが有名ですよね。
実はアーモンドは、日本人の大好きな桜のように小さく可憐な花を咲かせます♪

アーモンドの花(お客様撮影:埼玉県在住 番場修様の作品)

アーモンドは「バラ科サクラ属」の植物で、高さが5~6mほどになる落葉高木です。これを聞くと、桜に似ているというのも納得ですよね。
花の色は白とピンクで可愛らしいのが特徴!
例年早い地域だと1月下旬から咲き始め、遅いところだと2月いっぱいまで楽しめる景色です。
また早咲きは白、遅咲きはピンクの花が咲くと言われています。

アーモンドが栽培されるようになった背景

そもそも、何故モロッコでアーモンドの花が見られるのでしょうか。
その理由をご説明します。

アーモンドは湿気に弱く、また、比較的耐寒性のある木です。
花の開花には、木の休眠を打破するための定期的な寒さと暖かさが必要となります。
7.2℃未満で200時間~400時間の低温期を要することから、日本よりも湿度が低く、また日本のような四季が条件なのです。
また、日光も深く関係しており、アーモンドの花にはこの湿度・気温・日光の3つが重要なポイントとなります。

このことから、地中海の条件とマッチし、その経済利益見込みと土壌の固定、景観美化の観点から、
脆弱な生態系(山の土壌固定や食糧難を意味)にも大きな利益があると利害関係を認められ、モロッコでの栽培が始まったとされています。

モロッコ人にとってのアーモンドとは?

日本人からしたら桜に似た可愛い花であるアーモンドの花。
現地モロッコの人からしたら、どのような植物なのでしょうか?
実際に現地の方にインタビューしてみました!

アーモンドの花(画像提供:株式会社サラムモロッコ様)(イメージ)

アーモンドの花(画像提供:株式会社サラムモロッコ様)(イメージ)

モロッコでは、アーモンドの木はオリーブの木に次いで表面積を大きく占める木の一つです。
標高2,450mまでなら、モロッコの至る所で見ることができます。
アーモンドの花を見ると生きるエネルギーを感じます!
また、花が咲いている間は前向きな気持ちや、何か新しい事が始まるような気持ちになります!

モロッコ人にとって、アーモンドの花を見ることはリラックスに繋がるようで、日本人にとっての、「梅の花見」のような感覚に似ているそうです。
モロッコには四季があるので、2月の綺麗に花が咲く時期は、少し早い春を意味するのだとか…。
雪も降るモロッコでは、自分の故郷や町が冬の寒々しい景色からアーモンドの淡いピンク色に染まる様子を見ると、春の訪れを感じ、世界が色に満ちる感覚になるのだそう!
アッラーが今年も恵を導くような、そんな感覚にもなるようですよ♪

アーモンドの花にまつわる童話

アーモンドの花(お客様撮影:東京都在住 神林秀夫様の作品)

ここでひとつ、こぼれ話をさせていただきます。
モロッコには、アーモンドの花にまつわる有名な童話があります。
現地の人なら、子供から大人まで知っているお話しです!
簡単にご紹介します。

昔、ギランと言う男がいました。
その男は妻を2人持ち、その内の女の1人は都会育ちで、もう1人の女は田舎の出身者でした。
ある寒い冬の日、ギランは商売の為に砂漠へ行き、そこに自分のラクダと羊たちを連れて行きました。
ギランは田舎出の妻にはその厳しい旅の付き添いをさせ、都会育ちの妻は家に残って自分の愛するアーモンドの木を守るように言いました。
そして「季節の訪れを知らせる幸運のアーモンドの花が咲いたら、息子たちを通じて砂漠にいる自分のところへ直ちに知らせて欲しい」と伝えました。
アーモンドの花が咲くという事は、砂漠の厳しい環境で商売をせずとも、自分の家で慎ましく商いをして、愛する家族と穏やかに暮らせる季節の到来を意味していたからです。

しかし、いくら厳しい旅とは言え、選ばれなかった都会育ちの妻は、夫ともう1人の妻に嫉妬しました。
それから毎日毎日、アーモンドの木に温かいお湯を注ぎ続けました。
すると、普段よりも何ヶ月も早い季節に、アーモンドの花が咲いてしまったのです。
都会育ちの妻は息子たちにすぐさまそれを知らせて、夫に帰って来てもらように知らせを出しました。
しかし季節は極寒の冬。
夫は道中病に倒れ、羊やラクダ達は皆死んでしまいました。
ギランはそこで初めて都会育ちの妻の嫉妬を悟り、優劣をつけたことを後悔しましたが、その時にはなにもかも無くなってしまった後だったのです…。

つまりこのお話しは、一夫多妻は良いですが、優劣をつけちゃだめですよ!ということですね。
これが教訓となり、現代のモロッコでは田舎以外に一夫多妻は一応禁止になったとか…。
※所説あります。

カスバ街道の主要観光地

ブログの冒頭で、モロッコのカスバ街道と呼ばれるエリアでよくアーモンドの花が見られるとお伝えしました。
最後に少しそのカスバ街道について触れて、このブログを締めくくりたいと思います。

そもそも「カスバ」とは何でしょうか?
カスバはアラビア語で「城塞」を意味します。
主に日干しレンガで作られており、立方体の外観に四方にはそれぞれ塔が建てられた特徴的な姿をしていることが多いです。
アトラス山脈南側、砂漠の玄関口エラシディアから砂漠のオアシスと称されるワルザザートまで東西に約300キロを結ぶ、かつては交易に使われてきた道に多数点在しています。
この道がまさに「カスバ街道」です!
残念ながら廃墟になってしまったものもあれば、高級ホテルへと改装されたカスバもあります。

カスバ(イメージ)

カスバ(イメージ)

昭和にヒットした歌謡曲のタイトルにも入ってますよね!
(恥ずかしながら現地でご一緒したお客様から私はこの歌を教えてもらいました。。。)
あの歌謡曲で歌われる「カスバ」の舞台は、残念ながらモロッコではないようです。

ツアーでも情景豊かなこの道を走行しますが、ここではハイライトを2箇所ご紹介します!

①トドラ渓谷

アトラス山脈を流れるトドラ川が作り出した約40kmもの巨大渓谷です。
垂直に切り立った断崖は、一番高いところだと160mにも及びます!
乾燥した大地に突然現れ、滔々と流れる水の勢いはより力強さを感じさせるスポットです。

トドラ渓谷

トドラ渓谷

②アイトベンハッドゥ

点在するカスバの中でも、一番綺麗に残っているのがここ!
世界遺産にも登録されています。
近年では有名映画のロケ地としても何度も登場していますので、もしかしたら「その景色見たことがある!」という方も多いのではないでしょうか?
赤の大地と緑のオアシスのコントラストが写真映えする場所です♪

アイトベンハッドゥ

アイトベンハッドゥ

おわりに

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