シルクロードの東の起点、西安から国内線に乗って1時間半。シルクロードの関所の街とされた敦煌(とんこう)に到着します。世界最大級とされる石窟遺跡群である莫高窟などを有し、シルクロード文化の宝庫とも言える街、敦煌。遺跡の姿や位置から、その関所として重要な役割を果たしてきた様子を見ることができます。

※記事内容は2025年4月時点のものになります。

はじめに

ブーメランの形をしている中国。敦煌は、中国・甘粛省の西端、ブーメランでいう左上あたりに位置しています。地図を開けば、砂色に覆われた場所。タクラマカン砂漠の入口に位置する、砂漠とオアシスが広がる街です。

莫高窟の九層楼(2025年4月 弊社スタッフ撮影)

人口は18万。地理的にシルクロード文化の交差点として栄え、今も壮大な遺跡と自然景観が残るオアシス都市。かつては、中国と西域の境にあった街とされ、西からの旅人にとっては中国への入り口であり、中国からの旅人にとっては西域への出発点でもありました。

そんな敦煌という街ですが、日本でいう「関所」の役割を果たしていたんです。

いざ、関所の街・敦煌へ

敦煌市内にある敦煌博物館では、時代を辿りつつ、シルクロードの歴史を学ぶことができます。

敦煌博物館(2025年4月 弊社スタッフ撮影)

展示入口の床にこのような地図が描かれていました。この地図から敦煌の街としての役割が見えてきます。そう、「関所」の街です。

敦煌博物館にて撮影(2025年4月 弊社スタッフ撮影)

少しわかりにくいのですが、右の赤丸が敦煌市街地です。2000年にわたり水が枯れたことがないとされる、鳴沙山月牙泉もそのすぐ南方にあります。左上(北西)には玉門関、右下(南西)には陽関という2つの関所があり、2つを合わせて「二関」と表現されます。

敦煌市内からそれぞれの場所に線を引くと、ラッパの形が現れます。このようにして、北と南それぞれの道において関所の役割を果たしていたことがわかるのです。

月の形をした鳴沙山月牙泉(2025年4月 弊社スタッフ撮影)

北の関所・玉門関

敦煌の北西にあった玉門関。トルファン方面へつながるシルクロード北路の関所。かつて、かの玄奘三蔵もインドに向けて通ったとされます。西域から良質な玉(ぎょく)がここを通って中国に入ってきたので、その名がついたと言われています。

玉門関遺跡(2025年4月 弊社スタッフ撮影)

玉門関から5kmほど東に進むと、漢の時代に作られた万里の長城の西側「漢代長城」があります。逆に、12㎞ほど西に進むと「河倉城」という場所が。玉門関、陽関、長城を守備する兵士の食糧庫とされ、玉門関よりも大きいことから、俗に「大方盤城」とも呼ばれます。故に、玉門関の別名は「小方盤城」となります。

玉門関遺跡の地図(2025年4月 弊社スタッフ撮影)

ラクダ越しの玉門関。「砂漠の船」と呼ばれるほど、シルクロードでの移動と交易品の輸送に重要な役割を果たしていたラクダ。かつては、ラクダの群れが列になってこの関所を通っていたことでしょう。

玉門関シャトルバス乗り場にいたラクダ。
弊社ツアー、クラブツーリズムのツアーではラクダ乗りはできませんのであしからず。
(2025年4月 弊社スタッフ撮影)

南の関所・陽関

続いて、敦煌の南西にあった陽関。クチャを経由して、西へとつながるシルクロード南路を進むにはここを必ず通過しなくてはなりませんでした。

中国では対極するものを「陰・陽」という概念で表現することがあります。そのため、陽関の「陽」は北・南の「南」の意味からきています。日本の山陰山陽地方の、北側が山陰、南側が山陽であるのと同じ原理です。

陽関故址(2025年4月 弊社スタッフ撮影)

唐の詩人・王維が「西のかた陽関を出ずれば故人無からん(意味:西域に出れば、一緒に酒を飲み交わす友人はもういないのだから)」と詠んだ場所として有名です。

「景区」と呼ばれ観光地化している陽関ですが、自然の力で風化が進み、実際の遺跡はほとんど残っていません。それでも、景区の奥に進めば「ここをキャラバンが通っていたんだな」ということを感じることができ、歴史的な様相を思い起こさせます。

陽関景区の地図(2025年4月 弊社スタッフ撮影)

この画像は、陽関にかろうじて残る狼煙台です。それ以外の遺跡は何もありません。

陽関の狼煙台(2025年4月 弊社スタッフ撮影)

砂に埋もれた関所跡から目下、丘の下を眺めると、荒廃な砂地にかつては街道沿いの街並みが広がっていたのだろうと、推測することができます。

地平線が見える陽関故址付近(2025年4月 弊社スタッフ撮影)

まとめ

玉門関・陽関の二関は、かつて兵士や役人が常駐し、通行人や商人を取り締まる関所の役割を果たしました。この2つの遺跡から、敦煌が交易、軍事、文化交流の拠点となり、中国と西域(=外国)を結ぶ重要な場所であったことを垣間見ることができます。

敦煌は、あくまでも西安からローマに通ずる通過点であり、一部分。シルクロード沿いには、そのほかにも、トルファンやウルムチ、国を超えればウズベキスタン…と魅力あふれる場所がたくさんあります。それぞれの街に訪れ、シルクロードの深い歴史にどっぷり浸かってみてはいかがでしょうか。

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