記念すべき第1回目の記事です。私は世界遺産を知りロマンを感じて、海外に興味を持ちました。知っているだけで何十倍も現地に行った時の感動が増す世界遺産。第1回目はタイトルにもなったあなたのロマンはどこだ?をテーマに厳選5つの世界遺産をお届けします。
世界遺産になるにはどんな要素が必要?
世界遺産は「古いから」「綺麗だから」という理由で登録されるものではありません。
文化遺産・自然遺産共通の登録基準が10あり、(ⅰ)〜(vi)が文化遺産、(ⅶ)〜(ⅹ)が自然遺産に適用されています。
(i) | 人類の創造的資質や人間の才能を示す傑作 |
---|---|
(ⅱ) | 文化の価値観の相互交流を示す遺産 (交易路も含む) |
(ⅲ) | 文化的伝統や文明の存在に関する証拠を示す遺産 (古代文明、人類の化石遺跡も含む) |
(ⅳ) | 建築様式や建築技術、科学技術の発展段階を示す遺産 |
(ⅴ) | 独自の伝統的集落や、人類と環境の交流を示す遺産 |
(ⅵ) | 人類の歴史上の出来事や伝統、宗教、芸術などと強く結びつく遺産 (負の遺産も含む) |
(ⅶ) | 自然美や景観美、独特な自然現象を示す遺産 |
(ⅷ) | 地球の歴史の主要段階を示す遺産 (恐竜や古代生物の化石遺跡も含む) |
(ⅸ) | 動植物の進化や発展の過程、独自の生態系を示す遺産 |
(ⅹ) | 絶滅危惧種の生息域でもある生物多様性を示す遺産 |
登録基準を知っていると、価値の高さがどこにあるのか理解しやすくなります!
これから見ていく写真に基準を記載しているので合わせて見てみましょう!
<その1>世界が救った遺産『ヌビアの遺跡群:アブ・シンベルからフィラエまで』
ここがポイント
◆アスワンハイダム建設による水没の危機から、世界50カ国の支援を受け移築
◆正面4体は全てラムセス2世!家族の立像は足元に小さく掘られている
◆ラムセス2世のお誕生日と即位日の年2回、日の出に照らし出されるよう設計
◆アスワン南のフィラエ島の遺跡は、地勢の似たアギルキア島に移築
※今ではこの島のことをフィラエ島と呼んでいる(旧フィラエ島が気になる方はGoogle Mapでチェック!遺跡が移築されているのがわかります。)
ヌビア遺跡の救済は中学生の頃知りました。遺跡が小さなブロックに切断され、元の場所から64mも高い場所に移築された写真を見て「そんな綺麗に移せないだろう」と思っていました。それから10年後、目の前にした遺跡は紀元前に建造されたものと思えないほど壮大で、水没していたら見られなかった、世界が救った遺産という点に感動を覚えました。
どうして同じ像が4体もあるの?
ラムセス2世の像が多いのは、自己顕示欲が大変強かったからと言われています。
<その2>ある考古学者がこの謎に一生を捧げた遺産『ナスカとパルパの地上絵』
ここがポイント
◆大部分は紀元前2〜後6世紀頃に描かれたと考えられている
◆年間平均降水量が10mm以下の乾燥地帯であることも地上絵が残っている一因
◆酸化された褐色の小石の下に白い砂の層があり、この色の違いで制作された
◆地上絵の研究に一生を捧げたのはドイツ人考古学者のマリアライへ氏
◆山形大学の研究グループが2019年に143点の新たな地上絵を発見
空からしかその全貌を知れないということ、自分の意思で故郷を離れ人生全てをナスカの研究に捧げた女性がいること、この2つが「絶対に見てみたい!」と思わせました。鳥、昆虫、花、直線、三角形など様々な模様があり、それらが天体に関係するという説もあれば、動物は儀礼場、直線は道という説もあり、全貌は未だ明らかになっておらず、これから新しく分かることがあるのでは!とロマンを感じます。
ツアーではセスナ機に乗り地上絵を見にいきます。
左右に見えるので、自分で探す面白さもあります。
写真を撮るには、ズーム機能があるものが良いです。
私は興奮のあまり空酔いしたため、酔い止めもお忘れなく。
飛行が終わったら証明書がもらえます!
<その3>市民の不屈の精神で「蘇った首都」『ワルシャワの歴史地区』
ここがポイント
◆都市全体を再建した世界遺産登録は、ワルシャワのみが認められている
◆ナチスドイツ侵攻により街の85%が破壊され、独立後は遷都も検討された
◆国民が街並みの完全な復元を希望し、復興に取り組んだ
◆18世紀の風景画、建物のスケッチを参考に「壁のひび1本まで忠実に」復元
◆不屈の国民の精神が評価された、非常に稀有な復元文化財
冒頭で伝えた「価値の高さがどこにあるのか」について考えさせられる遺産です。「復元」は登録に値しないという理由で登録は一時危ぶまれましたが、「復元されたからこそ価値がある。旧市街が破壊と復興の歴史がなく、残っていなければ登録しようとも思わない」という大学教授の提言もあり、「破壊からの復元と維持への人々の営み」が評価された力強い遺産です。本当に驚くのは復元されてから30年強とは思えない中世の風情を感じさせる街並みです。是非訪れていただきたい遺産の一つです。
<その4>遥か歴史を物語る世界最大規模の城壁『万里の長城』
ここがポイント
◆紀元前7世紀頃から明代まで増改築が行われた世界最大規模の城壁
◆明代に焼成レンガや石灰が使われるようになった
(今残っているものの多くが明代の建設)
◆要所に関城、望楼、狼煙台が築かれ、明代の建築技術の高さがうかがえる
◆軍事施設のみならず、異民族同士の文化交流や交易も行われた
万里の長城は文化遺産の基準を全て満たしています。世界遺産には「八達嶺長城エリア」「山海関エリア」「嘉峪関エリア」の3つのエリア合計21.5㎢が登録されており、総延長は20,000km以上!(日本列島は約3,500kmなのでスケールの大きさは数字だけでも伝わります)実際に行くと、想像していなかった急勾配もあり「ここを馬や兵士が?」と驚きつつ、遥か遠くに続く長城を眺めると「悠久」の歴史の風を感じます。
<その5>世界で初めて認められた、文化と自然の共存『トンガリロ国立公園』
ここがポイント
◆先住民マオリの聖地
◆1990年には自然遺産として登録されていたが、マオリの文化と自然とのつながりが再評価され、1992年に「文化的景観」の概念が世界遺産委員会で採択
◆世界で初めて文化的景観の価値が認められ1993年に「複合遺産」となった
◆国鳥キウイや、カカなど珍しい固有種を含めた鳥類約60種の楽園でもある
<補足>文化的景観とは…人間社会が自然環境による制約の中で、社会的、経済的、文化的に影響を受けながら進化してきたことを示す遺産に認められる
自然景観としても大変素晴らしいトンガリロ国立公園ですが、18世紀からイギリス人入植者が増え、神聖な地を永続的に守る事が困難だと判断したマオリ首長テ・ヘウヘウ・ツキノ4世が、英国女王に土地を寄進する代わりに国家保護下に置く事を提言したことがきっかけで、ニュージーランド初の国立公園となりました。マオリは、信仰の対象としてだけではなく、土地の地熱を料理や医療にも利用しており自然と文化を分けて考える事は出来ませんでした。「文化的景観」という新たな概念を生み出し、「自然と人間の共同作品」と呼ばれる遺産の第一号となりました。
おわりに
第1回目のテーマはいかがだったでしょうか。
世界遺産は2021年7月現在、1,154件あり、この「◯◯5選シリーズ」で皆様に紹介をしていきます!
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第3回「もうがっかりなんて言わせない世界遺産5選」
第4回「国境を越えて複数国で登録される世界遺産5選」
第5回「いわくつきの世界遺産5選」
第6回「Twitter投票で人気のあった世界遺産5選」
第7回「地球生成に歴史に関連する世界遺産5選」
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