3月17日は、世界が緑に溢れる聖パトリックの日です。

アメリカのシカゴでは川が緑に染まり、警察官は聖パトリックのシンボルである三つ葉のクローバー:シャムロックのバッジを胸に付け、ホワイトハウスの噴水の水も緑、アメリカにはこの期間だけ町名ニュー・ロンドンを聖パトリックを聖人に戴くアイルランドの首都にちなんで、ニュー・ダブリンにしてしまう町もあるといいます。

ニュージーランド・オークランドのスカイタワーも緑にお召し替え、オーストラリア・シドニーのオペラハウスのイルミネーションも緑、日本では横浜のマリンタワーも伊勢の大鳥居も緑、この日ばかりは、世界各国のアイリッシュバーで供されるビールも緑、きっと誰もがアイルランドの国民食であるコンビーフとキャベツ、アイリッシュシチューとジャガイモを頬張りながら杯を重ねているはず。。。

そしてお祭り騒ぎのパレード、世界各国がメインストリートを緑に染めて賑わいます。日本でも表参道や横浜などでアジア最大規模と言われるパレードが繰り広げられます。ちなみに世界最大のパレードは、その歴史を1762年に遡るニューヨーク・マンハッタンで、民族宗教に関わらず、全てのニューヨーカーが参加して繰り広げられます。

世界各国で、一様にこれだけの”騒ぎ“が繰り広げられる聖パトリックデーのその聖パトリックとは誰?

ラテン語名はパトリキウス、ケルト語に起源を持つアイルランド語ではポーリクと、だんだん難しくなってきてしまいましたが、英語名がセントパトリック。

4世紀末にウェールズのケルト系クリスチャンの両親のもとに生まれ、5世紀奴隷となるも、神の啓示を受け、神学を究め、それまでケルト社会に根付いていた植物崇拝などに基づくドルイド教を信仰していたアイルランでの布教に努め、その際にアイルランドに自生していた三つ葉のクローバー:シャムロックを用い、三位一体を説き、12万人が回心したという。アイルランドの使途と慕われ、アイルランドの守護聖人となった人物。

ヨーロッパ最果て、辺境の国、アイルランドの聖人の命日になぜ世界でお祭り騒ぎ?

少しアイルランドの歴史を探ってみる必要がありそうです。

聖パトリックの布教以降、キリスト教を旨とする国家となったアイルランドですが、16世紀、数世紀に渡りアイルランドを虎視眈々と狙っていた隣国英国による侵略を受け、政治的にも経済的にも英国に牛耳られ、蹂躙され、また宗教改革を経て、英国国教会を信仰することとなった英国が宗教的にも厳しく介入するに至り、18世紀に入ると、そんな英国の支配下にあるアイルランドを後に、新天地を求めて移民する人達が一気に増加して行きます。

それに追い打ちをかけるように、19世紀に起こった”ジャガイモ飢饉“、貧しいアイルランド人の唯一の食糧であったジャガイモが疫病に侵され、餓死者が続出、またそれに伴う伝染病の蔓延により、数百万もの死者が出たといいます。そんなアイルランドにとって、
国外脱出が唯一の生き残る手段、差別と飢饉を逃れるための移民にますます拍車がかかります。一説には800万の人口が僅か1世紀の間に半分近くの450万人にまで減少したとあります。

新天地は、折しもゴールドラッシュに沸くアメリカ、そしてまたオーストラリア・ニュージーランドなど、世界各国の広範囲に亘りますが、当初、カトリック教を貫くアイルランド移民は屈辱的な差別を受けますが、19世紀後半には、ニューヨーク市の人口の20%がアイルランド系となり、そしてついに1961年アイルランド出身のケネディ家から、”ジョン・F・ケネディ大統領”が誕生します。

話が横道にそれましたが、という訳で、アイルランドに祖先を持つ人達がそれはそれはたくさん、カトリック教徒のアイルランド人であることを誇りに、世界5大陸に根を張っているのです。

そのアイルランドの聖人、聖パトリックはそんな全てのアイルランド人の心の拠り所なのでしょう、3月17日のセントパトリックデーに、緑豊かな島・エメラルドの島と呼ばれるアイルランドを象徴する”緑”を纏い、世界のあちこちにいながら、彼らは繋がります。

今やアイルランドと無縁の地で、無縁の人達も、アイルランドに乗じて大騒ぎ!ですが、この機会に、ヨーロッパの最果てに思いをはせてみるのも良いかも知れませんね。

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