14世紀~16世紀に美術・音楽・文学・哲学の分野において興った文化運動。この激動の時代を「ルネサンス期」と呼び、イタリアを発端にヨーロッパ各地に広がったこの活動の中で、後世に語り継がれる世界的な偉人や美術作品が生まれていきました。本シリーズではルネサンス期を代表するイタリアの芸術家「レオナルド・ダ・ヴィンチ」「ミケランジェロ」「ラファエロ」を中心にイタリア芸術について紐解いていきたいと思います。

第3回目は、数えるほどしかわかっていないダ・ヴィンチが描いたと断定できる作品「真作」の中でも有名な「モナリザ」と「最後の晩餐」についてご紹介していきます。ダ・ヴィンチ傑作の隠されたに迫っていきましょう!(2021年12月27日更新)

画像1: イタリア芸術 三大巨匠が交わる奇跡の世界線 <第3回>『意外と知らないダ・ヴィンチ真作の秘密』 【好奇心で旅する海外】<芸術百華>

さて、みなさんはどれくらいレオナルド・ダ・ヴィンチとその作品についてご存知かな?

天才画家ダ・ヴィンチの真作とは??

ダ・ヴィンチは67年の生涯で実に様々な功績を残してきました。
その一方で完璧主義の性格のせいで、最後まで描き上げたと断定できる作品は数えるほどしか見つかっていません。

その数わずか16とも・・・
いまだ専門家によっても意見が分かれていますが、概ね15点前後と、非常に少ない数です。

そして、いつも何かを語りたそうな、思わせぶりな作品が実に多い画家でした。
そのため今でも世界中の学者たちが、ダ・ヴィンチが残した作品を研究し、新しい発見がある度に世界的な大ニュースとなるのです。

では今回はその“真作”のうち、担当者おススメの作品を、その作品に隠されている謎とともにご紹介しましょう!

モデルは誰だ!? 世界最高傑作絵画の謎

華の都、パリのルーブル美術館は世界最高峰の美術館として有名な観光地になっています。
所蔵されている作品はなんと38万点以上!!
筆者も旅行の際、一日ルーブル美術館に滞在をしましたが、その全てを満足に見切ることはできませんでした。

そして十数点しかないと言われるダ・ヴィンチの真作のうち、5つもの作品がここに所蔵されています。

そんなルーブル美術館でひと際にぎわう部屋に佇む、こちらの作品。

「ラ・ジョコンダ」 別名「モナ・リザ」

世界一有名な絵画といっても過言ではない作品ですが、制作から500年経った今なお「誰がモデルになっているか」という議論が続いています。
フィレンツェの商人ジョコンドの妻(=ラ・ジョコンダ)という説の他にも、ダ・ヴィンチの母親説、10年ほど前には男性説など、今でも確実なことはわかっていません。

画像3: イタリア芸術 三大巨匠が交わる奇跡の世界線 <第3回>『意外と知らないダ・ヴィンチ真作の秘密』 【好奇心で旅する海外】<芸術百華>

すごく有名な絵画だけど、一体なにがすごいんだろう??

この絵画の見どころは、モデルの絶妙な表情を表すために、スフマートと呼ばれる究極のぼかし技法が巧みに使われている点です 。
これにより、かすかな筋肉の動きまでをも美しく表現し、少し謎めいた慈愛の表情が柔らかいタッチで見事に描かれています。
また表情に目が行きがちですが、組んでいる手からも美しさとしなやかさを感じることができます。

画像4: イタリア芸術 三大巨匠が交わる奇跡の世界線 <第3回>『意外と知らないダ・ヴィンチ真作の秘密』 【好奇心で旅する海外】<芸術百華>

謎が多い作品なんて言われているけど、、、、

実はこの絵にはダ・ヴィンチが隠したメッセージがあると話題になっています。
肉眼で確認することはできませんが、超高解像度で分析すると右目には「LV」の文字が、、、。
これはレオナルド・ダ・ヴィンチのイニシャルではないかと言われています。
その他にも左目にもアルファベットが見られたり、背景の橋のアーチには数字が見られるとか、、、、
どれもこれもこの作品のモデルを表すヒントになるのではないかと専らの話題ですが、その真相は明らかにはなっていません。

是非この作品を実際にご覧になられたい方は、パリ、ルーブル美術館へ!
コロナが落ち着いたら、是非足を運んでみてくださいね。

唯一無二の表現力、レオナルド・ダ・ヴィンチの才能を満喫できる絵画

画像: 唯一無二の表現力、レオナルド・ダ・ヴィンチの才能を満喫できる絵画

「最後の晩餐」(The Last Supper)

もう一つご紹介しますのは現存する最大のダ・ヴィンチ絵画、「最後の晩餐」
製作期間は実に4年にわたり、修道院(現在のサンタマリア・デッレ・グラツィエ教会/ミラノ)の食堂の壁画に描かれました。

画像5: イタリア芸術 三大巨匠が交わる奇跡の世界線 <第3回>『意外と知らないダ・ヴィンチ真作の秘密』 【好奇心で旅する海外】<芸術百華>

あなた方のうちの一人が、わたしを裏切ろうとしている

中央に座るキリストがこのように言い、弟子たちは誰が裏切りものなのかと、慌てふためいているシーンです。
そしてこの晩餐の翌日、キリストは捕えられ、十字架にかけられることとなります。

キリスト教の歴史の中でも最重要ともいえる出来事が ダ・ヴィンチの筆によって表されました。

レオナルド・ダ・ヴィンチの最高傑作の1つとも言われるこの絵画ですが、実はモナ・リザと同じようにたくさんの謎が隠されているといわれています。

《謎①》楽譜が隠されている!?

2007年にイタリアの音楽家ジョバンニ・マリア・パラ氏によって発表された説によると、
「最後の晩餐」に描かれている弟子たちの手とパンの位置を楽譜に起こしてみると1つのメロディになるのだといいます。
ただこのメロディを聞いてみると、1つだけ心地よくない”不協和音”となる場所があるのです。
これが、‟裏切り者ユダ”の手にあたるのだとか、、、、?

《謎②》鏡にダ・ヴィンチコードが隠されている?!

「最後の晩餐」の左右反対の鏡像を上に重ねると、描かれていなかったはずの数名の登場人物が浮かび上がるそうです。
例えば、ローマ教皇に直属する修道会とされていたテンプル騎士団のような人物や、赤ん坊を抱えた女性のような人物も浮かび上がるのです。
ダ・ヴィンチがここまで計算をしていたのか、何かを意図して「ダ・ヴィンチコード」を隠したのか、真相はいまだにわかっていません。

ダ・ヴィンチの真作は世界各地へ

ここでは、「モナ・リザ」と「最後の晩餐」の2つをご紹介しましたが、ダ・ヴィンチの真作と言われる作品は現在、ヨーロッパを中心に8か国に点在しています。

ダ・ヴィンチの生まれ故郷イタリア以外ではフランスの所有数が多いですが、フランソワ1世に召喚され晩年を過ごしたことを考えると、頷ける数字ではあります。

<イタリア>
1・受胎告知
2・聖ヒエロニムス
3・東方三博士の礼拝
4・最後の晩餐
5・音楽家の肖像

<ドイツ>
6.カーネーションの聖母

<ロシア>
7.ブノワの聖母子

<ポーランド>
8.白貂を抱く貴婦人

<イギリス>
9・岩窟の聖母

<フランス>
10・岩窟の聖母
11・ラ・ベル・フェロニエール
12・ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)
13・聖アンナと聖母子
14・洗礼者ヨハネ

<アメリカ>
15・ジネヴラ・デ・ベンチの肖像

<アラブ首長国連邦>
16・サルバトール・ムンディ

※<>内は現在の所蔵国
※ダ・ヴィンチ作品の真偽には諸説があり、上記はその一つです。

おわりに

未だに世界中の学者が様々な角度から研究を行い、新しい発見や説があるたびに世界的なニュースとなるダ・ヴィンチの作品。今後はどんな新しい発見が出てくるのでしょうか。

まさに「事実は小説よりも奇なり」かもしれません。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次回は、同時代を生きた画家ミケランジェロとの関係や、近年になって世間を騒がせたダ・ヴィンチ作品について、ご紹介いたします。

画像6: イタリア芸術 三大巨匠が交わる奇跡の世界線 <第3回>『意外と知らないダ・ヴィンチ真作の秘密』 【好奇心で旅する海外】<芸術百華>

最後までお読みいただき、ありがとうございました!次のシリーズも是非ご覧ください!

シリーズ全10回好評公開中!
1回目「ダ・ヴィンチだけじゃない!ルネサンスって何?」
2回目「世界に轟く天才の名、レオナルド・ダ・ヴィンチとは!?」
3回目「意外と知らないダ・ヴィンチ真作の秘密」
4回目「失われた絵画!?ダ・ヴィンチ VS ミケランジェロ?」
5回目「生まれながらの彫刻家ミケランジェロ、運命の出会いとピエタ像」
6回目「孤高の職人ミケランジェロ ~偏屈キャラって本当?」
7回目「画家ミケランジェロ ~後半生をかけた魂のフレスコ画~」
8回目「“聖母のラファエロ” ダヴィンチからの影響と美へのこだわり」
9回目「天才ラファエロはルネサンス時代の有能なプロジェクトリーダーだった」
10回目「ルネサンスの天才が残したもの、私たちが出会うもの」

【好奇心で旅する海外】の他のテーマシリーズも公開中

クラブツーリズムの好奇心で旅する海外!様々なテーマ別の旅をご紹介!
世界の芸術や歴史、鉄道、グルメなど新たな旅の魅力を見つけませんか?

<芸術百華>
『イタリア芸術』
<歴史の時間>
『え~?これも三国志?!』
『謎多きエジプト大解剖!』
『楽園のハワイの横顔・歴史旅』
<世界遺産浪漫> 
『世界遺産〇〇5選』
<船旅チャンネル> 
『欧羅巴リバークルーズ』
『もっと身近にダイヤモンド・プリンセス』
<癒しの空間> 
『世界の風呂でととのう』
<海外の「味」物語>
『世界のカフェ歩き』
『世界のワインとグルメ旅』
『スタッフ厳選!世界のうまいもん』

<花咲くワールド>
『花カレンダー2021』
<夜空の物語>
『夜を美しくする〇〇シリーズ』
<来た来た!アニマル>
『キュン死注意!ふわふわモフモフ大集合』
<鉄旅チャンネル>
『世界の魅力的な鉄道』
<世界のホテルセレクション>
『世界の面白いホテルをのぞき見!』
<世界ぶらり街探訪>
『発見!知りたい世界の街散歩』

詳細はこちらをクリック☟

その他にも、さまざまな情報発信中!

イタリアについてもっと知りたい方はこちらのブログもおすすめ!海外のオンラインツアーや旅気分を味わえるYouTube、海外旅行の最新情報をつぶやく公式Twitterなど、海外気分を味わえる発信を随時行っています♪

Twitterやってます!
海外旅行の最新情報を配信中♪

海外旅行の最新情報を配信するクラブツーリズムの公式Twitter公開中!
コロナ禍の海外現地情報や海外旅行の最新情報、観光地情報に加え、海外ツアー販売開始の際にはいち早くツアー発表をTwitterで配信しています!是非フォローをお願いします。

フォローはこちらから! 

画像7: イタリア芸術 三大巨匠が交わる奇跡の世界線 <第3回>『意外と知らないダ・ヴィンチ真作の秘密』 【好奇心で旅する海外】<芸術百華>

クラブツーリズムから旅に関する最新の情報をお届け!
クラブツーリズムからメールマガジンをお届けしています。
多数あるツアーの中から厳選した、人気のツアーや限定ツアーの情報をご希望の方はメルマガ会員への登録をお願いします。
◎クラブツーリズムのWEB会員でない方はこちらから
◎クラブツーリズムのWEB会員だけれどもメルマガは受信していない方はこちらから
※既にインターネット会員の方も、配信設定を変更することでメールマガジンをお受け取りいただけます。ログイン後、メールマガジンの設定を変更ください。

クラブツーリズム 海外旅行ヨーロッパ担当 お問い合わせ先
【TEL】03-5323-6860
【住所】〒160-8308 東京都新宿区西新宿6-3-1新宿アイランドウイング
【電話営業時間】月曜~土曜9:15~17:30 日曜祝日:休業
【来店窓口営業時間】月曜~土曜9:30~17:00 日曜祝日:休業
※新型コロナウイルスの影響により一部営業時間の変更があります。詳細はこちらよりご確認ください。

This article is a sponsored article by
''.