世界には「一度は乗ってみたい!」と多くの方が憧れる特徴ある鉄道がたくさんあります。鉄道ファンはもちろん、そうでない方も、大自然の中、変わりゆく車窓の景色を楽しみながらゆったりと流れる時間を過ごす鉄道旅は、旅人の数だけあるドラマがあり、とても贅沢な体験です。
<鉄旅チャンネル>シリーズでは、世界の豪華列車・縦断/横断鉄道・そんなところ走るの?とビックリしてしまうユニークな鉄道…、車内の様子・食事・車窓の景色や途中下車の観光内容等、ご紹介したいと思います!「いつの日かの海外旅行再開」に想いを馳せて、お楽しみいただければ幸いです。

ロマン溢れる憧れの「シベリア鉄道」

さて、第5回目となる今回は、世界最長の列車「シベリア鉄道」をご紹介します。

画像: シベリア鉄道(イメージ)

シベリア鉄道(イメージ)

シベリア鉄道の正式名称は「シベリア横断鉄道」。

その名の通り、ユーラシア大陸東はウラジオストクから西はモスクワまで、全長約9,297㎞をダイナミックに横断する大陸横断鉄道です。
シベリア特急列車の「ロシア号」は、146時間…6泊7日の旅!

画像: シベリア鉄道路線図(イメージ)

シベリア鉄道路線図(イメージ)

シベリア鉄道は7つの異なる時差を通過するため、各駅全てにおいてモスクワ時間で表示されます。

画像1: 世界の魅力的な鉄道<第5回>
『世界最長を走る鉄道路線シベリア鉄道』
【好奇心で旅する海外】<鉄旅チャンネル>

ロシアは世界最大級の鉄道王国。ロシアの鉄道の総延長距離は約14万キロ=地球3周半にも及びます。なんとこの距離は世界の鉄道の1割以上を占めています!

シベリア鉄道の建設と現在

19世紀末、ロシアのシベリア開発のために、モスクワからシベリアに向かう鉄道の建設が計画されました。しかしながら、シベリアの過酷な自然環境により建設は一時難航します。

1891年に本格的な工事が開始され、1905年に完成。シベリア鉄道の完成により、帝政ロシアのアジア進出が可能になりました。

鉄道の電化は1953年から始められ、半世紀を費やし2002年11月に全線の電化が完了しました。ソ連崩壊後は長らく運転が中断されていましたが、システムや車両の近代化は日々進んでいます。

航空機が就航するまでは、最速の民間交通路であったシベリア鉄道。ソ連崩壊後は外国人でも全区間乗車可能となりました。また、現在、ロシアの輸出にかかわる輸送の約30パーセントはシベリア鉄道が担っており、国内の重要な旅客輸送および輸出路の一つでもあります。

シベリア鉄道乗車体験の旅

クラブツーリズムではシベリア鉄道に乗車するツアーをいくつもご案内してきました。ツアーでは、シベリア鉄道の一部区間に乗車いただき、車窓からの景色、牧歌的な風景、広大なシベリアの大地をお楽しみいただけます。

そこで今回は、バイカル湖南に位置するウランウデからイルクーツクまでの乗車体験をレポートします。それぞれの街に降り立ち観光地をまわることができるのも、鉄道乗車体験の楽しみの一つです♪

画像: シベリア鉄道乗車体験の旅

ブリヤート共和国の首都ウランウデ

シベリア鉄道の通過点であり、ロシアからモンゴル・中国方面への続く夜行列車の分岐点。モンゴルと近いこともあり、人々や食事の面でアジアの面影が漂います。町には過去数世紀にわたり信仰されていたチベット仏教の寺院が今でも残っています。

画像2: 世界の魅力的な鉄道<第5回>
『世界最長を走る鉄道路線シベリア鉄道』
【好奇心で旅する海外】<鉄旅チャンネル>

1年のうち300日が晴れるという、太陽の国ブリヤート共和国。夏は暑く42℃まで気温が上がることもありますが、冬は-38℃まで下がる極寒の地!観光には、気候の爽やかな7~8月ごろがお勧めです。

画像: 街の中心に位置し、巨大なレーニンの頭部像が置かれたソヴィエト広場(弊社社員撮影)

街の中心に位置し、巨大なレーニンの頭部像が置かれたソヴィエト広場(弊社社員撮影)

画像: イヴォルギンスキー・ダッツァン ロシアにおけるチベット仏教の総本山(弊社社員撮影)

イヴォルギンスキー・ダッツァン
ロシアにおけるチベット仏教の総本山(弊社社員撮影)

画像: 眠れるライオンの丘 ウランウデの南に流れるセレンゲ川を見下ろす高台。美しい景色が一望できる、一押しスポット!(弊社社員撮影)

眠れるライオンの丘 
ウランウデの南に流れるセレンゲ川を見下ろす高台。美しい景色が一望できる、一押しスポット!(弊社社員撮影)

画像: セメイスキエ ロシア古儀式派の伝統を守り続けている人々。カラフルな民族衣装が特徴。(弊社社員撮影)

セメイスキエ ロシア古儀式派の伝統を守り続けている人々。カラフルな民族衣装が特徴。(弊社社員撮影)

ウランウデからイルクーツクまで走行距離約456㎞、約8時間の鉄道の旅!

午前8時発の列車に乗るため、ウランウデ駅にやってきました。

画像: ウランウデ駅(弊社社員撮影)

ウランウデ駅(弊社社員撮影)

画像: ウランウデ駅のホーム(弊社社員撮影)

ウランウデ駅のホーム(弊社社員撮影)

赤色が特徴のシベリア鉄道に乗車。12号車まで長く続いています。

画像1: シベリア鉄道(弊社社員撮影)

シベリア鉄道(弊社社員撮影)

画像2: シベリア鉄道(弊社社員撮影)

シベリア鉄道(弊社社員撮影)

画像3: 世界の魅力的な鉄道<第5回>
『世界最長を走る鉄道路線シベリア鉄道』
【好奇心で旅する海外】<鉄旅チャンネル>

シベリア鉄道のチケット。
全てロシア語の表記ですね!

画像4: 世界の魅力的な鉄道<第5回>
『世界最長を走る鉄道路線シベリア鉄道』
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コンパートメント内部の様子
シベリア鉄道は、2段ベッドが2つ向かい合わせになった4名1室のお部屋が1つのコンパートメントです。相席での素敵な出会いも旅の醍醐味ですね!

画像5: 世界の魅力的な鉄道<第5回>
『世界最長を走る鉄道路線シベリア鉄道』
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指定の席に着いたら、いよいよ出発です。
実はシベリア鉄道には出発のアナウンスがなく、無音で出発します!乗り遅れにはご注意を!

乗車中は窓から見える大自然を楽しんだり、ゆったりくつろいだりと、思い思いの時間を過ごせます。
ウランウデからイルクーツクまでは、10以上の駅に停車します。運が良ければ、駅のホームで野菜やフルーツ、オームリ(バイカル湖名物の白身魚)の燻製などを買うこともできますよ!

小腹がすいたら食堂車へ。時間が合えば、焼きたてのパンや、ロシア人が大好きなクレープ"ブリヌイ"が食べられます。列車内にはサモワール(給湯器)があるため、お茶やスープでほっと一息ついてみてはいかがでしょうか。
車掌室では、シベリア鉄道オリジナルグッズを販売していることも。お土産にぴったりですね!

そして、シベリア鉄道の旅の良さは、何といってもこの区間の雄大な大自然!
この区間で訪れたい、シベリアの真珠と称される「世界遺産バイカル湖」をご紹介します!

シベリアの真珠"バイカル湖"

画像: シベリアの真珠 バイカル湖(イメージ)

シベリアの真珠 バイカル湖(イメージ)

ロシア南東部に位置する三日月形のバイカル湖は、琵琶湖のおよそ46倍の広さを誇り、世界の淡水の約15~20%がこの湖にあるとされています。

美しいな大自然、また生物学的にも重要な場所であることが認められ、1996年に世界自然遺産に登録されました。

中南米にあるガラパゴスと並び、生物進化の博物館とも呼ばれ、それはこのバイカル湖に住む生物の約70%が固有種と言われることに由来します。

元々海水であったこの地に住む多くの生物が淡水に適応したと考えられていて、世界で唯一淡水に生きるバイカルアザラシはこの地のアイドルとして親しまれています。

世界最古、そして世界一透明度が高いと言われるバイカル湖、シベリア鉄道の旅に欠かせない絶景です!
ツアーで訪れた時も、壮大な景色にお客様も喜んでいらっしゃいました!

画像1: シベリア鉄道とバイカル湖(イメージ)

シベリア鉄道とバイカル湖(イメージ)

画像2: シベリア鉄道とバイカル湖(イメージ)

シベリア鉄道とバイカル湖(イメージ)

イルクーツク駅に到着

約8時間の鉄道旅もいよいよ終着です。16時過ぎイルクーツク駅に到着。

画像: イルクーツク駅(イメージ)

イルクーツク駅(イメージ)

「シベリアのパリ」と称されるイルクーツクの美しい街並みが出迎えてくれます。
イルクーツクもシベリア鉄道の旅で楽しんでいただきたい場所の一つです!

賑わいを見せるフィッシュマーケット(弊社社員撮影)

18世紀に創設されたロシア正教会のズナメンスキー修道院(弊社社員撮影)

高級列車とまた違う、現地の人々の生活の一部を体験できるシベリア鉄道の旅。
絶景、そして人々との触れ合いを満喫、そんな素敵な時間を過ごせます!

画像: フレンドリーなシベリア鉄道の乗務員(イメージ)

フレンドリーなシベリア鉄道の乗務員(イメージ)

終わりに

「世界の魅力的な鉄道」5回目、世界最長の鉄道‟「シベリア鉄道」はいかがでしたでしょうか。
車窓から見えるスケールの大きな景色や列車内での触れ合い、鉄道好きな皆様に、移動するだけではない鉄道の旅の魅力をお楽しみいただける日が待ち遠しいです!

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