海外旅行に行ったら、その国の空気を存分に味わうために自由に街歩きをしたい!という方も多いはず。

そんな皆様に旅行会社スタッフが厳選した街歩きのおすすめスポットをご紹介するシリーズ、「発見!知りたい世界の街散歩」、第11回目はカナダのケベックをご紹介します。

「発見!知りたい世界の街散歩」シリーズ これまでにご紹介の街はこちら

北米最古の歴史を持つ城壁都市「ケベック」とは

フランスとの関係性について

今回ご紹介するケベックは北米の中で最も古い歴史を持つと言われています。その歴史は17世紀初めにフランス人によって築かれる事になります。今でもケベックはカナダで唯一フランス語が公用語の州であり、独自のフランス文化が根強く残っています。ケベックを理解するにあたっては、その時の歴史について知ることが大切です。

ケベックの市内を歩くとカナダ国旗以外に青い国旗をよく目にします。これはケベック州の旗で、青地の白十字にユリの紋章が描かれています。ユリの紋章は元々フランス国家の紋章が由来となっています。(提供:Destination Québec cité)

なぜヨーロッパ人はカナダを目指したのか

ここでそもそもなぜ、ヨーロッパ人はカナダの地へ来たのかについて解説します。
当時のヨーロッパは大航海時代で新たな大陸を目指していた時期。実はカナダで獲れるあるものがヨーロッパで人気でした。

それが「ビーバーの毛皮」です。
特にビーバーの毛皮から作られた帽子は「ビーバー・ハット」と呼ばれ、当時のヨーロッパで大流行していました。かの有名なナポレオンは120個ものビーバー・ハットを持っていた逸話があるのですが、貴族はビーバー・ハットを持っていることがステータスだった時代があるのです。

カナダの歴史を動かすきっかけにもなったビーバーはカナダの「国獣(こくじゅう・国を象徴する動物)」にも指定されています。(日本にとってのキジ、オーストラリアにとってのカンガルーですね)

カナダを代表するアパレルブランド「ROOTS」のロゴもビーバー。色々なところでビーバーの名前がつくお店を見る事でしょう。(スタッフ撮影写真/イメージ)

“ヌーベルフランス”のはじまりとおわり

そんなカナダを植民地化したのがフランスでした。探検家のサミュエル・ド・シャンプランがケベックシティを築き、ここがフランスのカナダ植民地における最大の街へと発展していきます。

彼らはこの地をヌーベルフランス(=新しいフランス)と呼び、多くのフランス市民がこの地へ来ます。

その後、イギリスがカナダにも進出。とうとうフランスとケベックで衝突する事になります。

1759年ケベックのアブラハム平原でフランスが大敗し、その後のカナダはイギリス領として歴史を刻んでいくことになります。

ここで敗れたものの、ケベックにはフランスの文化が今も根強く残っているのは興味深いことだと思います。

弊社カナダ担当

当時、フランス人が先住民に「ここはどこ?」と聞いた時に、「カナタ(先住民の言葉で村の意味)」と先住民が伝えたことで、ケベック周辺が「カナダ」と地図上で表記されるようになった事が国名の由来です

街の象徴的な存在「フェアモント・シャトー・フロンテナック」

ケベックにはひと際目を引くお城のような建物があります。

実際はお城ではなくホテルで、お城として使われていた過去はありません。

このホテルは旧市街のシンボル的な存在であり、ケベックの街並みを彩り、見守る存在でもあります。

旧市街のどこにいても目印になるのは、この古城風ホテルです。(提供:Destination Québec cité)

弊社カナダ担当

こちらのホテルに宿泊するツアーも大変人気です。フェアモント系ホテルの魅力に迫ったブログもございますので、時間がある時にこちらもご覧ください

旧市街が1985年 ユネスコ世界遺産に登録

ケベックは、大きく分けて、旧市街と新市街に分かれます。

見所は旧市街になり、1985年にユネスコの世界遺産として登録されており、「旧市街の歴史地区」と呼ばれます。

そしてこの旧市街は、アッパー・タウンとロウワー・タウンに区別されているので、それぞれの魅力を紹介していきます。

旧市街お散歩コース①「アッパー・タウン」

一歩新市街から旧市街に入れば、そこはまさに中世のヨーロッパの雰囲気に包まれます。

それぞれの門は新市街との境界線にあたります。

先ほど紹介した「フェアモント・シャトーフロンテナック」を含むエリアになり、石畳の道を歩きながらケベックの歴史も感じられます。

ここでは主なみどころ・散策ルートの一例をご紹介します。

ダルム広場~フェアモント・シャトー・フロンテナック~トレゾール通り~ノートルダム大聖堂~モンモラシー公園~サン・ジャン通り~砲兵公園~サン・ルイ通り~シタデル

旧市街の中心「ダルム広場」広場の中央に建つのが、カナダを見つけたフランス人探検家・サミュエル・ド・シャンプレイン。(提供:Pixabay)

サンジャン通りに通じる「サンジャン門」(提供:Destination Québec cité)

フランス人探検家サミュエル・ド・シャンプレインによって17世紀半ばに建設されたノートルダム大聖堂。(提供:Pixabay)

星型の要塞シタデルはカナダ最大の要塞。かつてフランス軍がイギリス軍に大敗した部隊です。(提供:Destination Québec cité)

街に散りばめられた“メッセージ”

ケベックを散策してるとあるフランス語をよく目にすることに気づくかもしれません。

それが「je me souviens」です。フランス語で「わたしは忘れない」という意味なんです。

これはこのケベックが歩んできた苦難の記憶のみならず、現在も未来もカナダ唯一のフランス人の州である誇りを忘れない…ということを意味しています。

看板、プレート、紋章…この言葉を探しながら街を歩くのも、きっと趣があることでしょう。

(提供:Pixabay)

旧市街お散歩コース②「ロウアー・タウン」

首折り階段を下りると、ロウアー・タウンが始まります。

こちらの方が路地が狭くてかわいいショップやおしゃれなカフェ、アートギャラリーが立ち並んでいます。

特にプチシャンプラン通りをゆっくり散歩してみるのがおススメです。またこちらも散策ルートの一例をご紹介します。

首折り階段~プチシャンプラン通り~パリ広場~ロワイヤル広場

かつては現在以上に急角度な階段だったらしく「首折り階段」と呼ばれました。いまはとてもおしゃれな階段です。(提供:Destination Québec cité)

プチシャンプラン通りにはショップ、カフェ、レストランが並んでいます。奥に見えるのは「フニキュラー」と呼ばれるケーブルカーです。アッパー・タウンとロウワ―・タウンを結んでいます。(提供:Pixabay)

ロワイヤル広場には勝利のノートルダム教会とかつて「太陽王」と呼ばれたフランス国王ルイ14世の胸像があります。(提供:Destination Québec cité)

ロウワー・タウンからはフェアモント・シャトー・フロンテナックを見上げるようになります。(提供:Destination Québec cité)

ケベックも紅葉に染まる秋のシーズン

ケベックは紅葉で有名なメープル街道に位置しています

メープル街道とは、北はケベック州のケベック・シティから、南はオンタリオ州のナイアガラまで、全長約800kmに及ぶルートはメープル(カエデ)の木が多く群生し秋になると一斉に紅葉することから、日本では「メープル街道」の名で親しまれています。

見頃は前後しますが、例年10月上旬ごろが見頃になります。

弊社カナダ担当

紅葉のシーズンもケベックは人気のエリアです。ケベックを気に入った方は、是非カナダのツアー選びで、「ケベック」にご案内するツアーを探してみてくださいね。

紅葉の時期も写真映えするおすすめの時期です。(提供:Destination Québec cité)

石畳と紅葉のコントラストも美しいです。(提供:Destination Québec cité)

まとめ

弊社カナダ担当

最後までお読みいただきありがとうございました。カナダには素敵な都市が沢山ありますが、今回はまさにヨーロッパ風の街並みが美しい「ケベック」を紹介させていただきました。独特の雰囲気や背景を知ったうえでこの街を訪れれば、さらに楽しみは広がるはずです。ぜひ現地で体感してきてください!

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