本記事では、バッハの音楽が生まれた場所を手がかりに、彼にゆかりのある街々をご紹介いたします。
バッハの足跡
バッハの足跡は、比較的狭い地域内に点在しているので、短い旅行期間でもその多くをたどることができます。
また、バッハゆかりの街々が、人気観光ルートのゲーテ街道上にあるので、音楽とも関わりのある歴史や文学に触れることがでるという魅力もあります。
◇ゲーテ街道のハイライトとなる3つの街
①アイゼナッハ
緑豊かなテューリンゲン地方、旧東西ドイツの国境近くに位置する街で、その歴史的な価値はワーグナーのオペラ「タンホイザー」の舞台でもあり、世界遺産に登録されている中世の名城『ヴァルトブルク城』もありますが、バッハの生誕地でもあります。
世界遺産「ヴァルトブルク城」
②ワイマール
バッハが宮廷オルガニストなどを務め、約10年間過ごしたていますが、何と言っても多くの音楽家にインスピレーションを与えた文豪ゲーテとシラーが名作を遺したことで知られ、幾度となく文化・芸術が開花した街です。
③ライプツィヒ
バッハが没するまでの28年間過ごしていますが、ワーグナーが生まれ、シューマンがクララとの結婚後の幸福な日々を送り、メンデルスゾーンがゲヴァントハウス管弦楽団で活躍し、マーラーが交響曲第1番を作曲するなど、音楽家ゆかりの街です。
ヨーハン・セバスティアン・バッハ
◇ヨーハン・セバスティアン・バッハ
・1685年3月21日:アイゼナッハで、町の音楽師の8人兄弟の末子として生まれました。
・7歳の頃:洗礼教会でもある聖ゲオルク教会付属のラテン語学校に入学し、聖歌隊にも加わって美しいボーイ・ソプラノを響かせたといわれています。
・9歳の頃:母と父を失ったバッハは、アイゼナッハを去り、15歳までオーアドルフのミヒャエル教会でオルガニストを務める兄の世話になります。その間、勤勉なバッハはラテン語学校へ通い、兄からオルガン演奏を学びました。
オーアドルフの聖ミヒャエル教会
バッハが洗礼を受けた聖ゲオルク教会
少年バッハは音楽を重んじるルター派プロテスタントの宗教教育を受け、後にルターが創始した教会音楽に深く関わることになります。
ミヒャエル教会の前には、ベートーヴェンの有名な言葉、「バッハ(Bachはドイツ語で「小川」を意味する)は小川ではなく大海と名乗るべきだった」と記されたモニュメントも見ることができます。
「バッハは小川ではなく大海と名乗るべきだった」と記されたモニュメント
若きバッハの転機
1703年、半年ほどワイマールで宮廷楽師を務めた後、バッハが初めてオルガニストのポストに就いたのが、アルンシュタットにある新教会です(1935年にバッハ教会と改名)。
音楽的才能は認められながらも血気盛んな青年バッハは、度重なるいざこざに嫌気がさしていたこともあり、4週間の休暇をとって北ドイツのリューベックに向かいました。
そこでブクステフーデのオルガン音楽に魅了され、滞在期間を4ヶ月も延長してしまいましたが、そのことでアルンシュタットに戻ると叱責された上、刺激を受けたリューベックでの体験を教会でのオルガン演奏に反映させたことが、教会側から激しい非難を浴びました。
バッハと教会との関係が修復不能になるほど悪化する中、ミュールハウゼンの聖ブラジウス教会オルガニストの採用試験に合格し、1707年にアルンシュタットを去ることになります。
この頃からオルガン曲が中心ですが、本格的に作曲を行っており、中でも有名な「トッカータとフーガ・ニ短調」はこの時期に作曲されています。
また教会前の広場には、1985年、バッハ生誕300年を記念して建立された18歳のバッハをイメージした青年像も見られます。
アルンシュタットのバッハ教会内部
バッハ教会前のバッハ青年像
バッハは、聖ブラジウス教会オルガニストという新しいポストを得てミュールハウゼンに移りますが、1年後には宮廷オルガニスト兼宮廷楽師というポストや給料などで好条件の提示を受けたワイマールへ移ります。
その前にバッハは身を固める決心をして、1707年10月17日、アルンシュタットの東約3kmにある小さな村ドルンハイムの聖バルトロメウ教会で、マリア・バーバラとの結婚式を挙げました。教会の入口横には木製の記念プレートがあります。
ドルンハイムの聖バルトロメウ教会
木製の結婚記念プレート
※画像は全て山本直幸講師提供
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同行講師のご紹介
講師:山本 直幸氏
ベルリン留学中6年間、オペラ・コンサート通いの日を送る。
特にヨーロッパの歴史や音楽・美術への造詣が深く、長年音楽旅行企画に携わり、ツアーにも同行し現地で案内役も務める。海外添乗・駐在日数は4,000日以上。音楽雑誌等に音楽旅行記事を多数寄稿。
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