今年(2025年)は、ウィーン・フィルとベルリン・フィルが同時期に来日するため、ウィーンとベルリンへご案内するツアーを企画いたしました。
音楽界の両雄の素晴らしい演奏を、日本にいながら聴くことはできるのですが、両オーケストラが最高のパフォーマンスを実現させるために、使用する楽器やその奏法などにこだわり続け、独自の
「音」を形成するに至った拠点ホールで、至福の音楽体験をしてみてはいかがでしょう♪
オーケストラを育んでいるウィーンとベルリンの聴衆と共に鑑賞できることも、旅ならではの楽しみになります。

ベルリン・フィルウィーン・フィル

昨今、毎年海外から数多くの著名オーケストラが来日し、日本にいながら世界的高水準の演奏を聴くことができるようになりました。この秋には、ベルリン・フィルウィーン・フィルが再び来日します。
ツアーで鑑賞するプログラムは、両オーケストラが会場として必ず選択するサントリーホールで演奏されます。
カラヤンの助言によりベルリン・フィルの拠点であるフィルハーモニーをモデルに、舞台を客席が取り囲むことで、より臨場感あふれる音楽体験ができる、ヴィンヤード(ワイン用ぶどう畑)型を日本で初めて採用されたホールです。

ヴィンヤード型ホールシューボックス型ホール

今ではヴィンヤード型が世界の主流になり、伝統的なシューボックス(靴箱)型ホールで今でも存在を誇示できているのは、ウィーン・フィルの拠点・楽友協会ホール(1870年)、コンセルトヘボウ管弦楽団の拠点・コンセルトヘボウ(1888年)、ボストン交響楽団の拠点・シンフォニーホール(1900年)くらいなので、ヴィンヤード型であるサントリーホールでの演奏に違和感を覚える聴衆はむしろ少ないのかもしれません。
カラヤンは1988年、ベルリン・フィルを率いて来日し、自ら建設に関わったサントリーホールでの演奏後に「まるで音の宝石箱のようだ」と賞賛した話は有名ですが、誰よりもカラヤン自身がフィルハーモニーでの演奏との大きな違いを認識していたかもしれません。

ベルリン・フィルが戦前まで演奏していたのは、シューボックス型だった旧フィルハーモニーです。戦後世界最高のオーケストラに相応しいコンサート・ホールを建設しようという機運が高まり、1963年、「人・空間・音楽の新しい関係」というコンセプトで、舞台を四方から観客席で取り囲むという斬新な設計によるヴィンヤード型が完成しました。

10月15日の柿落とし公演では、終身指揮者カラヤンが、ベートーヴェンの「第九」を指揮しました。
拠点が近代的なホールに変わったことで、カラヤン以前と以後ではベルリン・フィルの「音」そのものが変わったと評されています。それは音色や奏法など、オーケストラの持つ特性が、拠点ホールによって形成されているためです。
ベルリン・フィルが出す他に類を見ない爆発的な音量もまた、このホールの巨大な空間が生み出したものです。
構造的にホール全体に音が響き渡るように、客席を18のブロックに分けて仕切ったり、舞台の上に10枚の反響板を吊したり、壁に木製の反響材を使用したり、様々な工夫が施されたことで、舞台横、後方の席でも音響面で劣ることはありません。

また1992年には音響効果をさらに高めるための大規模な修復工事が行われ、満席時の残響が理想的な1.9~2秒になりました。
何より世界中の多くのホールが、このフィルハーモニーをモデルに建設されているという事実が、このホールがいかに優れているかという証でしょう。

当然のことながらヴィンヤード型とは対照的なシューボックス型の楽友協会ホールの響きは異なります。
ウィーン・フィルの拠点であるこのホールは、1870年、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世による新都市計画の一環としてルネサンス様式で建てられた伝統的なシューボックス型です。幅19.1m、奥行き48.8m、高さ17.75mの長方形で、幅が狭い上に幅と天井の高さがほぼ同じことから、壁から天井へ、天井から床へ、またその逆へと素晴らしい反射音が生まれるのが特徴です。
さらに天井の材質が厚いため、低音の響きもよく、また1階バルコニーに表面が不規則な女人像を配置することによってより細やかな反射音も生まれます。
フィルハーモニーとは全く異なる空間ですが、満席時の残響は2.1秒で世界トップクラスの数値です。ウィーン・フィルの繊細で柔らかい、研ぎ澄まされた美しい音色は、まさにこのホールが生み出したものです。
そしてここで最高のパフォーマンスを実現させるために、使用する楽器やその奏法にこだわり、それを伝統として守り続けているのです。

フィルハーモニー楽友協会ホール

フィルハーモニーはベルリン・フィルを、楽友協会ホールはウィーン・フィルを育み、共に世界最高のホールとしての名声を得ています。優れたホールとは、すなわち優れたオーケストラを意味すると言っても過言ではないのです。

また耳の肥えた聴衆がオーケストラを育むとも言われます。
12年間ベルリン・フィルの首席指揮者を務めたアバドは、退任時の記者会見でベルリンの聴衆は世界一だと、感謝の意をこめて称賛しました。
ウィーン・フィルは設立当初から会員向けに演奏会を催していますが、ツアーで鑑賞する公演も会員向けの定期演奏会です。
耳の肥えた聴衆と共に、長年ウィーン・フィルを支えてきた会員と共に音楽体験ができることも、拠点ホールで鑑賞する魅力となるでしょう。

ウィーン・フィルは、本来オペラを演奏するオーケストラです。
現在も楽団員全員がウィーン国立歌劇場管弦楽団のメンバーとして、シーズン300回以上オペラとバレエ公演の演奏を担当しています。
従って楽友協会ホール同様、国立歌劇場でもウィーン・フィルが持つ特性が発揮されています。日々歌手を引き立てる演奏が求められるオペラ公演に携わっていることは、オペラを演奏しないベルリン・フィルとの違いを際立たせています。

フィルハーモニー外観(提供/山本直幸)

フィルハーモニー内部(提供/山本直幸)

楽友協会ホールとブルックナーの葬儀が執り行われたカールス教会(提供/山本直幸)

同行講師のご紹介

講師:山本 直幸氏

ベルリン留学中6年間、オペラ・コンサート通いの日を送る。
特にヨーロッパの歴史や音楽・美術への造詣が深く、長年音楽旅行企画に携わり、ツアーにも同行し現地で案内役も務める。海外添乗・駐在日数は4,000日以上。音楽雑誌等に音楽旅行記事を多数寄稿。

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ベルリン・フィルウィーン・フィルの両オーケストラは、互いにライバル意識を持ちつつ切磋琢磨し合う関係ですが、それぞれの拠点ホールで聴き比べてみると、その違いもよく分かるはずです。
ツアーには、両都市を熟知した山本直幸講師が案内役として同行し、両オーケストラの魅力についてレクチャーします。
一度の旅行で2つのオーケストラの最高のパフォーマンスを体験するために、是非ご参加くださいませ。

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クラブツーリズム株式会社 カルチャ―旅行センター
<東京>TEL:03-4335-6239
【営業時間】月曜~土曜 9:15~17:30 日曜・祝日 お休みとなります

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