山本直幸講師が興味深い最新の「海外音楽情報」をピックアップしてお届けします。
画像: 緞帳が美しいゼンパー歌劇場内部

緞帳が美しいゼンパー歌劇場内部

ゼンパー歌劇場の2017/18年シーズン

ドレスデンのゼンパー歌劇場の2017/18年シーズンは、オペラ公演の他、シュターツカペレ・ドレスデン演奏会など約300公演が催され、座席占有率が92%で2%増、訪問者数が約27万人で3%増になり、いずれも昨シーズンを上回る結果になった。ゼンパー歌劇場は、2012年にティーレマンが音楽監督に就任して以来、座席占有率と訪問者数が増えていることから、ティーレマンとの契約を2024年まで延長している。
1841年に建てられたゼンパー歌劇場は、焼失により2度再建されたが、伝統的な歌劇場の中でも最も美しい建物と称されている。来シーズンは、その美しさの象徴でもある緞帳がシーズンオフ期間中に洗浄、修復され、披露されることになっている。

クラブツーリズムでは、来シーズンもティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデン演奏会を鑑賞するツアーをご用意しています。バレンボイム指揮のシュターツカペレ・ベルリン、メータ指揮のベルリン・フィルとの競演をお楽しみください。

ブレゲンツ音楽祭が記録更新

オーストリアの夏の音楽祭で、ザルツブルクに次ぐ人気と規模を誇るブレゲンツ音楽祭が、観客動員数で過去最高を記録した。5週間の期間中に80公演が催され、約27万人が訪れた。特に2017年と2018年に上演された湖上オペラ公演「カルメン」には、57公演で約40万が訪れ、全公演がほぼ満席という盛況ぶりだった。人気の湖上オペラは、2019年と2020年には「リゴレット」、2021年と2022年には「蝶々夫人」が上演されることに決まっている。

ドミンゴにブーイング

数年前から指揮者としても活躍しているドミンゴが、バイロイト音楽祭で初めて「ワルキューレ」を指揮し、聴衆の一部からブーイングを浴びた。ドミンゴは、バイロイトでも、1990年代に「パルジファル」のタイトルロールを、2000年には「ワルキューレ」で主役のジークムントを歌い、歌手としては喝采を浴びるのが常だったが、指揮者としては厳しい評価を受けることになった。

ガッティが解任

コンセルトヘボウ管弦楽団は、セクシャルハラスメント疑惑が報道された音楽監督ガッティを一方的に解任し、予定されていたガッティ指揮の演奏会は、順次発表される代役が指揮することになった。ガッティ自身は疑惑を否定しているため、客演指揮者として迎えることになっているベルリン・フィル、ゲヴァントハウス管弦楽団、バイエルン放送交響楽団など、他のオーケストラは静観している。

画像: バイエルン国立歌劇場

バイエルン国立歌劇場

カウフマンで終わって、カウフマンで始まる

バイエルン国立歌劇場の2017/18年シーズンは、恒例のオペラ祭で幕を閉じたが、ミュンヘン出身のトップスター歌手ヨナス・カウフマンが出演した「パルジファル」効果でオペラ祭は大盛況だった。6月24日~7月31日の期間中に催された全70公演の座席占有率は98.04%に達し、国立歌劇場前広場で催された「パルジファル」初日公演のライブビューイングには、1万人以上が訪れた。来シーズンの最初の新演出公演は、カウフマン主演の「オテロ」で、すでに期待が高まっている。

ネトレプコがバイロイト・デビュー

トップスター歌手アンナ・ネトレプコが、2019年のバイロイト音楽祭で、「ローエングリン」のエルザ役で2度出演することが決まった。ネトレプコは2年前に、バイロイト音楽祭音楽監督ティーレマンが指揮したドレスデン・ゼンパー歌劇場公演で初めてエルザ役を歌って評価されていた。またネトレプコを育てた指揮者ゲルギエフも、2019年のオープニング公演「タンホイザー」でバイロイト・デビューを果たす。

10月6日に生演奏によるミニコンサート付「海外・音楽の旅フェア」を開催します。ご来場をお待ちしています。

画像: 【クラブツーリズム 音楽の旅】 旅の文化カレッジ講師 山本 直幸 ベルリン留学中6年間、オペラ・コンサート通いの日を送り、帰国後、オペラの舞台通訳や字幕翻訳などを経て、30年以上音楽旅行企画に携わる。頻繁にツアーにも同行し、海外添乗・駐在日数は4,000日以上。音楽雑誌等に音楽旅行記事やコラムを多数寄稿。

【クラブツーリズム 音楽の旅】
旅の文化カレッジ講師 山本 直幸
ベルリン留学中6年間、オペラ・コンサート通いの日を送り、帰国後、オペラの舞台通訳や字幕翻訳などを経て、30年以上音楽旅行企画に携わる。頻繁にツアーにも同行し、海外添乗・駐在日数は4,000日以上。音楽雑誌等に音楽旅行記事やコラムを多数寄稿。

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