第7回目の船旅チャンネルでは、今の季節にぴったりのチューリップクルーズをご紹介します。チューリップと同様、子どもの頃から知る身近な花の一つで、春の訪れを感じさせてくれますよね。
近頃は庭先や公園、駅前の花壇等でも咲いているので、よく目にされることと思います。(お住まいの地域によりますが!)
今回は、そんな馴染み深いチューリップの本場、あの国を訪れる春季限定のチューリップクルーズの旅へご案内します!

まずは、今回の主役チューリップについて詳しくご紹介!

春季限定チューリップクルーズとは?

チューリップクルーズ?!
チューリップって聞くと、真っ先に「オランダ」が頭に浮かんでくるわ〜
でもオランダって「川」より「運河」のイメージが強くて、有名な川って何だっけ?

確かに、「運河」のイメージを持つ方も多いと思います!けれども、オランダは「父なる川」とも呼ばれる「◯◯◯川」が流れ、その◯◯◯川からいくつもの支流や運河をたどって北海へと注がれていくので、◯◯◯川は重要な河川ですよ!

さて、◯◯◯川とは?下記よりお選びください

えーっと
ライン川!?

大正解です!
ライン川は、全長約1233km(東京から秋田間を往復する程度の距離!)、ヨーロッパ6ヵ国(①スイス、②リヒテンシュタイン、③オーストリア、④ドイツ、⑤フランス、⑥オランダ)を流れ、北海へと続くヨーロッパを代表する河川の一つです。
特にオランダに入ってからは、多くの支流(ワール川、ネーデルライン川、レク川等)、運河へ分岐するのです。

ライン川もすごく長いのね!あと、運河についても知りたいな!

では、本題のチューリップクルーズに入る前に、簡単に「運河」についてもご案内しますね。
そもそも、「運河」とは、灌漑や排水等のために造られた人工的な水路のことです。
では、なぜオランダには運河が多いのでしょうか。
実はオランダの国土の約4分の1が海抜0m以下という過酷な土地であり、何世紀もの間、水害が起きていたのです。そのためオランダにとって運河を造り、水害対策を整備することは人々の暮らしを守るため、国の発展上、必要不可欠であったのです。
ところで、日本では一般的にオランダといいますが、正式国名は「ネーデルランド王国」といい、ネーデルランドの意味は「低い土地」。海より低い土地を干拓して国土を広げたオランダの歴史は、「世界は神が作ったが、オランダはオランダ人が作った」という言葉が残されているのです。

そうだったんだ!
オランダの運河とチューリップクルーズについて、もっと知りたくなってきたわ!

ヨーロッパ広域図でみると・・・▼赤枠部分です

地図提供 ⒸICM International Cruise Marketing Ltd

チューリップクルーズとは?
運航時期
毎年3月下旬〜5月上旬頃
航路と寄港地観光
多くの船会社がオランダ・アムステルダム発着での運航となり、泊数は3泊〜1週間程度と多数の航路の設定がございます。代表的な航路をご紹介しますと、
(例)3泊4日航路の行程
アムステルダム乗船〜ロッテルダム寄港〜アントワープ下船
(例)7泊8日航路の行程
アムステルダム乗船〜アーネム寄港〜ミッデルブルグ寄港〜ゲント寄港〜アントワープ寄港〜ロッテルダム寄港〜アムステルダム下船
各寄港地ではチューリップ畑の訪問やオランダらしい風車の景色、美術館鑑賞等観光もお楽しみいただけます。

今回ご紹介する▼7泊8日の航路マップ
(アムステルダム発着)

地図提供©️Lueftner cruises

各寄港地の魅力、観光地をまとめてご紹介します!

アーネム

ライン川の支流、ネーデルライン川沿いにあるアーネムは9世紀から続く古都です。
自然や歴史がお好きな方は、アーネム野外博物館ツアーがおすすめです。広大な敷地の中に、農家や民家、風車等オランダの地方別に再現され、人々の暮らしや歴史について知ることができます。
美術がお好きな方は、オランダ最大級の国立公園デ・ホーヘ・フェルウェがあり、公園内にあるクレラー・ミュラー美術館見学がおすすめです。クレラー・ミュラー美術館は、世界有数のゴッホコレクションを誇り、前回の欧羅巴リバークルーズ(ローヌ・ソーヌ川)でご紹介した『夜のカフェテラス』をはじめ、『アルルの跳ね橋』『糸杉』『ひまわり』『自画像』の他、ミレー、セザンヌら印象派を代表する画家たちの作品も所蔵されています。

クレラー・ミュラー美術館(イメージ)

Introductory film Kröller Müller Museum (English)

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ミデルブルグ

ミデルブルグは、7世紀のオランダ黄金時代に東インド会社の貿易港として栄えた街。街はコンパクトで、市庁舎やマルクト広場、大修道院、総合複合施設クローヴェニアスドゥーレン等、見どころが集中しているので、気ままに自由散策もおすすめです。
少し足を延ばして、オランダが誇る世界屈指の治水技術が活かされたデルタワークス、大堤防(またはデルタ・エキスポ)見学ツアーも興味深いです。
尚、各船会社によって、オプショナルツアーの設定、内容は変わりますので、予めご了承ください。

ミデルブルグの市庁舎(イメージ)

ミデルブルグの街並み(イメージ)

ゲント

東フランドル地方の中心都市ゲントでは、レイエ川沿いの散策がおすすめです。ギルドハウスとよばれる、中世ヨーロッパの時代に繁栄した商人たちの装飾豪華な建築物が並んでいます。まさに権力者たちの富と力を象徴するものです。聖ミヒエル橋に立ち、両岸に建ち並ぶギルドハウスの景観をぜひご堪能ください。
また、美術品や絵画好きの方は、「ゲントの至宝」「15世紀フランドル絵画の最高傑作」といわれる『神秘の子羊』が収蔵されている聖バーフ大聖堂も必訪の価値がございます。

ゲントの街並み(イメージ)

Ghent, a city to love

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聖バーフ大聖堂(イメージ)

アントワープ

ベルギー第2の都市アントワープはスヘルデ川の河口にある港町で、15世紀後半から交易の中心地として隆盛を極め、今もその華やかさ、豊かさを感じられる美しい街並みです。ヨーロッパ最大級の港、ダイヤモンド、名作『フランダースの犬』の舞台として登場したノートルダム大聖堂、ルーベンスの祭壇画、世界遺産登録の歴史ある建築物等、見どころが非常に多く、筆者の個人的な意見ですが、グロート・マルクトから眺める街並みは、見飽きることのない、時間を忘れてしまうほどの圧倒的な雰囲気を感じました。
アントワープの寄港時間にもよりますが、足を延ばして、ブリュッセル観光と組み合わせることも可能です。

アントワープの街並み(イメージ)

アントワープの街並み(イメージ)

ロッテルダム

今回の旅のハイライト観光であるキューケンホフ公園へご案内します。
約700万株ものチューリップやヒヤシンス、アイリス等、彩り鮮やかな球根花たちが、丹精込められて育ち、咲き誇っているのです。
また園内には、オランダのシンボルともいえる「風車」もありますので、ぜひチューリップと風車の風景や写真撮影もお楽しみ下さい。
年々によって、開園期間が多少前後しますので、予めご了承ください。
今は現地を訪れられないため、キューケンホフ公園公式YouTube より、直近に公開された2つの動画をご紹介します。まさに、今見頃を迎えた状態ですね!

Keukenhof Spring Series part 2 | Keukenhof 2021

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3月30日に公開

Keukenhof Spring Series part 3 | Keukenhof 2021

youtu.be

4月6日に公開

キンデルダイク

ロッテルダム寄港の前後に訪れるキンデルダイク郊外には、1740年頃に造られた風車が現在も19基残っており、1997年世界遺産に登録されました。この風車群の景色は、オランダを訪れたら誰もが目にする景色の一つだといえます。
そして実は、風車も水害対策のため、湧き出る水を揚水する目的で作られたのです。
オランダ人の知恵が込められて造られた風車だと考えると、何気ない風車や景色もまた特別に感じられます。

キンデルダイクの風車(イメージ)

※風車は夏の間(7〜8月)の稼働のため、チューリップクルーズの運航時期には、動く風車はご覧いただけませんので、予めご了承ください。

チューリップクルーズ紹介動画です!旅気分をどうぞ♪

Cruise with AMADEUS – Tulip Serenade

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今回ご紹介したオランダ・ベルギーの観光地は、陸路(周遊バス等)ツアーでもご案内するところばかりです。
そこをあえて、リバークルーズの旅としてお勧めしたい点は、人々の生活を間近に感じられる点です。オランダの地形や歴史、運河や人々の暮らし等、一括りに〈オランダ全てを〉とはいえませんが、河川や運河に浮かぶ船からの目線で体感する景色というのは、単に陸路と比べるとひと味もふた味も違って見えると思っております。
オランダでは、場所によっては運河が道路よりも高い位置にあるので、車から見上げる位置に船が航行している...なんて光景もあるのです(イメージしていただけるでしょうか...)。まさにリバークルーズだからこそ、味わえる景色、体験があるのです。
そして筆者が思うリバークルーズの良さを改めて3つ挙げますと、
①船と街が近いこと。
②その日その時の体調や気分を極力優先しやすいこと。
③連泊なので、移動、荷物、身体への負担が少ないこと。
総じて、リバークルーズは快適な旅のスタイルだとお伝えしたいです。

海外旅行が再開しましたら、このブログを読んでくださった皆様にご満足いただけるような、丹精込めたリバークルーズのツアーを造成してまいります。

今回のチューリップクルーズのご紹介はいかがでしたか?
次回の船旅チャンネルでは、河川からいよいよ大海原へ!日本生まれの大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」のご紹介を4月中旬頃に予定しております!

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欧羅巴リバークルーズ 過去の記事はこちらです

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