海外旅行に行ったら見たい世界遺産。世界遺産マニア(1級取得)のスタッフが添乗エピソードなども交え、様々な世界遺産についてシリーズ発信する本シリーズ。第6回目は、クラブツーリズム海外が開設したTwitterアカウントにて、「行ってみたい世界遺産」を募集し、投票数の多かった世界遺産をランキング形式で5選、解説とともにお伝えします!(2021年12月24日更新)

行ってみたい世界遺産ランキング!5位から1位まで

第5位 国民からも愛される世界で1番美しいお墓「タージ・マハル」

タージ・マハル(インド)登録基準(ⅰ)

提供:世界遺産オンラインガイド
worldheritagesite.xyz

・インド北部アグラにある、インド・イスラム建築を代表する霊廟建築
・ムガル帝国5代皇帝シャー・ジャハーンが若くして亡くなった愛妻ムムターズ・マハルのために建設を命じた総白大理石づくりの霊廟

★実際に見たいポイントはここ!★

・遠くから:霊廟の左右にモスクと迎賓館が全く同じ構造で建てられており、敷地内が完全な左右対称になっている
・近くから:コーランの章句を表すアラビア文字や象嵌で描かれたアラベスク文様の外壁が精緻で大変美しい

シャー・ジャハーンは、タージ・マハルと対をなす黒大理石の廟を自身のために造り、橋でつなぐという計画を抱いていたそうですが、その夢は叶わず(それも見てみたかったですね)後継者問題により幽閉されたアグラ城(世界遺産)からタージ・マハルを眺めて晩年を過ごされました。死後は、タージ・マハルの地下に眠る王妃の棺の隣に安置されています。

シリーズ第3回目の投稿で「シドニーのオペラハウス」が、登録基準(ⅰ)のみで登録されている非常に稀有で素晴らしい遺産!という紹介をしましたが、このタージ・マハルも登録基準(ⅰ)のみで世界遺産に登録されているのです!

第4位 完成まであと少し!?「サグラダ・ファミリア贖罪聖堂」

いつ行っても建設中のサグラダ・ファミリア贖罪聖堂(スペイン)登録基準(ⅰ)(ⅱ)(ⅳ)

世界遺産の正式名称は「アントニ・ガウディの作品群」で、
1984年にまず以下の3件が世界遺産に登録され、
カサ・ミラ
グエル公園
グエル邸
2005年に以下4件が追加登録されました。
サグラダファミリア贖罪聖堂の一部完成している「誕生のファサード」と「地下聖堂」(写真の中央部分です)
カサ・ヴィセンス
カサ・バトリョ
コロニア・グエル聖堂の地下聖堂
サグラダファミリアだけとは言わず、ガウディ建築の斬新さを堪能できる他の作品も是非スペインに行ったら見ていただきたいです。

贖罪教会の名で示すように、建設費は入場料や個人の寄付でまかなわれています。
ガウディ没後100周年にあたる2026年の完成を目指しており、建築・修復が同時に行われている現在進行形の世界遺産です。しかしコロナウイルスの影響で昨年3月から工事中断等もありましたので、2026年に完成するかどうかは分かりませんが、完成した姿を見に行くのも楽しみですね。

第3位 海に浮かぶ神秘の修道院「モン・サン・ミシェル」

モン・サン・ミシェル(フランス共和国)登録基準(ⅱ)(ⅲ)(ⅵ)

提供:世界遺産オンラインガイド
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世界遺産の正式名称は、「モン・サン・ミシェルとその湾」です。
モン・サン・ミシェル湾の海岸から約5kmの位置に浮かぶ「聖なる山」は、この神秘さから、一度は行ってみたいと思う方が多い場所の一つです。

この地に住んでいた司教オベールの夢に、大天使ミカエルが現れ、岩山に聖堂を建てるよう告げました。オベールが聖堂を建てると津波が押し寄せ岩山は一夜にして島と化したという伝説が残っています。(フランス語でモン=山、サン・ミシェル=聖ミカエル)

この岩山に、修道院や付属する聖堂が建てられ、数世紀にわたって増改築を繰り返した結果、山の頂に鐘塔のそびえる姿になりました。

14世紀の百年戦争では、イングランド軍が近くまで迫ったため、修道院は閉鎖され城壁や塔が築かれ、修道院建築と要塞が融合した現在の姿が形成されました。

19世紀後半、モン・サン・ミシェルと対岸のアブランシュの街を結ぶ防波堤が築かれた結果、潮の流れが変わり、砂や泥がたまって岩山の周囲の海底が100年に3mも上昇してしまったため、国家事業として防波堤を撤去し、橋が建設されました。現在はこの橋を利用して修道院へ向かいます。

★おすすめは、モン・サン・ミシェルのエリアに宿泊し、夕暮れからライトアップまでの美しい時間の流れを感じていただくことです。

第2位 古代エジプト文明の象徴「ピラミッド」

メンフィスのピラミッド地帯(エジプト・アラブ共和国)登録基準(ⅰ)(ⅲ)(ⅵ)

死ぬまでに行ってみたいと言うコメントが多かったですが、私自身も本当にこの目で見られて良かった!!と思っている、是非行っていただきたい遺産です。

・紀元前2650~前2120年頃のエジプト古王国時代の王たちが造らせたピラミッド群。ピラミッドは3つだけではありません!約30のピラミッドやその他建造物が世界遺産に登録されています。
・建造当初は日干しレンガが材料でしたが、古王国時代第3王朝のジェセル王からは「不滅」の建材である石が使われ始めました。
・未だに「建造方法」については謎に包まれています。

エジプトの謎については、このブログで詳しく学べますので、是非こちらをご覧ください↓

第1位 謎の空中都市 マチュ・ピチュ

マチュ・ピチュ(ペルー共和国)登録基準(ⅰ)(ⅲ)(ⅶ)(ⅸ)

弊社スタッフ撮影

第1位はマチュ・ピチュ!!

遺産へのアクセスのしづらさや、謎に包まれている遺産であることなどから、死ぬまでにどんなものか見てみたいと、多くの人が憧れを抱く遺産です。

・標高2,400m以上の高地に築かれたマチュ・ピチュは、インカ帝国の都市遺跡で15世紀半ばに誕生したとされています。
・インカ帝国最後の皇帝アタワルパがスペイン人によって処刑され、神秘の謎に包まれた文明は終焉を迎えます。滅ぼされた帝国の末裔や残党が山中に「ビルカバンバ」という都市を築き、そこに金銀財宝が眠っているという噂がスペイン人の間に広まりましたが、それは見つかりませんでした。20世紀初め、アメリカの歴史学者ハイラム・ビンガムがクスコ調査中にマチュ・ピチュを発見し、幻のビルカバンバだ!と確信して、世界中に存在を紹介しました。
・その後の調査では、マチュ・ピチュではなく、インカ帝国最後の都市エスピリトゥパンパがビルカバンバとされています。

・とうもろこしやジャガイモなどの畑が開墾された跡があり、灌漑設備も整備され、(インカ帝国と言えば)車輪や製鉄技術持っていなかったにもかかわらず、花崗岩を切り取り、山頂まで運び上げており、文明度の高さを証明しています。

・その素晴らしい建築技術から、文化遺産では?と思った方は、かなり世界遺産への感度が高いですね、でも実は、マチュ・ピチュは絶滅の危機に瀕するアンデスイワドリやオセロットなどの生息区域でもあり、手付かずの自然が残されている自然遺産としての価値も非常に高いため、複合遺産として登録されています。

太陽の神殿と呼ばれる塔があるのですが、東側の窓が冬至の日の出の方角に面しているため暦を知るために作られたと考えられています。まさに天空の謎に包まれた遺跡。アンデス最後にして最大の文明である謎のインカ帝国を知る上で、貴重なこの遺産。絶対行ってみたいですね!

日本からマチュ・ピチュへの行き方としては、アメリカの主要空港を経由してペルーの首都リマへ入り、そこからペルー国内線でクスコへ行く方法が一般的です。クスコからマチュ・ピチュ村へ鉄道で行き、さらにシャトルバスに乗ってマチュ・ピチュ遺跡を目指します。クスコ(標高3,400m)で1泊するとマチュピチュ(標高2,445m)での身体的不安が減って万全の体調で遺産観光を楽しめますよ!

おわりに

行ってみたい世界遺産はたくさんありますが、今回の5選は、見応えが非常にたくさんある場所です。行ってみたい!から、深く知りたい!と思うことが世界遺産の学びの始まりになりますね。
たくさんのコメント、ありがとうございました。海外旅行が再開するまでは、行きたい場所リストを作って勉強を楽しみましょう!

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