登山を始めるにあたって必要な道具の一つ「登山靴」
今回は、登山教室「山旅スクール」で皆様にレクチャーしている
ザック購入のポイントをわかりやすく解説します
今回、紹介していただくのは 塙 周一 ガイドです

塙 周一ガイド
以前は、大手登山量販店に勤務
山旅スクールを中心に現在は登山ガイドとして活躍
丁寧かつ分かりやすいガイディングと評判

山における最重要アイテム「登山靴」

画像: 登山靴(イメージ)

登山靴(イメージ)

どんなにオシャレで機能的な服装や
ザックなど良い装備を揃えても、
靴が適当だと登山は台無しです。
捻挫や骨折など色々トラブルを引き起こし
歩けなくなるリスクもあります。
そんなリスクを回避するためのポイントを紹介していきます

レベル別に登山靴を考えてみよう

山といえども日本国内だけで1万5000以上あります
それぞれの山々の難易度も異なりますし
ルートや登り方でも難易度は異なってきます。
「自分がどの難易度の山を登るのか」
をベースにまずは考えてみましょう

高尾山に行きたい!(日帰り登山の場合)

高尾山は手軽に思い立ったら行ける山です。
高尾山はコースも沢山ありますのでコースによって異なりますが
ウォーキングシューズや運動靴などで登ることが出来るコースもあります
ただしっかりとした登山コースを歩くのであればこういった靴があれば快適です

画像: スポルティバ TX4GTX

スポルティバ TX4GTX

ポイントとしては
適度に靴底の硬さがあること。
これにより少々の不整地でもしっかりと足を保護してくれます。
またゴアテックスを使用していること。
防水性もあるのでバッチリですね。

立山三山を縦走したい!(1泊2日~3泊4日)

画像: スポルティバ ボルダーX MID

スポルティバ ボルダーX MID

画像: AKU ALBA TREK GTX

AKU ALBA TREK GTX

3000mと標高は高いですが、
公共交通機関を使って室堂(2450m)行けるのでアプローチ自体は簡単です
とはいえ、森林限界を超えますし岩場もありますので、
ローカットモデルではちょっと不安です。
足首をしっかりと保護してくれるミドルカット以上の物をお勧めします

剱岳や岩稜の山に行きたい!(3泊4日~)

画像: スポルティバ トランゴタワーGTX

スポルティバ トランゴタワーGTX

剱岳などの山々は完全に岩の世界。
アップダウンも激しいし岩登りの要素も出てきますので
しっかりとした登山靴をお勧めします
フィット感もいいし岩場でしっかりと足をサポートしてくれます。

靴を選ぶ時のポイント

登山靴を買う時は、自分の行く山、行きたい山を
登山用品店のスタッフに伝えて下さい。
曖昧だと中途半端な物を選んで後悔するかもしれません

靴底の硬さをチェックしよう

画像1: 靴底の硬さをチェックしよう

靴によって靴底のしなり方はこんなに違います。
柔らかい靴は歩きやすいですが普段の感覚で歩いてしまうので
転倒の原因になりやすいのです。

普段我々が日常で歩くときは踵から着地して爪先で蹴り出す歩き方をします

画像2: 靴底の硬さをチェックしよう

でもこれを山でやってしまうと
スリップや転倒の原因になります。
ですので山では蹴り出さないで歩幅を狭くして
靴底全面を地面に着地する歩き方を推奨しています。

画像3: 靴底の硬さをチェックしよう

しっかりとした登山靴だと、嫌でもその歩き方をさせられます。
慣れないと非常に歩きにくいですが、
慣れると山でとても安定した歩きができるようになります。
靴底が硬いので岩場で小さな突起に爪先を乗せても
非常に安定していて脚の力をセーブできます。

画像4: 靴底の硬さをチェックしよう

また、ハイカットやミドルカットでも靴底が柔らかい靴だと
靴本体が捻れて捻挫の元になります。

「軽快に歩ける=安全」ではない

実は靴で1番多いトラブルは靴ずれ

画像: 実は靴で1番多いトラブルは靴ずれ

登山初心者が初めからジャストフィットする靴を選ぶのは至難の技です。
いわゆるハイキングシューズは万人向けに幅広でルーズな履き心地の靴が多いと思います。
普段の靴に近いので違和感なく履くことができます。
登山靴はフィット感を重視する物が増えますので
ハイキングシューズに比べると幅も狭め、全体的に窮屈な印象です。
どうしても慣れるのに時間もかかります。

最近は昔の様な革の登山靴は減っています。
革であれば徐々に自分の足に合ってくるメリットがありましたが、
靴自体の重量があるので敬遠される様になりました。
「じゃあ柔らかいハイキングシューズで剱岳に行けばいいじゃないか」
と言われそうですが、結論から言うと脚が疲れたり痛めたりする事が多くなります。
ハイキングシューズはルーズな作りです。
靴の中で足をしっかりとホールドしませんので
急な下りで足が靴の中で動いてしまって、
最悪爪を痛めてしまったりする事があります。
靴底も柔らかいですから岩場での安定感に欠けます。
慣れは必要ですが、やはりしっかりとした登山靴の方がメリットは多いです

フィット感をより高めるインソール

画像: 各種インソール

各種インソール

左が元々入っているインソール、
右が各社から出ているインソール。
元々靴に入っているインソールは
薄いものやサポート性が低いものもあります
市販されているインソールは踵から土踏まずにかけて
足裏からしっかりとサポートしてくれるので、
安定感がワンランクアップします。
ただ硬さやサポートされる位置、厚みが結構違います。
靴との相性もあるので、もしまだ使った事がないのであれば、
お店に行って色々試してみてください。
もちろん自分の靴持参で。
お店には全メーカーは難しいですが試せるサンプルがあります。
靴に入れて店内を歩いてじっくりと検討してみてください。

行ってみたい山に合わせた靴選び。その後に向けた靴選び

画像: 劔岳

劔岳

最後になりますが、登山靴を選ぶのは難しいですよね。
でも自分の目的が明確であれば失敗は少ないのでは?と思います。
長期的な登山を見越しつつも皆様が行ってみたい山に合わせた
最適な靴選びをできるように我々もサポートしたいと思います。

最後に

山旅スクールは1年間のカリキュラムで
あなたを自立した登山者に育成することを目的とした
開校20年以上の登山教室です
個性豊かなガイド陣と共にディープな山歩きにはまってみませんか
最新情報はこちらから

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