今回も登録基準を観光地の写真下部に記載します。世界遺産の登録基準などの詳細は第1回ブログをご参照ください!
その1 とんがり屋根の不思議なお家『アルベロベッロのトゥルッリ』
南イタリアの人気観光地ですね。
・トゥルッリとは、1つの部屋に1つの屋根を持つ「トゥルッロ」の複数形の呼び方です。トゥルッリは、そのトゥルッロがいくつか集まって、部屋の数だけ屋根を持った1軒の家になっています。
・アルベロベッロがあるプーリア州では、石灰岩の土壌が広がっており、古くから石灰岩を用いた独自の建築が発達していました。
・ユニークな屋根の形の理由は、領主による税金対策という説が有力です。17世紀頃、ナポリ王国に対して家屋数に応じた税を納めなければならなかった領主が、「解体しやすい簡易な家を建てること」と農民に命じていたのだとか・・・石積みの屋根は取り壊しがしやすいですからね。
・現在、旧市街にある2つの地域に、1,000以上ものトゥルッリがあり、現役の住居建築として、観光客を魅了し続けている場所ですが、石積み技術の継承など保存上の課題もあります。
その2 民族芸術の開花『ヘルシングランドの装飾された農夫の家』
まだまだ日本の方には知られていない場所ですが、スウェーデンの風景や木造家屋は、個人的に心奪われるものが多く、ぜひ紹介したいと思いました。
・スウェーデン東部のヘルシングランドには、18〜19世紀に建てられた1,000以上の木造建造物が残されています。
・そのうち7つの農夫の家が、伝統的な装飾を施された木造家屋を代表するものとして2012年に世界遺産に登録されました。
・木造家屋は、12〜16世紀が起源ですが、亜麻の栽培や森林開拓により富を得た農夫たちによって、19世紀に民族絵画と、バロック、ロココ、グスタヴィアン様式(18世紀、国王グスタフ3世が好んだロココ風様式)の融合した絵画で室内装飾された家屋に建て直されました。
・「建築」と「地域の民族芸術の伝統」が独自の様式で結びついたもので、北西ヨーロッパに起源を持つ民俗文化が花開いたものが、この木造家屋であると評価されています。
その4 特徴的な集合住宅『福建土楼群』
まるで円盤のようですね。
・こちらは、12〜20世紀にかけて造られた漢民族客家(はっか)の伝統的な集合住居です。
・土楼は、中庭を中心として周りを円形や方形で囲んでおり、外側の壁は180cm以上もの厚さがあります。いわゆる円盤部分が、住居スペースで、複数の家族が集団生活を送りやすいよう部屋が配置されていました。各部屋は同じ大きさ、同じ造り、平等な構造であることが特徴です。
・1つの土楼に最大どのぐらいの人が住んでいたと思いますか?
なんと800人!!1つの土楼=村のような機能を果たしていたそうです。
・盗賊の侵入を防ぐ砦の機能も備えており、下の階には窓はなく、上の階に窓と狭間が設けられています。万が一、火を放たれた時の消化用に、消化水槽が上の階に設置されていました。
・風水を取り入れた伝統建築や、共同体の生活形態、周辺環境と調和する独特の伝統建築等が高く評価され、2008年に世界遺産に登録されました。
その4 『フランク・ロイド・ライトの20世紀の建築』
第4回目の投稿で、日本にもある「ル・コルビュジェ」建築の世界遺産を紹介しました。
そのコルビュジェ、そしてドイツ人のミース・ファンデル・ローエと並び近代建築三大巨匠と呼ばれるのがアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトです。
(ヴァルター・グロピウスも含め四大巨匠とも)
ちなみにこの巨匠達に関する問題は世界遺産検定でも頻出です
・フランク・ロイド・ライトによって20世紀前半に設計された、アメリカ国内の8つの建造物が2019年(最近です)世界遺産に登録されました。
・有機的建築というのが、彼の提唱した概念で、それは、建築物が外部の自然と調和を図ることで、「単に住むための機械」ではなく、人間の有機的な生活を反映させたものにすべきであるという考え方です。機能的かつ情緒的な要求に応えるような、自然の造形や原理に基づいているのがライトの建築群です。
・写真は、落水荘(フォーリングウォーター)こと、アメリカの大富豪エドガー・カウフマンがライトに依頼した別荘です。名前の通り、滝の上に建っているようで、自然豊かな山の中に調和する美しい佇まいです。
・日本の兵庫県芦屋市にある、ライト設計のヨドコウ迎賓館も世界遺産の追加登録の一つとして候補に挙げられていますが、未定です。候補には入っておりませんが、他には、愛知県に移築された旧帝国ホテルの中央玄関、東京・池袋の自由学園明日館がライトの設計で、日本でも巨匠の建築を見ることができるのです!
その5 日本からも!『白川郷・五箇山の合掌造り集落』
世界遺産にも登録されている、ドイツ「ベルリンのモダニズム公共住宅」の設計に携わった建築家、ブルーノタウトは、合掌造りについて、「構造が合理的であり、論理的であるという点において、日本全国で全く独特の存在である」と語ったそうです。
多くの方がご存知だと思いますので、概要だけおさらい!
・岐阜県と富山県に点在する3つ(白川郷の萩町・五箇山の相倉と菅沼)の集落が登録
・10〜30人の一族が同じ家屋で暮らす大家族制度が守られ、家内制手工業(養蚕・和紙漉き・塩硝)が主要財源
・日本でも有数の豪雪地帯のため、外部と隔絶された環境と、地域特有の社会環境や経済事情が、日本でも他の地方で見られない独自の合掌造りという建築様式・生活文化を生んだ
見るべきはここ!
屋根・・・45〜60度の急傾斜。建築年代が古いものほど緩く、新しいものほど急になる傾向
床・・・一般家屋に比べ床面積がとても広いです、塩硝作りにも、大家族が住むにも広い床面積が必要です
ウスバリ構造・・・屋根の三角形(小屋組)と家の基礎部分(軸組)を分離する合掌造りの構造的な特徴のこと。小谷組の床を構成する部分をウスバリと呼び、つまり構造的にも空間的にも、屋根部分と、基礎部分が分離されていることを示します。
おわりに
2021年の7月に世界遺産委員会が行われましたね!日本からは、自然遺産として「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)と、文化遺産として「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道、青森、岩手、秋田)の2つが新たに世界遺産リストへ登録されました!とても喜ばしいですね!
当シリーズは今回をもって終了となります。皆様の知識が深まり、「世界遺産」や「海外旅行」への夢や想いが、より「あつい✨」ものとなりましたら幸いです。
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第1回「ロマンのある世界遺産5選」
第2回「空から楽しむ世界遺産5選」
第3回「もうがっかりなんて言わせない世界遺産5選」
第4回「国境を越えて複数国で登録される世界遺産5選」
第5回「いわくつきの世界遺産5選」
第6回「Twitter投票で人気のあった世界遺産5選」
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