上信越(新潟県、群馬県北部、長野県北部)にある日本百名山全12座をご紹介いたします!各山の標高や登山レベル(難易度)、登山時期についてもご紹介いたしますので、山選びの参考にしてみてください。

【上信越】※山の番号は選定者である深田久弥氏が定めた番号を基にしています。

上信越の日本百名山12座を全てご紹介!【登山の旅】

30. 谷川岳 1,977m・初級~中級 6月中旬~10月中旬

谷川岳は古来「耳二つ」と呼ばれた山で、山頂部にトマノ耳(1,963m)とオキノ耳(1,977m)が猫の耳のように尖っている。急峻な岩壁と天候が急激に変化することで遭難者が多く、「魔の山」と呼ばれたりもする。しかし、マチガ沢や一ノ倉沢、幽ノ沢など谷川岳の岩壁は、剱岳や穂高岳の岩場とともにロッククライマーたちが一度は登ってみたい壁となっている。山裾にある土合駅前が登山口になっている。

41.草津白根山 2,171m・入門~初級 6月中旬~10月中旬

白根山に逢ノ峰、本白根山を合わせて草津白根山と呼ぶ。「顕著な頂上らしいものは」なく、湯釜や弓釜などの「火口壁や火口湖が妙にある」と「日本百名山」の著者は案内する。火口は、今は火口湖になっている湯釜、弓釜、涸釜などで、この100年で10回以上、小規模水蒸気噴火をしている。湯釜火口は直径300m、深さ30mほどで、神秘的なエメラルドグリーン。湯釜展望所から眺めることができる。

42. 四阿山 2,354m・初級~中級 6月上旬~10月上旬

長野県と群馬県の県境にあり、信州では四阿山、上州では吾妻山と呼ばれる。この四阿山は、根子岳、奇妙山、浦倉山とともに四阿火山と呼ぶ円状の連峰で、巨大なカルデラを囲んでいる。スポーツ選手たちの合宿地で有名な菅平高原が西の裾にあり、高原から見る四阿山も素晴らしい。高山植物の多さと展望のよさから人気が高く、菅平牧場からの中尾根コース、根子岳縦走コースなど多彩なコースも魅力のひとつとなっている。

43.浅間山 2,568m・中級 6月下旬~10月下旬

浅間山は本火口の上、横、斜め下に噴火口ができ重なっている、世界で最も勇猛で活発な火山のひとつ。「日本百名山」の筆者は、小諸から登り、火口壁で噴煙に襲われたという。独立峰のため、山頂からの眺望は素晴らしく、白根山や妙義山、八ヶ岳に日本アルプス、遠くは富士山までの望むことができる。登山コースは「黒斑コース」と「火山館コース」とがあり、警戒レベルに応じて、登山可能な範囲が決められている。

25.越後駒ヶ岳 2,003m・中級 7月上旬~10月中旬

上越国境を仕切る山々の北側にある山塊で、八海山、中ノ岳とともに「越後三山(魚沼三山)」と呼ばれる。越後湯沢を過ぎたあたりから右手に八海山、越後駒ヶ岳、中ノ岳という順に見えてくる。信仰の山であり、清酒のブランドにもなっている八海山が有名だが、三山が同時に見えるのは小出あたりになるという。有名な豪雪地帯で、冬はスキー客で賑わう。越後駒ヶ岳へは佐梨川沿いに登り、枝折峠、駒ノ湯温泉、小倉山を経て頂上を目指す。

26.平ヶ岳 2,141m・中級 7月上旬~10月中旬

「日本百名山」の著者が、燧ヶ岳、至仏山、武尊山、会津駒ヶ岳などの百名山山頂からその長く平らな山容を望み、百名山に入れたいと思い続けたという平ヶ岳。日本海に注ぐ阿賀野川、太平洋を目指す利根川の源流域にあり、山頂付近は湿地で池塘が多く、チングルマ、ミツバノバイカオウレン、オノエランなどが白い可憐な花を咲かせる。また、池塘の中にカワモズクが生育しているという。

27.巻機山 1,967m・中級 6月中旬~10月中旬

上越国境の山々から北へのびる朝日岳、柄沢山、米子頭山の先に巻機山はある。西の裾を登川が洗う。そのあたりは清水と呼ばれる村落で、上越線のトンネルの名前になっている。「日本百名山」の著者は、この清水から山に入り、桧穴ノ段や上桧穴ノ段などの急斜面と岩場を抜けて登頂したという。巻機山には、珍しいアマツバメが営巣する洞窟があり、保護区に指定されている。

31.雨飾山 1,963m・中級 6月中旬~10月下旬

糸魚川と松本を結ぶ塩の道・千国街道に覆いかぶさるようにそそり立つ北アルプス。その谷筋の反対側、小谷村の北端に優しくしかし厳然とそびえる雨飾山。越後側が表だといわれるが、裏の小谷温泉から登頂の方がより楽だという。ブナが多い山で、新緑や紅葉の時期は絵のような風景が楽しめる。途中のブナ平は、休憩スポットとしておすすめだ。山頂にたどり着けば、はるかに日本海を見渡す景観が広がる。

32.苗場山 2,145m・中級 6月下旬~10月中旬

国道17号線で三国峠を越えるとまもなく苗場スキー場、貝掛温泉。さらに下ると、三俣、越後湯沢になる。幕末の越後塩沢の随筆家で『北越雪譜』を表した鈴木牧之は、湯沢から登り始め、三俣から苗場山を目指したという。山頂は平坦な湿地でまさに苗場だったと記し、この山を「越後第一の高山」と紹介した。夏には6合目から山頂にかけて、ゴゼンタチバナやチングルマ、シラネアオイ、ワタスゲなどたくさんの高山植物が咲き乱れる。

33.妙高山 2,454m・中級 7月上旬~10月中旬

半分欠けた馬蹄形の外輪山を巻いた、溶岩ドーム型の中央火口丘が秀逸。裾野が長く堂々として、関山付近から見るのが最も美しく、「越後富士」とも呼ばれる。長野市街から望める美しい高山ということで、斑尾山、黒姫山 、戸隠山、飯縄山とともに北信五岳に選ばれている。夏、赤倉あるいは池ノ平温泉から入山すると、巨岩が散乱した頂上付近には花畑が広がる。冬も、日本のスキー場の草分け的な存在といわれる雪の妙高は神々しい。

34.火打山 2,462m・中級7月上旬~10月中旬

焼山、妙高山と合わせ、頚城三山とされる。「日本百名山」の著者は、妙高もさりながら火打山が一番だという。上越市街からは目に触れず、山奥にそっとしている高山というのがその理由だろう。頂上を目指すには、笹ヶ峰から見晴らしのいい富士見平まで上り高谷池に出る。高谷池は天狗の庭など池塘の多い湿原で、紫の花を咲かせるハクサンコザクラやミョウコウトリカブト、ワタスゲなどが群生する。雷鳥を見るチャンスもあるという。

35.高妻山 2,353m・上級6月中旬~10月中旬

昔、天岩戸に閉じこもった天照大神を洞窟から出した時、こじ開けた岩戸を空に放り投げた。その岩戸は葦原に落ちて戸隠山になったといい、戸隠神社は今も、岩戸を投げた神様たちを祀っている。そんな戸隠山に連なる高妻山もまた修験道の山で、登山道沿いにはあちこちに石仏や石祠などが置かれている。2,353mの山で戸隠連峰では一番高く、トガクシイワインチンやトガクシショウマをはじめ、高山植物も豊富に咲く。

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