憧れの青蔵鉄道に乗車して約21時間の列車の旅を終え、降り立った聖地ラサ。改めて空を見上げると突き抜けるような青空が広がる。秘境の地に降り立った興奮と多少の息苦しさを感じながらいよいよラサの旅が始まる。前編に引き続き企画担当者の高田が2019年11月に訪れた際に撮影した写真(掲載写真は全て高田撮影)とともにレポートします。
ラサの気候
標高約3640メートルのラサは、極度に乾燥している。筆者が訪れた11月は乾季にあたり冬の到来を告げる季節、強い風も加わり乾燥度はさらに強い。またラサは太陽の都と称されるように晴天が多く、紫外線対策が必要だ。帽子、サングラス、保湿液、リップクリーム、水は観光では必須アイテム。ツアーで訪れるなら気温と乾燥、酸素濃度が和らぐ4~10月にかけてがおすすめです。
ダライ・ラマの離宮 世界遺産・ノルブリンカ
ラサ駅に降り立った後、高地順応を促すためにホテルにて小休憩。その後運動を兼ね、まずやってきたのが世界遺産ノルブリンカ。ノルブリンカはチベット歴4~9月までの間、歴代ダライ・ラマの夏の離宮として利用されました。植物が多く、ラサの中でも比較的酸素が多いエリアで到着したツアー客はまずここを散策して体調を整えることが多いです。中国建国70周年を祝う垂れ幕や看板があちらこちらで見かけられました。
ノルブリンカ見学後は名物のギャコック鍋をつつき、夜の幻想的なポタラ宮前広場を散策。明日のポタラ宮散策に備える。
聖地ラサの象徴 世界遺産・ポタラ宮
チベット仏教の中心、ダライ・ラマの宮殿ポタラ宮を見学。11月以降の農閑期はマニ車を手にしたチベット各地からの巡礼者でにぎわい、この日も朝早くから入口には長蛇の列。外国人観光客の私たちはポタラ宮正面向かって右端のツアー専用ゲートから入場。ポタラ宮を見上げながら記念撮影を行い、階段を登り切りいよいよ内部へと入場する。デヤン・シャルの広場からは宮殿内部に入るが撮影は禁止。ガイドさんの説明を聞きながら、しっかりと目に焼きつけておこう。部屋数は2000以上あると言われ、ツアーの順路は決まっている。ガイドさんから離れて迷子にならないよう要注意だ。ヤクのバターキャンドルの火が灯り、独特の匂いが立ち込めるなか、阿弥陀如来像などに熱心に祈りを捧げる敬虔な信者の姿はここでしか見られない光景だ。お賽銭に元より下の位の1角の紙幣を多めに準備しておくとよいでしょう。お賽銭はすべて紙幣で行われる。硬貨は使わないのがチベット式。
チベット仏教の総本山 世界遺産・ジョカン寺とバルコル
ラサ旧市街の中心に位置するチベット仏教総本山のジョカン寺とジョカンを取り囲む巡礼路バルコルにはチベット各地から敬虔な信者が押し寄せる。ジョカンの前では、信者たちが五体投地で参拝を行っている。バルコルは道沿いにチベット様式の白い住居が並ぶ。中国建国70周年を祝い、窓にはカラフルな花が飾られていて今だけの風景が楽しめた。マニ車や仮面など工芸品はここで買うことができる。
「トルコ石の泉」と称されるヤムドク湖
ラサから足をのばしてナンカルツェにある淡水湖ヤムドク湖へ日帰り観光。海抜約4440メートルの高さに細長い独特の形状をした青い湖が広がる。ヤムドク湖展望台の石碑の標高はなんと4998メートル、今回自らの足で降り立った場所の中では最高地点。海抜6000メートル以上の高峰も一望でき、不思議と高度はそこまで感じない。感動はひとしおだが、はしゃぐとすぐに酸欠になるため慎重に行動が必要です。
憧れのチベット鉄道に乗車し、降り立つ聖地ラサ。その自然や文化風習は、きっと心に残る旅となるでしょう。2020年は是非、チベットにお出かけください。
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