第6回目は、ルネサンスの巨匠として、しばしばレオナルド・ダヴィンチとも比較されるミケランジェロのの素顔と人間関係について探っていきましょう!一体どんな人物だったのか?人間ミケランジェロの素顔に迫ります。(2021年12月28日更新)
私のことをもっと知ってくれ!
曲がった鼻と、不機嫌そうな肖像画
第5回でも触れたように、若くして才能を見出されたミケランジェロですが・・・
メディチ家の支援のもと、ともに彫刻を勉強していた3歳年上のピエトロ・トリジャーノが、ある日ミケランジェロに作品を馬鹿にされたと逆上し、殴りかかりました。その時に曲がった鼻骨は元に戻ることがなく、ミケランジェロの外見に対するコンプレックスは一生続いたと言われています。
そんなこともあってか、ミケランジェロの自らを描いた‟自画像”はほとんど残っていません。
一方、別の画家による‟肖像画”はいくつか残されていますが・・・
なんだか、眉間にしわも寄っていて、不機嫌そう。絡みづらそうですね・・・
はい、そうなんです。実際、肖像画も嫌々だったという話も残っています。
ちょっと近寄りがたい雰囲気は、その表情からも見て取れますね。
ただ、そんな‟自分嫌い”のミケランジェロですが、実はいくつかの作品の中に、自分の姿を紛れ込ませています。
ではここで問題です。ミケランジェロ自身とも言われる下の2つの作品、どの作品の一部でしょうか?
まず、左の作品。このシリーズを今までお読みいただいていた方は、見覚えありませんか・・・??
正解は・・・
ミケランジェロが作ったと言われる4つのピエタ像のうちの1つ「フィレンツェのピエタ」 です!
こちらは晩年のミケランジェロが、自らのお墓に置くために彫った作品だそうです。
本人が埋葬を希望していたローマの教会の祭壇に置くべく、「死」がテーマになっています。
磔にされたイエスを十字架から降ろし支える3人は、聖母マリアとマグダラのマリア、フードを被ったニコデモ(またはアリマテアのヨセフ)ですが、このフードを被った男性が、ミケランジェロの自画像だと言われています。
確かに、肖像画とちょっと似ている気もしますね。
そして、右側の作品。なんだか中身のなくなった着ぐるみのような姿ですが・・・
正解は、システィーナ礼拝堂の祭壇に描かれたフレスコ画「最後の審判」です!
「最後の審判」といえば、天井画「創世記」の後にシスティーナ礼拝堂に描かれ、ミケランジェロの集大成ともいえる代表作ですね。
システィーナ礼拝堂に描いた作品については、次回また詳しく触れたいと思いますが、このミケランジェロ自身の顔が描かれているのは、皮剥の刑で殉教した聖バルトロマイです。
「最後の審判」では、聖バルトロマイ自身が自分の抜け殻を持つという不思議な構図で描かれていますが、ミケランジェロは自身の苦悩や罪の意識を、この表情で表したのでは・・・とも想像されています。なんとも切ない姿です。
人付き合いの悪い頑固者?ミケランジェロの素顔
さて、少し話は逸れてしまいましたが、肖像画だけを見てもなかなかクセの強そうなミケランジェロの性格は、残っている逸話などから以下のように伝えられています。
- 人付き合いが苦手で孤独が好き
- すぐカッとなりやすく気が短い
- 身なりに無関心で、いつも同じ作業着のような服を着ていた
- 浮いた話もほとんどなく、あまり女性にも興味がなかった?
おぉ・・・なかなかのツワモノですね・・・
失礼しました、少し意地悪な列挙の仕方だったかもしれません。。。
一方で、以下のようなエピソードも残っています。
- 敬虔なカトリック教徒で、質素を好んだ。
- 家族思い。家族に多くの手紙を残し、援助も惜しまなかった。
- 権力者の庇護を多く受けたが、作品に対しては迎合することなく信念を貫いた。
- 勤勉で仕事熱心。亡くなる数日前まで創作を続けた。
いかがですか?
不器用で人間関係には苦労していたようですが、質実剛健で真っ直ぐな性格が浮かび上がってきませんか??
ミケランジェロの作品に出会うには
ミケランジェロの素顔が分かってきたところで、‟彫刻家”ミケランジェロの作品と実際に対面できる場所をいくつかご紹介しておきましょう。
現在でも多くのミケランジェロ作品がイタリア国内に点在しています。
特に、故郷といえるフィレンツェと、創作のために召喚されたローマ(バチカン)に多く残されています。
中でも芸術の都フィレンツェの街中では、数多くのミケランジェロ作品を鑑賞することができます。
ルネサンス文化が花開いたフィレンツェは、‟屋根のない美術館”と言われ、街全体が世界遺産にも登録されています。数々の美しい建築物や美術作品と一緒に、楽しみたいですね。
◇こちらが、フィレンツェで鑑賞できる主なミケランジェロ作品です◇
また、ローマの中にあるバチカン市国では、サン・ピエトロ大聖堂に「サン・ピエトロのピエタ」が、システィーナ礼拝堂には「天井画」「最後の審判」が、皆様をお待ちしています。
残念ながら今は海外旅行が叶いませんが、いつかイタリアを訪れる時には、是非立ち寄ってみてくださいね!
おわりに
人付き合いが苦手で様々な葛藤を抱えながらも、ただひたすらに創作活動に人生を捧げたミケランジェロ。
自らを‟彫刻家”と名乗り、あくまで絵画は専門外と言いながらも、のちに画家としても天才と言わしめる傑作‟システィーナ礼拝堂の天井画”に取り掛かります。ミケランジェロが33歳の時でした。
次回は、システィーナ礼拝堂のフレスコ画とミケランジェロの後半生を、再び‟運命の出会い”とともにご紹介します。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!次回がミケランジェロについての最終回です!是非ご覧ください!
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1回目「ダ・ヴィンチだけじゃない!ルネサンスって何?」
2回目「世界に轟く天才の名、レオナルド・ダ・ヴィンチとは!?」
3回目「意外と知らないダ・ヴィンチ真作の秘密」
4回目「失われた絵画!?ダ・ヴィンチ VS ミケランジェロ?」
5回目「生まれながらの彫刻家ミケランジェロ、運命の出会いとピエタ像」
6回目「孤高の職人ミケランジェロ ~偏屈キャラって本当?」
7回目「画家ミケランジェロ ~後半生をかけた魂のフレスコ画~」
8回目「“聖母のラファエロ” ダヴィンチからの影響と美へのこだわり」
9回目「天才ラファエロはルネサンス時代の有能なプロジェクトリーダーだった」
10回目「ルネサンスの天才が残したもの、私たちが出会うもの」
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