音楽鑑賞の旅「アンコール」で必ずご案内するのが、ハプスブルク家の遺産、ハプスブルク家が収集した多くの名画を所蔵する美術史美術館です。
音楽の都ウィーンを訪れる価値は、最高の音楽体験ができることだけではありません。
ウィーンでの絵画鑑賞も大きな魅力、訪問価値があると言えるでしょう。年間約200万人もの人が訪れる美術史美術館は、数多くの名画を所蔵する世界屈指の美術館だからです。

美術史美術館(オーストリア・ウィーン)の見どころをご紹介

巨大なマリア・テレジア像が前に立つ美術史美術館の建物は、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世による新都市計画の一環として、ドレスデンのゼンパー歌劇場を手がけた大建築家ゴットフリート・ゼンパーを中心にネオ・ルネサンス様式で建てられ、1881年に完成、1891年に開館しました。
館内は3フロアで構成され、「エジプト・オリエントコレクション」「古代コレクション」「絵画コレクション」「美術・工芸コレクション」「貨幣コレクション」の5部門から成り、展示数は絵画コレクションだけで7100点、展示総数は76万点以上に及びます。

画像: マリア・テレジア像

マリア・テレジア像

もちろん美術史美術館の膨大なコレクションは、ハプスブルク家の遺産です。
特に収集に尽力したのは、大公フェルディナント2世(皇帝マクシミリアン2世の弟)、皇帝ルドルフ2世、大公レオポルト・ヴィルヘルム(皇帝フェルディナント3世の弟)の3人です。

画像: 皇帝ルドルフ2世 美術史美術館蔵

皇帝ルドルフ2世 美術史美術館蔵

この美術館が特に世界に誇れる絵画コレクションは、何と言ってもブリューゲルの作品です。
「バベルの塔」、「農家の婚礼」、「農民の踊り」、「子供の遊戯」、「雪中の狩人」など、現存する30数点といわれる作品の中、12点が常設で1つの部屋に展示されています。

画像: ブリューゲル・コレクション 美術史美術館蔵

ブリューゲル・コレクション 美術史美術館蔵

また館内では名画の他、「音楽」と関わりのあったハプスブルク家の人たちの肖像画も多く見られます。
これらの肖像画を通して、音楽家に活躍の場を与えた「ハプスブルク家」に接してみてはいかがでしょう。
例えば、巨匠デューラーが描いた有名な皇帝マクシミリアン1世の肖像画があります。彼は1498年にウィーン少年合唱団とウィーン宮廷楽団(ウィーン・フィルのメンバーで構成されている)を創始しています。
100曲以上も作曲した音楽好きの皇帝レオポルト1世の妃マルガリータの3枚の肖像画は、スペイン・ハプスブルク家の宮廷画家だったヴェラスケスの描いた絵です。
モーツァルトの時代と重なるマリア・テレジア、皇帝ヨーゼフ2世、皇帝レオポルト2世の肖像画は、1つの部屋で見られます。

画像: ヨーゼフ2世とレオポルト2世 美術史美術館蔵

ヨーゼフ2世とレオポルト2世 美術史美術館蔵

もしパプスブルク家に大きな関心があるなら、君主たちが眠るハプスブルク家の霊廟にも足を運んでみましょう。
国立歌劇場の裏手側、徒歩2分のところにあるカプツィーナ教会の地下が霊廟になっています。教会が完成した1633年に、創始者である皇帝マティアス(1619年没)とその妃アンナ(1618年没)の遺体が安置され、それ以降の皇帝12人、皇帝妃19人を含め、149人の棺が並べられています。
まさにハプスブルク家の歴史が凝縮された場所であり、音楽を愛し、関わりを持った君主たちと出会える場所と言えるでしょう。

棺の中で最も大きくて目を惹くのは、マリア・テレジアと夫の皇帝フランツ1世が仲良く一緒に収められている巨大な棺です。
マリア・テレジアは、女帝といわれていますが、神聖ローマ帝国の帝位に就くことはできず、夫フランツを皇帝に就かせ、ハンガリーとボヘミア(現チェコ)の女王として君臨しました。19歳の時に幼なじみのフランツと恋愛結婚し、20年間に16人の子を出産しています。当時、女子は政略結婚の道具として扱われていた風潮がある中、自分が愛した相手と一緒になることのできたマリア・テレジアの生涯は、多難な人生を送りながらも、幸福で恵まれていたといえるでしょう。フランツの死後、死ぬまで喪に服していたというのも有名なエピソードです。
マリア・テレジアの子でモーツァルトが活躍した時代の皇帝だった長男ヨーゼフ2世(1790年没)と三男レオポルト2世(1792年没)、そして末男で、ベートーヴェンがボンで仕えたケルン大司教マクシミリアン・フランツ(1801年没)の遺体も安置されています。

画像: マリア・テレジア夫妻の霊廟

マリア・テレジア夫妻の霊廟

画像: 皇帝マクシミリアン1世 美術史美術館蔵

皇帝マクシミリアン1世 美術史美術館蔵

ウィーンで初めてオペラが上演されたのは1625年ですが、特にバロック時代に皇帝だったフェルディナント3世(1657年没)、レオポルト1世(1705年没)、ヨーゼフ1世(1711年没)、カール6世(1740年没)の治世で宮廷音楽が栄えました。
作曲家でもあったレオポルト1世とその妃マルガリータの棺も並んでいます。
現在の音楽の都ウィーンの象徴的な建物である国立歌劇場や楽友協会ホール、そしてそこを拠点に活躍するウィーン・フィルなど、貴重な音楽遺産に深く関わった皇帝フランツ・ヨーゼフ1世(1916年没)と、生前は夫婦、親子関係が上手くいかなかったその妃エリザベート(1898年没)と長男ルドルフ(1889年没)は、3人仲良く並んで安置されています。

※画像は全て山本直幸講師提供

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画像: 講師:山本 直幸氏

講師:山本 直幸氏

ベルリン留学中6年間、オペラ・コンサート通いの日を送る。
特にヨーロッパの歴史や音楽・美術への造詣が深く、長年音楽旅行企画に携わり、ツアーにも同行し現地で案内役も務める。海外添乗・駐在日数は4,000日以上。音楽雑誌等に音楽旅行記事を多数寄稿

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