世界を旅してみると、心も身体も温まり穏やかな気分になれる風呂があります。
今シリーズ、世界の風呂で「ととのう」では、日本にも負けない、一度は訪れたい世界の様々な国の風呂や風呂にまつわる文化をご紹介します。風呂を通じて心も身体も「ととのって」、その国の魅力や文化に興味を持ち、お出かけしたいなと思っていただくきっかけになれば幸いです。
今シリーズでの「ととのう」とは、世界の風呂に触れてリラックスすることで、心と身体が潤い、わくわくする気持ちになる、という意味で発信します。お風呂同様、リラックスしてご覧ください♪

はじめに

皆様、こんにちは!クラブツーリズムの海外担当です。世界の風呂に「ととのい」、その国を知る。
第5回目の今回は、アジアとヨーロッパの交差点と呼ばれるトルコをご紹介します♪
▼前回までの記事はこちらからどうぞ!世界各地の風呂をご紹介しています。

親日国家トルコ

私が添乗員としてトルコのツアーでご一緒したお客様に、なぜトルコに興味を持たれたのか尋ねたところ、「行ってみて良かったと友達に勧められたので」というお声を多く聞いていました。

行ってみて良かった、という口コミから、トルコに行ってみたいと思われるお客様が多く、体験することで改めて好きになる、それがトルコだと思います。

スケールの大きい絶景や、美味しい食べ物、また親日国とも言われるトルコの人々との触れ合いから、過ごしやすく思い出深い滞在となるのではないでしょうか!

今回はそんなトルコの風呂をご紹介します!

トルコってどんな国!?

まずはトルコがどんな国なのかを簡単にご紹介します。

アジアとヨーロッパにまたがるトルコは、東洋と西洋の文化が入り混じったアジアとヨーロッパの交差点として知られ、歴史豊かなイスタンブールはボスポラス海峡をはさみ、ヨーロッパ大陸とアジア大陸に分けられていて、両方の魅力が詰まっています。
奇岩が立ち並ぶカッパドキア、賑わいを見せるバザール、青いタイルが美しいブルーモスクなど、歴史的建造物の美しさや自然が作り出した絶景が数多く、親日家であるトルコの人々との優しさに触れながら、文化と自然を楽しむことができる人気の国です!

日本の約2倍の面積を誇るトルコ

アジアとヨーロッパの境界線ボスポラス海峡(イメージ)

ブルーモスク(イメージ)

カッパドキア(イメージ)

エフェソス(イメージ)

実は温泉大国なんです!

前回のブログでも少し触れましたが、モロッコと同様、トルコにもハマムが伝統的な文化として根付いています。
大衆浴場で蒸し風呂や垢すり、マッサージなど、憩いの場としてもハマムに親しんでいます。
トルコの人々もお風呂が好きなんですね~!

そんなトルコですが、実は温泉大国なのです!

地中海の火山帯にあるトルコは、日本と同様に良質の温泉に恵まれています。
トルコには474カ所もの温泉が湧いていて、世界の中でも豊かな温泉に恵まれた国のひとつなんです!

日本の約2倍の面積を誇るトルコ各地には温泉地が点在していますが、エーゲ海沿岸やエーゲ海から内陸に入った、トルコの中でも特に西側に多く見られます。
これまでは療養向けに温泉が利用されていましたが、現在では観光客の受け入れ体制を整備しているところも多く、トルコ人観光客も賑わいを見せています。

白く輝くパムッカレ

そんな温泉大国トルコでも、是非訪れたい温泉がパムッカレです!

トルコを代表する観光地でもあるパムッカレは、白く美しい石灰棚の光景で知られています。
「ヒエラポリスーパムッカレ」の名称で世界遺産にも登録されているこの場所では、日本とはまた違った雰囲気の温泉を堪能することが出来ます。

パムッカレの白く輝く石灰棚(イメージ)

この世界遺産ヒエラポリスーパムッカレでは、純白の棚田のような美しい景観の温泉だけではなく、2世紀頃のローマ帝国の遺跡がそのまま温泉になっていて歴史を感じる温泉と、なんと2つの方法で楽しめるという、ここでしかできない体験が楽しめる温泉なんです!

美しい石灰棚で足湯体験

トルコ西部の都市にある、パムッカレとはトルコ語で「綿の城」という意味で、この地が良質な綿の名産地であったことが由来となっているんですね!

青と白のコントラストが美しい石灰棚ですが、青に輝く水の正体は実は温泉なんです!

パムッカレの石灰棚(イメージ)

石灰岩に染み込んだ雨が炭酸水となって地下に溜まって温められ、数千年の年月をかけて地表に湧き出て温泉となりました。
この温水中から炭酸カルシウム(石灰)が沈殿し、純白の棚田のような景観が形成され、長い年月をかけて沈積してできた100以上もの石灰棚が広がっていて、全長4キロ、高さ200メートルの白く見事な景観を作っているのです。
昼間は空の色を反射して青く輝き、夕日の時間には幻想的なオレンジ色に染まる姿はどちらも美しいですね♪

パムッカレと夕日(イメージ)

古代ローマ時代から温泉保養地として使用されてきたこちらのスポットは、眺めるだけではなく入ることもできます。

景観保護のため、立ち入り禁止のエリアもありますが、靴を脱いで足湯を楽しみましょう!
足湯で入れるところは滑りやすくなっているので十分注意しましょう!

パムッカレの足湯体験(筆者撮影)

このパムッカレでの「ととのう」ポイントは、
足湯を楽しみながら、市街地の風景や白く美しい石灰棚の圧巻の光景を楽しんでください。
世界遺産で天然温泉を楽しむという、世界でも珍しく贅沢な体験ができます!

石灰棚から見渡す市街地(イメージ)

足湯を楽しんで足が濡れてしまうので、タオルは必ず持参しましょう。
また、手荷物を落として水浸しになってしまわないように、ビニール袋も用意しておくと便利です♪
パムッカレの源泉はちょっとずつ枯渇しているので、早く行きたいですね!

世にも珍しいアンティークプール

パムッカレの丘の上にはもう一つの見どころ、ローマ帝国の遺跡「ヒエラポリス遺跡」があります。
「聖なる都市」という意味をもつヒエラポリスは、紀元前190年頃にペルガモン王国として建設され、その後ローマ帝国に征服されてからは人々が集う場所として栄えました。

この遺跡内にある円形劇場、列柱、神殿跡、ローマ式の浴場などから、かつてこの地がローマ帝国の娯楽施設として賑わっていたことがうかがえます。

遺跡としての保存状態も良いのが特徴的で、特に一番保存状態がよく有名な円形劇場は遺跡全体を見渡す事が出来ます。

円形劇場(イメージ)

また、大衆浴場も人々から親しまれており、温泉保養地としても繁栄しました。
世界遺産ヒエラポリスーパムッカレの遺跡の中央部には大きな広場があり、その周辺に博物館やカフェなど観光客向けの施設がありますが、この広場の中に、現在でも温泉保養地としての名残を見ることができます。それがこの世界遺産のもうひとつの見どころの温泉、アンティークプールと呼ばれる温泉施設です。

アンティークプール(筆者撮影)

この温泉の驚くべき特徴は、本物の遺跡の大理石や石柱がゴロゴロと温泉に沈んでいる世界でも珍しい露天風呂でなんです!
微炭酸の美人湯としてかつてあのクレオパトラも立ち寄った湯と言われていて、透明度が高く、源泉からは炭酸の泡が湧き出る様子がしっかり確認出来ます。

温泉のお湯は源泉に近ければ近いほど神秘的な青い色に輝いています。
源泉は深さ4mから涌出する炭酸泉で温度は約35度程です。ゆっくり浸かっていられる温度ですね♪

温泉の成分は炭酸水素塩、二酸化炭素成分、カリウム、マグネシウム、ナトリウムなどが豊富で皮膚や関節炎、腰痛や冷え性に高い効果があります。
源泉近くからパイプを使って引き出し、飲泉水としても糖尿・貧血に効果があると言われています。

このアンティークプールに入浴するには別途入場料が必要になります。
アンティークプールは見学だけだったら温泉の入場料は不要(遺跡に入場料だけ)で、木々に囲まれた石材や柱などの遺跡が残る温泉露天風呂を自由に見学することができます♪

遺跡がゴロゴロと沈んでいるアンティークプール(筆者撮影)

ヒエラポリス遺跡の温泉には水着を着用して今でも入浴することができるんです!

アンティークプールに入浴するには別途入場料が必要になります。
ロッカーやシャワールームが併設されており、そこで水着に着替えて入浴します。

プールの中央部はかなり広く、深さは大体1メートルくらいですが、場所によっては2メートルくらいになるところも!広い温泉内には打たせ湯のようなところがあったりと、好きな場所で温泉を楽しめて、大体35度くらいのお湯は源泉が近いと少し上がって38度くらいに感じます。
またお湯の特徴としては炭酸の泡が湧き出て全身が気泡で覆われるくらい!

アンティークプールでの入浴(イメージ)

このアンティークプールの温泉は、パムッカレを生み出した源泉のひとつです。パムッカレの石灰棚は、石灰と炭酸を多く含む温泉が、地表で炭酸が抜けることにより、その結果として炭酸カルシウムが沈殿して形成されたものです。この地で楽しめる2つの温泉はこういった繋がりもあるんですね!

口コミで人気のトルコの中でも、世界遺産で楽しめる2つの温泉があるヒエラポリスーパムッカレは「ととのう」要素満載ですね!

おわりに

第5回目の、世界の風呂で「ととのう」ご覧いただきありがとうございます。
自然が造り出した景観と歴史を感じる中で楽しめる風呂、トルコを代表する文化には「ととのう」要素が詰まってますね!
次回のブログは3月下旬を予定しています!是非ご覧ください!

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